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消えていったスマホ用SoC

今回は昔はAndroidのスマホ・タブレットで搭載されていたけど、
今は全く見かけなくなったSoCについて触れていきます。

Intel Atom


有名なSoCだと思います。
特にASUSのZenFone 2で採用されたのが記憶に残ってると思います。Androidで採用され始めたのは、やはりASUSの初代FonePad(ME371MG)やFonePad Note 6に採用されたAtom Z2420、Atom Z2580が有名です。
こちらは、Saltwellと呼ばれるアーキテクチャで、32nmプロセスルールです。
Atom Z2420がコードネームMedfieldです。
また、クロックが1.2GHzで、1コア/2スレッドです。
Atom Z2580がコードネームClocer Trail+です。
また、クロックが2.0GHzで、2コア/4スレッドです。
また、幅広く搭載されたのは、後継のSilvermontアーキテクチャで、
22nmプロセスルールです。
ZenFone 2とZenPad S 8.0のAtom Z3560とAtom Z3580のMoorefiledが有名でしょうか。
どちらも4コアになり、前者がクロック1.8GHzで、後者が2.33GHzです。
上記のどの製品もGPUはPowerVRを採用してます。
また、Atom Z3580の性能はSnapdragon 801と同等みたいです。
しかし、ARM向けに作られたアプリをx86に変換する必要があるため、
アプリの互換性が良くなかったみたいです。
また、Moorefieldの後継であり、Androidスマートフォン・タブレット向けの最後の製品であるSoFIAがあります。
ZenPad 7(Z370C)、ZenPad 8(Z380C)のAtom x3-C3200くらいしか、
日本での採用例がありません。
コア数こそ4コアですが、クロックが1.1GHzと抑えられ、
GPUもPowerVRからArm Mali-450に変わっており、
ハイエンドからミッドレンジに変わっています。
SoFIAでAndroidスマートフォン・タブレットから撤退し、
また、コンシューマーWindows向けですら、
モバイル向けののCeleron N/Pentium N。
デスクトップ向けのCeleron J/Pentium Jに名前が変えられ、
つい最近では、モバイルでのCeleron/Pentiumブランドから、Intelブランドに名前が変更されることも発表されています。

NVIDIA Tegra

主にAndroidタブレット向けでお馴染みだったTegra。
2011のTegra 2から採用されていた歴史あるSoCです。
40nmプロセスルールに、Cortex-A9のデュアルコアで、クロックは1.0Gz。
また、この頃はTexas Instruments OMAP(後に紹介)かTegraのどちらかがAndroidタブレットでは、多く採用されてました。
また、後継のTegar 3は2012版Nexus 7にも採用されました。
Tegra 2と違うのは、デュアルコアからクアッドコアともう一つ低負荷状況下でのみ動作するコンパニオンコアを一つ搭載しています。
もちろん、動作クロックも1.0GHzから1.3GHzまで上がり、メインコアがシングルスレッド時のみ1.4GHzまで上がる仕様です。
(コンパニオンコアは、0.5GHzで駆動し、OS側からは確認できない。)
後継のTegra 4は少し採用例が少ない気(それでもSurface 2に搭載されてはいる)がしますが、40nmプロセスルールから、28nmプロセスルールに微細化し、
Cortex-A9のクアッドコアからCortex-A15のクアッドコアになり、クロックも1.8GHzと性能が大幅に上がりました。
後継のTegra K1は、32bit版はTegra 4と似た構成(しかし、クロックなどは上がっています)。
64bit版はNexus 9に搭載されたことで、覚えている方も多いはず。
こちらは、CPUにDenverという自社開発を採用し、2.3GHzのデュアルコアで稼働します。
また、GPUにKelperアーキテクチャというPCと同じGPUを搭載したことで、
大幅に性能が上がりました。
Tegra X1という後継もありますが、こちらは日本向けAndroidスマホ・タブレットでは、採用例がほぼないです。
違いとして、Denverアーキテクチャから、Cortex-A57とCortex-A53のbig.LITTLEを採用した点、GPUも世代が上がり、Maxwellアーキテクチャになりました。
また、Tegra X1のデグレード版が任天堂のSwichに採用されたのも有名な話ですが、これ以降の製品ではAndroid向けには搭載されていません。

Texas Instrumentsn OMAP

初期のAndroidスマホやタブレットに幅広く採用されていたSoC。
特に、採用され始めたのは、OMAP 3シリーズのOMAP 3622とOMAP 3630です。
45nmプロセスルールにCortex-A8のシングルコアで、
前者が1.0GHz、後者が1.2GHzです。GPUはPowerVR SGX530です。
あまり搭載例がありませんでしたが、次のOMAP 4シリーズから搭載例が多くなります。
OMAP 4には、OMAP 4430、OMAP 4460、OMAP 4470とあり、
どちらもCPUアーキテクチャが、Cortex-A8のシングルコアからCortex-A9のデュアルコアになりました。
3つの製品は、数が上がるほどクロックが高くなります。
(OMAP 4470で最大1.8GHz)
また、GPUもPowerVR SGX540に世代が上がりました。
しかし、Texas Instrumentsがスマホ。タブレット向けSoCから撤退したことで、後継製品が現れることはありませんでした。

最後は番外編です。

OP1

OP1ってなんぞやって人も多いと思いますが、
Chromebook向けに作られたSoCです、
製造は、Rockchipで、主に組み込み向け製品を作る中国のメーカーです。
また、OP1は型番がRK3399となっています。
Cortex-A72をデュアル、Cortex-A53をクアッドを搭載したヘキサコアSoCです。
GPUは、当時のハイエンドMali-T860をクアッド搭載しています。
ASUSのChromebook Flip C101PAやAcer Chromebook Tab 10などに採用されました。
しかし、Chromebookに採用されるSoCが
エントリーで、MediaTekシリーズ、Inlel Celeron Nシリーズ。
ミドルで、Snapdragon 7c、Intel Pentium Nシリーズ、AMD APUシリーズ。
ハイエンドで、Intel Coreシリーズ、AMD Ryzenシリーズ。
と幅広くあり、OP1の後継を出さなくても良くなったのか、
それ以降の製品は出ていません。

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