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オルターエゴ読書感想文8

『ALTER EGO』というスマホゲームがある。このアプリに出てくる読書記録まとめ8回目。


今回読破した本

 『李陵・山月記』

中島敦 (2003), 新潮社.

この本は、全部で4作品が収められていて、表題の李陵、山月記の他に、名人伝と弟子があった。

山月記
タイトルの山月記は国語の教科書で読んだことがあった。なんか色々あって虎になった人の話だった気がするなぁと思っていたら、だいたいその通りで自己嫌悪がすごすぎて虎になった人の話だった。教科書は部分的に抜粋されたものかと思ってたけれど、だいたい記憶にある内容だった。なんか意外だけれどあれで全部だったんだなぁということがわかった。

名人伝
名人伝は弓矢を極める話で、世界一の弓の名人になるために師匠を殺そうとするという展開があり、なかなかの恩知らずだなと思った。

弟子
弟子は孔子の弟子の子路の話で、孔子を尊敬してやまない子路なんだけれども、分からないことは分からないとはっきり言う。そんな子路と、なんだかんだと小言を言いつつも子路を大事に思う孔子が描かれている。師弟愛の話で、これが一番お気に入りかも。

李陵
李陵と蘇武という2人の武将と歴史家の司馬遷を軸とした話。本題ではないと思うけど、李陵が兵士に紛れ込んでいた女性たちを、進軍の邪魔になるとサクッと皆殺しにするところが時代なのかなんなのかと一番記憶に残った。

文章のレベルとしては特段読みにくい部類ではないし、むしろ読みやすいのだけれど、中国文学にかなりの親しみをもった人でないと大量にある注釈を読み飛ばせないので、本の後ろにまとめてある注釈ページと本文を行ったり来たりすることになる。そういう意味では読みにくい本だった。

未読リスト

残り14 冊

■入手済み

飛浩隆 (2006), 『グラン・ヴァカンス』, 早川書房.

長谷敏司 (2011), 『あなたのための物語』, 早川書房.

夏目漱石 (2004), 『坑夫』, 新潮社.

フランツ・カフカ著 高橋義孝訳 (1952), 『変身』, 新潮社.

グレッグ・イーガン著 山岸真訳 (1999), 『順列都市』, 早川書房.

宮澤伊織 (2018), 『そいねドリーマー』, 早川書房.

■未入手

アンドレ・ジッド著 山内義雄訳 (1954), 『狭き門』, 新潮社.

イワン・ツルゲーネフ著 神西清訳 (1952), 『はつ恋』, 新潮社.

種田山頭火 (2000), 『草木塔』, 日本図書センター .

フョードル・ドストエフスキー著 江川卓訳 (1970), 『地下室の手記』, 新潮社.

アルベール・カミュ著 清水徹訳 (1969), 『シーシュポスの神話』, 新潮社.

メアリー・シェリー著 森下弓子訳 (1984), 『フランケンシュタイン』, 東京創元社.

ルイス・キャロル著 矢川澄子訳 (1994), 『不思議の国のアリス』, 新潮社.

シオドア・スタージョン著 永井淳訳 (2006), 『夢みる宝石』, 早川書房.

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