新しい出逢いのその後〜コロナ自粛に影響されない子どもの通園の現場

東京都内の保育園は、ついに休園を決めた区も多く出て来ました。私の在籍する保育園も東京都内ですが、今のところ休園の選択には至っていません。それでも登園自粛要請のお願いお便りを保護者にお渡しして、日に日に通園してくる子どもも減りました。昨日14日(火)では、その前日より更に少なく、登園は3割くらいの子どもに減りました。私は5歳児クラスの二人の加配担当なので、その子どもの保育を中心に、3〜5歳児合同での保育となりました。それもまた新鮮です。

保育士の勤務に関しては、7割の出勤人数を減らすと言う国からの通達により、パートの勤務は5月6日までお休みしても良い、と言う事になりました。その判断は、お給料の補填はないのでパートに委ねられ、全てお休みにする方も居れば、今まで通り働きたい方も居れば様々です。私は転職してまだ間もないので有給がなく、この話がまだなかった時は、三密そのものの保育園がずっと開園していて、子どもの安全と共に保育士の安全を世の中に軽視されて居るようにも思えて、もやもやとしていましたが、いざ選ぶとなると、この10日間くらいで築いて来た子どもたちとの信頼関係がまた一からになるのも怖いし、加配児童に関してもとても良い関係性が出来て来たと思えるところだったので、妥協案として、週の半分くらいの出勤と言う事にしてもらいました。登園し続ける子どもの中には、お母さんが看護師さんと言うご家庭もあるし、きっとこれだけ自粛の世の中になってもどうしても自宅待機が出来ない事情があるのだろうと思うようになりました。

さて、最近のAくん、Bくん。色々な崩れのタイミングや生活のリズム、感情の起伏がだいぶ分かって来て、日々、家に帰って今日の振り返り、今の課題、どのように援助すれば、次の行動へ移りやすくなるか、癇癪を起こす回数を減らしたり、落ち着かせたり出来るか、色々試した10日間でした。

双子と言えども二人は違う人格。困りポイントも当然違います。一人ひとりについて考えますが、最近Aくんの変化は、お食事の時。今まで、嫌いなものから食べる、と言うルールの元に食べていたようです。汁物が苦手なので、最初に汁物。次に野菜。そして主菜。ご飯。と言ったように。いつもお代わりはするので、食べる量としてはちょうどいいくらいなんだと思います。けれど、どこかでつまづいてしまうと、お代わりが出来ない。そんな中、そのルールが決められたようなのですが、ここ数日、「僕が決めるー!!これ食べて!これ食べてこれ!次はこれ!僕が決めるのー!!!」と崩れ出しました。前は、言われた通りに順番を守っていました。私が入った頃もそうでした。私は比較的ご飯時に落ち着いて居たAくんではなく、昼食前に大崩れするBくんの対応に追われ、Bくんのテーブルで食べていたのですが、最近、近くのテーブルで訴えて居るAくんを見て、これも一つの成長なのかな、と思うようになりました。それでも担任は、「いけません!次はこれでしょ!?」と対応していましたが、そうすると今度は、大好きなパンを「僕、パンが苦手なの〜〜〜〜」と!苦手だと言うと先に食べられると考えた訳です。心の中でAくん、知恵をつけたな、と思いました。さて、明日からどうするかな?担任と相談しようと思います。どれから食べても最後に全部食べ終われれば良いのです。そのことが本人が理解出来て、苦手なものを後からでも食べられるのであれば。。。それは今までの様子が私はわからないので、担任に聞こうと思います。ASDの子どもは偏食が多く、割と苦手な食べ物があります。そこが苦戦どころです。

さて、Bくん。最近、崩れの大きさが小さくなって来ました。多少崩れる事はあっても、1日一つのお約束は守ってくれるし、先日は、上履きを履いてよ〜と持って行ったら、「ありがとう」が言えた。私はめちゃくちゃ嬉しかったです。そして、昨日は、子どものトイレのスリッパがぐちゃぐちゃになって居ることをわざわざ私に伝えに来て、「僕、並べてくるね〜!♪」と。私は他の子に手がかかっていたのですが、ふと「ん?Bくん、もしかして?」と思い、トイレに行ったら、なんと子どものスリッパが綺麗に並べられて居るじゃありませんか!!私は嬉しくてももう、Bくんの頭をぐちゃぐちゃに撫で回しながら、「ありがとう!!!よく自分で気がついて、並べられたんだね!先生、すっごく嬉しいわぁ〜!Bくん、カッコいいじゃん!すごいじゃん!!」Bくんはニコニコ顔でにやけていました。

当初、出会った頃(まだ10日前ですが)、私は色々と勉強していた中で、その子ども達があの先生に褒められたい。と思ってもらえる保育士になりたいな、と小さな目標を立てました。信頼関係を築く中、少し甘やかした部分もあったと思うけれど、困った時はこの先生を頼ればいい、と思ってくれたら、次のステップに進めます。私は、とても嬉しい気持ちです。

二人が癇癪を起こすと、もう5歳児なので、ものすごい力で抵抗します。走って逃げたり、寝転がったり、次の行動に進めません。特にAくんの癇癪は、腹の底から葛藤の声をあげ、真っ赤になって暴れます。その都度私は抱き抱えて、分かった、分かったよ、とその子の気持ちを受け止めます。背中をさすってしばらく抱き締めて、だんだん落ち着いて来た頃、話題を別に向けます。「あれ?Aくん、バムとケロの絵本、どこだっけ?(大好きなのです)お着替えしておやつ食べたら、一緒に読もうよ。」など。怒りのスイッチがオフになり、次へと進めます。ちなみにこれ、Bくんの場合はなかなか通用しません。だから、しばらく自分で心が落ち着くまで、そのままそこに好きなように寝転んでおかせます。その時に抱き抱えたりなどは逆効果。蹴られます。手を軽くですが引っかかれます。でもしばらくして様子を見に行くと、Bくんは、「待ってたよ」って感じなのです(笑)そろそろ気持ちの準備が出来たのでしょう。集団生活の中ではどうしても、皆の足並みに揃いませんが、そんな事も時にはあります。それはワガママとか、ダメな子と捉えがちだけれど、そうではなく、ASD特有の特性なのです。その時に側についてあげる事。それで心が落ち着いて来ます。自分でみんなと同じように出来ないジレンマの中、イライラしてしまうのは、当事者本人なので。

二人ともとても可愛くて、私はこの加配のお仕事をもらえてとても充実しています。コロナ自粛の煽りで、パートおやすみ可能となりましたが、この今までの関係性をまた振り出しに戻したくないのです。


今週は、今日だけお休みになったので、これを書きました。

自己満足みたいな報告でしたが、読んで頂いてありがとうございました。

明日からもまた頑張ります。

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