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なんか気づけば国際恋愛をしている

正直、不測の事態。
今もたまにふと我に返る。

悪い意味には捉えないでほしいが、純粋に、留学前は本当にこれっぽっちも、みじんも、留学先で恋人ができるとは思ってもみなかった。
望んでもいなかったし。

もともとまったく恋愛体質ではないから、誰とも付き合っていない時も、自分から出会いを探しに行ったりしたことがなかった。
一人で生活するのが気楽で好きだったから。

でも渡航して2ヶ月で恋人ができた。なんでだよ。

いや、自分で選んでそうしたのは間違いない。
でも、こんなことって起こるんだな〜と他人事みたいに面白く思える。


私の人生は基本、好奇心で構成されている。

ある夕方、シェアメイトのドイツ出身の男の子からMeetUpに誘われた。
開催は数時間後。その話をされた場はすでに、ステイ先家族のとある祝賀パーティー。

……いや〜、めんどくさい。
正直、最初に思ったのはこれだった。
家のルールで夜22時以降はシャワー浴びられないし。行ったらシャワースキップ確定。

しかし待てよと。
誘われたMeetUpの会場が私の好奇心を揺さぶって止まない。

「本物のCASINO、一回見てみるか……」

その薄っぺらい感情とせっかくだからというもったいない精神を抱え、シェアメイトの子とバスに乗り込み、会場へ向かった。

その群衆の中に居たのが今の彼である。
紆余曲折あり、付き合うことに。
若干、リアルSomeone in the Crowd.(ラ・ラ・ランド)

当初、実を言えば、付き合う気持ちになれるほど相手のことを知れていなかった。
知り合って間もない人間と付き合うことに忌避がなかったわけではない。
どんなに猛アタックされても、「そんな簡単に動く人間じゃないからな」と、何故か自分に対して臨戦態勢だった。

と同時に、ふと思ってしまった。
楽しいかもしれないよ? と。

初めての海外、到着して2ヶ月経った程度のまだ少し残る非日常感に浮かれた頭で、「まあ、おもろそうだしいっか」に辿り着くのは容易だった。


モントリオールに住んでいた感じ、国際恋愛ってまったく珍しくない
私の観測範囲では、同じ国出身同士のカップルとそうでないカップルならむしろ、肌感後者のほうが多かった。
国籍ダイバーシティあるある、もしくは単に日本ないないなのかもしれない。

あと、私の状況を客観的に見た事実がそうなので「国際恋愛」といってはいるが、実際は別にあんまりそういう感覚でないことも確か。

言葉が通じにくいとか文化のすれ違いとか、あるにはあるけど、まあそんなことは同じ国の人間同士でも発生しうるし。
ただ今は「遠距離」という意味で、恋人という存在がいるけどここに実体はないみたいな、よくわからない不思議な感覚はある。


あれよこれよと時が経ち、交際期間は1年を超えた。
現在彼はカナダ、私は日本にいる。

未知なる初めての遠距離ではあったものの、一人時間も絶対に確保したい私としては結構快適 so far。
彼も自分の趣味とか仕事で忙しい人だから、同じような感じだと勝手に思っている。
来年彼の来日予定があることも、水面下の寂しさみたいなものからある程度遠ざけてくれている気がする。

しかしこうなってくるとゆくゆく発生するのが今後どうする問題
いくら自分自身の感覚がそうじゃないとはいえ、事実別の国籍を持つ者同士。
物理的に一緒にいたいならば、法に何らかの赦しを得なければいけない。

今のところは、何かしらをどうこうするという具体的な話はしていない。
でも特に交際を終わらせる予定もない点から、片方が片方のもとに移り住むという仮定の話を考える。
たとえ前向きな動きだとしても、それにまつわる色々な苦悩、経費、タスクは無情にも降りかかることになる。

そして諸々を加味すると、現実問題、動くのは私となるだろう。
はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

家族や友人とコンスタントに会えて、チップなしの上に美味しい外食もできて、思い立ったら24時間いつでもスーパーやコンビニに行けて、役所関係のことも問題なく全部自分でできて、店員さんに日本語が通じて、Sushiじゃなく寿司と納豆と生卵が存分に食べられる日本を満喫している私だが、モントリオールを体験したことにより、なんだか気が大きくなっているのも確か。

日本は便利で綺麗で言語に困らないが、そうでなければないで、それはそれとしてどうにかやっていたし、楽しめていた。
おそらく居住地への順応性は高めなほうなのかも?

だから仮に将来移住することになっても、それ自体は多分大丈夫。
懸念は職と寿司と交友関係の枯渇。結構あるわ

にしても、その前にもっと世界を旅行してみたい。今の目標はそこ。


彼がくれたケベック靴下とキーチェーン

今、互いの母語である日本語とフランス語を、初級からDuolingoで勉強しあっている。
ここからいずれ互いの母語で流暢に会話できるほど上達するとは思っていないが、私が少ない語彙から繰り出したフランス語を理解してもらえた時、相手が紡ぐ拙い日本語を聞いた時、ごちゃまぜで幼児レベルの会話をする時、なんか……良いなと思う。

ちなみに私がYouTubeを始めた当初、当たり前の配慮として動画編集時に彼の顔が映らないようにしていたのだが、「顔を隠さず、もっと載せてくれ」と頼まれたため、今ではバンバン出現している。

いやどうなるんだろう。己でも全然不明。
さてこの先、ラ・ラ・ランドをなぞる展開になるのか否か。

北海道出身