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【考察】イラストにストーリー性を持たせるとは

1週間、毎日10時間以上、絵の基礎練習をした。
以前イラストレーターをやっていた時は、こんなに手軽にノウハウが手に入らなかったので、ほぼ手癖で描いていて、描けない絵がたくさんあった。
しかし手癖も大事な要素で、アタリ(丸かいて十字を切るみたいなやつ)を描く前に「どんなものを描きたいのかの流れ」を作る段階では手癖でチャチャっと描いた方が柔らかさか出て自然になる。
自由に描いて技術で修正する。というのが理想だなあと思った。

基本の絵(キャラ・背景)が描けるようになったら、次はレイアウトを取る。
このレイアウトに物語性を感じられると、多くの人がいいなあと思う絵になるらしい。
物語とは何だろうか。

物語とは、人の心を動かすことだ。強い感情を呼び起こすことができる絵は共感を呼ぶ。
これは対人でも似たようなことが言える。
持ち物が同じだったり、同じ趣味を持っていたり、同じ体験を共有したり、お互いにしか分からないユーモアなど。人が人を結びつけるには要素がある。(まあ、私人生ずっとぼっちなので机上の空論ですが)

どんな特徴があるのか、男女別に考えてみよう。
男性の描く女性のイラストは胸や尻、太ももなどのこだわりが強く見られ、下着のディティールや、胸の谷間、尻シワなどに細かくこだわるのが特徴的だ。
丸いシルエットを男性は好む。
対して男性キャラは強そうか弱そうかにざっくり分類できる。
ギャップになるのは、強い見た目のキャラの弱さや、弱い見た目のキャラの強さになる。
強弱でも、優秀さなのか、小狡さなのか、腕力なのか。そのあたりでキャラクター性を出してくる。

物語という視点でいうと、男性はとりあえず競わせる物語を作る傾向にある。負けて悔しかった、勝って嬉しかった、そこまで努力したなど。
ストレスを軽減させるために丸いシルエットのものを癒しの道具として使う男性は多い。

また、収集癖があるのも男性の特徴である。ある1ジャンルの食(寿司とラーメンが多い)にのめりこんだり、鉄道や⚪︎⚪︎のフィギュア、軍隊アイテム、好きな球団のグッズなどをひたすら集めたりする。集めるだけでなくかなり細かく理解の造形が深くなる。

これらのストーリー性と視覚的な印象、何か実物する小物を描く時には精巧さを求めると男性に刺さりやすいイラストになる。
以下のようなイラストが男心をくすぐるのではないだろうか。
・過労で熱を出してる時に、不器用にお世話して好意を示そうとしてくれる女の子
・勝負に負けた時に後ろから優しく抱きしめてくれる女の子
・オタク的要素を絡ませた身体的フェチを取り入れた女の子

「勝負に勝つ時」というのは人生の中でもあまり多くないイベントなので、弱っている時に何かしてもらう・好きなことに共感するという文脈で男性に刺さる絵を作ることが出来るように思う。


女性は、男性の筋肉や広い胸板にフェチを感じる傾向がある。
女性キャラは目力が強いことが特徴で、体の線は細く、ファッションに細部までこだわる。
男性の体も筋肉はついているが痩せマッチョ型を好む。
ビジュアルとして美しいことが大事な要素なので画面もキラキラしがちだ。そして意外と直線的で線は細いが丸みは少ない。

・可愛いものや甘いもの、淡い色合い、お姫様。
・非常に現実的な思考をするため、実用的な物を好む傾向がある。
女性の中でこの2要素は完全に分離しているが、繋がっていると言ってもいい。現実と妄想がどちらもハッキリしていて曖昧であることが特徴だ。
生活の上に置かれた、美男美女、女の子はお姫様で男の子は王子様。ベースは大体これだと思う。切なさは「現実」が対応する。

私はどちらかというと男性向きの絵ばかり見る傾向が強いので、女性はあんまり捉えられてないかもしれないが、もう少し考えてみる。
世界観が好き、キャラ萌え、腐ってるなど、女性が山のように作り上げている「感想に用いる言葉」について考えてみる。

世界観
「ああ、ここが中世のヨーロッパでお花が綺麗で家政婦さんもいて、石畳の綺麗な街並みだったら」というのが女性の発想。
男性の場合、SF好きならSFの設定を考えていくかもしれないが「幼馴染の可愛い俺に惚れた女の子がいたらなあ」という発想になるような気がする。
なんかこう、女性の世界観には日常が、置かれた舞台の「夢」がある。おしゃれな花屋があって、かっこいいお兄さんがいて…。
お兄さんも世界観を作る舞台装置だ。

キャラ萌え・腐ってる
女性がいうキャラ萌え、腐ってるは関係性を指す言葉に思える。
恋愛の場合、女性のクライマックスは告白であり、男性のクライマックスは別れであるらしい。
クライマックスに向けて視聴者は興味を持つことを考えると、女性は「片思い、または報われない恋の状態」に興味を持ち、男性は「もう付き合ってる状態」がドラマの見せ所だと言えるだろう。
なので、女性の場合付き合う前の状態、またはBLなどの報われない恋(これは私は男性というモチーフを使って報われない恋の状態を女性が擬似的に作っているのではないかと昔から考えている)、恋愛禁止アイドルへの恋などがときめくシチュエーションなのではなかろうか。
こんなイラストは女性うけが良いのではなかろうか。
・マカロンやぬいぐるみ、リボンなど、可愛い要素が詰まったお姫様のような女の子
・外では2人の関係性をバレないように振る舞う男性カップル
・ココアにヘッドフォン、可愛い部屋で可愛い服を着て、片思いの男性に思いを馳せてる女の子

なんか男は「自分が主役」としてイラストを眺め、女は「空想の部分を自分と重ねて」イラストを眺めているような考察になってしまった。
どうなんだろう。

次に考えたいのが、世界観の共存だ。
今流行ってる「推しの子」は原作者が男性で作画が女性なので、結構ミックスされていると思う。
フィギュアオタクの部屋に入り込んだ女性がドギマギするように、全体ピンクの部屋に入り込んだ男性がドギマギするように、それぞれの主張を強くするとどちらかは引き、曖昧にするとボヤける。
芸能界という舞台装置のおかげで共存に成功している例のように見える。

そんなことを悶々と考えていたら疲れてしまったので、字にしてみた。
これが間違っているにしても、人がどんなことを考えているかを考えながら書いていくことでストーリーのあるイラスト案自体は浮かぶことがわかる。
そして、それをAIに頼むとめっちゃ面白いイラストを生成して笑わせてくれる。

あ、これは好きだなと思って久しぶりに漫画を買ったものがあった。完全に女性向けの絵なので、男性向けの絵に触れることが多いだけで、私は女性向けの絵が好きなのかもしれない。
まあ、女ですしね。
女の子向けイラストの小道具は身の回りの可愛いものである。


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