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患者さんの思いと家族の思い

私が勤務する外来化学療法室はいわゆる通院しながら抗がん剤治療を受ける場所です。

がん化学療法の認定看護師も勤務しており、
初回治療の前のオリエンテーションを施行し
予測される副作用についての対処方法や、
悪化させないための予防法や、在宅療養中の過ごし方の工夫などを説明させていただく機会があります。

今日来院された方のオリエンテーションを
担当したスタッフが記録をしながら
その時の様子を話しはじめました。

本人も妻も余命が長くないことを受け止めているが、長男の気持ちが本人たちに追いついてないために両親に対して説教をしたり、〇〇すべきと
あれこれ口うるさくアドバイスしてくるのが
本人たちにとっては苦痛で仕方ないと
オリエンテーションは、お二人の長男対する愚痴を傾聴する時間で終わった。

とのことでした。

長男は新薬の研究をするような場所で
働く獣医であり、今後予測される問題がわかってしまうために、本人たち以上に長男自身が心配や不安に苛まれているのではないかと話していました。

今を味わえている両親と先の不安を見ている長男

それぞれの思いはどこにあるのかとアセスメントした時に時間の感覚に対するズレがあるのではないかと感じました。

先案じばかりしていると不安や恐怖が拭えきれずに辛い気持ちで過ごしてしまうことになります。

長男の方とお会いする機会があれば
その思いに寄り添っていくかかわりを
させていただきながら、ご両親を支援する
具体的な方法に対してアドバイスさせていただきたいと思っています。

その後で徐々に家族の中で生まれる『ありがとう』がいつしか長男の不安なども和らげてくれるのではないかと期待してしまうのでした。

全ては心のあり方次第ですね。

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