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何が「少なく」て、何が「多い」のか

「今年は雪が少ないらしいんです」と、同僚が言った。

週末、東北地方へかまくら祭りを見に行くのだが、現地の人に「今年の東北は雪が少ない」と言われたらしい。かまくら祭り、やってなかったらどうしようと心配する同僚。

「少ないって、どれくらいなんですかね?」と疑問に思い聞いてみた。最近は日本海側で雪のニュースもやっているし、先日行ったスノボもしっかり雪が積もっていた。だから、「少ない」が一体どのくらいなのか、あまり想像がつかなかったのだ。

ググる同僚。そして、腰ぐらいまで積まれた道路わきの雪の写真を見つけ、「こんなにあるんだ!」と驚いた。

「少ない」という言葉を聞くと、みんな共通してもつ感覚からなんとなく理解ができてしまうけれど、地域や環境、価値観の違う人と話すと、その意味は大きく外れてくることがある。

「こんな当たり前のことわからないなんておかしい」と思うことも、「つらい、忙しい」と思うことも、結局はすべて自分のものさしから見たものにすぎないのだ。どちらも間違えたことを言っているのではなく、単純に基準が違うだけ。誰がどんな基準で生きているかを知ることこそ、言葉のずれや考え方の違いをふせぐ方法なのだろう。

とはいえこんなにあやふやな基準なのに、「少ない」がなんとなくみんな同じような感覚を持てているのって一体なんでなんだろう。もちろん「多い」も、「大きい」も、「小さい」も。それぞれ状況や内容によって変わる概念にも関わらず、それらがなんとなく「こういうこと」だと認識を持てるようになったのっていつからなんだろう。

状況によって変わってしまうようなあいまいな言葉を使って、日々コミュニケーションを取れているって不思議。そんなことを思った、「今年は雪が少ないらしいんです」

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