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本当の思いを受け取る

化学療法室で毎日、がん治療を受けておられる患者さんと関わる中でお薬の副作用によって出現する症状や疾患からくる症状などに対して、傾聴したり、セルフケアに対する指導や、他職種との情報共有などをしています。

今日は指導しているスタッフがなにやらあちこち動いているのが目に入りました。
どうしたのか?
と尋ねると

点滴中の痛みを訴えていらっしゃるが血管外漏出はなく、滴下良好。
現在投与中の薬剤が、血管痛を起こしやすいと
説明するが、次回もこうなら辛いと言われる。
どのように対応すればいいのか…
腕を温めても表情は変わらずで、治療の継続は
難しいかと尋ねるとそうではないと言われる。

という事でした。

抗がん剤治療の回数が増えてくると、炎症性の強いタイプの薬剤で上記のように訴える患者さんは少なくありません。

点滴する腕を交互にして血管を休ませてあげる
点滴中の腕を温罨法(温めること)
など可能な限りの対応はしていますが、やはり痛みをゼロにすることは困難な場合があります。

よくよくお話を伺っていくと、
本当の思いは血管の痛みということよりも
今後も続く治療に対する不安という
ところを表出されていたのです。

なぜそう思われるのですか?

患者さんが思いを表出された時、その言葉の奥にある思いを汲み取ることが看護師には必要な
スキルの一つであると考えます。

痛いと言っているけれど、やりたくないとは言っていない。この矛盾はどこにあるのか?
患者さんの、本当の思いに寄り添うために
その訴えを深掘りしていく。

対応してくれたスタッフは患者さんの訴えが
今ひとつ掴めずにあの手この手でケアして
いましたが、パートナーのスタッフの助言に
よって、患者さんの訴えは不安からくるものだと
学んでくれたようでした。

私も日々の関わり方に気をつけて
本当の思いに寄り添う看護を提供していきたいと
思う場面でありました。

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