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発達障害の子ども達との出逢い。その子らしさを探して。〜加配保育士になりました〜

2020年をまたぐ年末年始、2人の息子達との家族旅行でパリを旅してた頃は、今の生活なんて想像すらしてなかった。やがて転職を決めることも、新型コロナに脅かされる世界のことも。。。

それは3人のお祝いの旅だった。私は3人での乾杯を心から喜んだ。あの時大枚を叩いて決断しておいて良かったと今ではつくづくと思う。

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十分に気分転換したつもりだったけれど、1月中旬私は、ついに思い立って転職活動を始めた。始めたと言ってもそれは3日間で終わり、数カ所の保育園を迷いに迷って決めたのだけど、1月中にそれはもう結論が出ていた。


4月1日付で私は、隣町の中規模保育園の保育士となった。フルタイムであってもパートなので、配属先は乳児だと思っていたら、面接時に熱く語った「加配を必要とする子ども」の事が印象深かったのか、5歳児クラスの加配保育士に配属された。それはまさに青天の霹靂である。

幼稚園で言う年長組の加配児童。その2人は双子で、1人はASD(自閉症スペクトラム)の診断が既に降りている。4歳児クラスの時には、療育センターにも通っていたらしい。もう1人の子どもも診断は受けていないらしいけれど、恐らく同じタイプの子どもであろう。1人は重度、1人は軽度と言った具合かもしれない。

私は、ふたりの加配を必要とする子ども達と出逢い、まずは信頼関係を築く為の3日間を過ごした。本当の信頼関係を築くにはどれ位の日々が必要なのかは想像は出来ないけれど、私の顔と名前を覚えてくれて、1人の子は1日目に「誰先生ですか?よろしくお願いします。」なんて言ってくれて、次の日には、名前付きでF先生〜と駆け寄って来てくれた。朝、ご対面の時も私が定時で帰る時も必ずその2人には挨拶をして、ハイタッチをし、日中もずっと側に居た。時には距離を置きながらそっと見守り、でもやはり、集団生活の中で側に居ないと、1人で行動の判断が出来ないようで、2人とも寝転んでしまっていたり。その都度側について、詳しく噛み砕いて説明をした。

診断の降りていない子の方がむしろ気持ちの切り替えがとても難しく、周りの動きと同じようには出来ない。その歯がゆさを一番感じているのは、当の本人だと思う。一見するとただのわがままを言っているかのようにも見えるけれどそうではない。何かをしていて、それが終わり次の行動へと気持ちを移す事ができない。だから必ず、節目節目に崩れが起きる。それはかなり、長引く事が多い。それに対応する方法も、日々変えていかないと同じことを二度繰り返しても次はうまくいかない。私の方の学びが必要。



これを読んで気付いたのは、5歳児での発達障害援助は、今すぐ何とかしようとするのではない、と言うこと。2、3年後にその子が今よりもいいバランスで、周りとうまくやっていける為の力をつけられるようにする。そして、今、伸び足りていないところを、それまでにどうやったら伸ばしてあげられるかを考える。

5歳の段階ではまだ、周りの中での自分を客観視出来ていないので、例えば、「ほら、みんなを見てごらん、みんなは何してる?○○くんも〜〜しようね。」と言っても全く頭に入って来ない。その子どもを取り巻く環境を過ごしやすくすること、その子どもがみんなとの違いに傷付かなくても済む子ども時代を送れる環境を作ってあげること、それが私の役割だと認識した。

とは言え、個人差もあるから私はこの書物で学んだ事をそのまま活かすつもりはなく、その一人一人の等身大を掴んでいきたい。5歳児と言えばもう「みんなと同じでいたい」と思う気持ち、みんなが出来る事は自分も出来るようになりたい、と思っているかもしれない。その中でそう出来ない自分に苛立ちを見せているのかもしれない。「嫌だ!嫌だ!」を繰り返しながら、周りの歩調とは合わないけれど、根気よく付き合って行きたいと思っている。

そして、私自身がその子達にとって、『この人に認められたい』存在になれるように、日々模索しながら対応して行きたい。私はこの子達を全面的に肯定しながら愛情を注ぎたい。 もう既にこの3日間で、この子達を愛おしく思えていることは、私にとって何よりもの幸せだと思う。

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仕事上がりに、コンクリートからたくさんの金平糖のような花を咲かせるポリゴナムを見た。


この花の生命のたくましさ。私は、毎年この季節になると、ポリゴナムに元気付けられる。

そして、つくしんぼも見つけた。

年に一度しか現れないつくしんぼ。昔なつかしい思い出。

このような足元に咲く草花に気付くうちはまだまだ私は頑張れる。


桜は見事に咲き誇り、4月の新しい季節の到来を印象付ける。

朝の公園遊びもいつも桜が咲いている。その保育園の周りには、幾つかの公園があり、日々色々なところへお散歩に出掛けるけれど、その桜の木の下でキャッキャキャッキャと子ども達はいつも元気に走り回ってる。
新型コロナによる自粛ムードのこのご時世だけど、子ども達の楽しそうな笑顔と笑い声は、賛否両論色々な意見があるけれど、保育園が開いてて良かったなと思う瞬間。

二人の加配の必要な子ども達も、公園に行けば友達と一緒に走り回っている。その時ばかりは私もつかの間の他の子ども達と触れ合える時間。とは言え、おかえりの時間になると、必ず「嫌だー!嫌だー!もっと遊びたいーー!!」が始まるんだけど。

この一年、卒園のその日まで、その子達に色々な事を学びながら、保育とは何か、加配とは何かを教えてもらう事になるだろう。キラリとしたものをたくさん秘めてる子ども達と触れ合えるなんて、こんな出会いがあるなんて、冒頭に戻るけれど、家族旅行をしていたあの頃は、これっぽっちも想像出来ていなかったこと。


人生と言うのは、本当に、一瞬先のことも分からない。だからこそ、時間と大切に向き合って、日々変化して行きたいのだ。私に残された時間があとどれくらいなのか、誰も教えてはくれないのだから。


果たしてどんな一年になるのだろう。それは案外、自分次第かもしれない。


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