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思いの分かち合い

今日の治療室には退院後初めて
抗がん剤治療に来る患者さんが沢山いらっしゃいました。

私たち看護師はそのような患者さんに対し、
退院後の在宅でのご様子(副作用やセルフケアの確認)や現在、お困り事やわからないことなどはないかというところから看護介入が必要な場合は
傾聴をしながら、セルフケアの再指導や主治医や主科の看護スタッフへ情報提供をして継続看護を展開していきます。

今日は肺がんの患者さんに関わる機会がありました。薬剤性の便秘や悪心による食欲低下などが
辛くて今回もまた同じようなことになるのかと
不安の表出がありました。セルフケアの確認や
処方されている下剤や制吐剤の正しい内服方法を
一緒に確認していく中で、こんなことを呟かれました。

『嫁さんもな、20年前に乳がんで同じように治療してたんや。その時はどれだけしんどかったのか辛かったのか近くにいたけど、わかってなかった。自分がなってみて、点滴が終わった晩からご飯が食べられなくなったり、食べ物の匂いで気分が悪くなったりするようになった。あの時の嫁さんの気持ちがやっとわかったんや。今頃、情けないな。』

と話されたので、私は本人の辛さに共感しながら辛い副作用を過ごしたことへの労いの言葉をかけながらこう伝えました。

「その思いを奥様にお伝えする機会があれば、是非とも伝えてみてください。きっと喜ばれるのではないかと思います。奥様も抗がん剤治療のご経験があるなら、今後〇〇さんがしんどい時に寄り添ってくれるでしょうし、〇〇さんも我慢せず伝えやすいですね。例えば食事の匂いがお辛い時はお料理の工夫もお願いしやすいのではないですか?
今も仲良しかもしれませんが、きっと今よりもっと仲良しなお2人になられるのではないですか? 来月来られた時にどんなお話をされたのかぜひ教えてくださいね。今日はお話しが聞けて良かったです。ありがとうございました。』

患者さんはにっこり笑顔で

『よっしゃ、来月な。』

と頷いてくださいました。

同じ辛さを体験するのとしないのとでは
やはり寄り添い方も違うでしょうし、
辛さの全てを言葉で表現しなくても
伝わる事が沢山あり、それはお互いの強みになり
不安の軽減にも繋がるのではないかと思います。

今日は実家の母も抗がん剤のメニューが変更になって2回目の治療日でした。
輸血も行いながらの治療だったと父から聞いてますので、本人は大変疲れた1日だったと思います。
きっと今日は早々就寝時間になっていると
思うので、明日にでも連絡して今日の話を
してみたいと思います。

思いを分かち合うことで生まれる

感謝 豊かさ 笑顔 

それらはとても素敵なエネルギー循環になるのではないかと思うみほみほでした。

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