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新版 日本のむかし話 シリーズ(偕成社文庫)

『新版 日本のむかし話』
作:坪田譲治

1巻17〜21編の日本の昔話が収録された、語り口調の短編集。
1巻は一寸法師、2巻はかちかち山…と有名作品がメインとして挙げられているが、正直他の話はかなりマイナーなものばかりである。いくつか知っている話もあったが、殆どは初めて聞く話ばかりであった。
軽妙な語り口調で読みやすいが、言葉遣いは正直古さを感じざるを得ず、子どもに理解しやすいとは言い難い。話自体もきちんと起承転結があるものから、唐突過ぎる展開で終わるもの、オチが放り投げられて終わりなもの、どう見てもめでたくないのに「めでたし、めでたし」で締められているもの、似たような展開のものなども(仕方ないが)含まれており、それなりにツッコミどころ満載である。昔話なので当たり前に女子供には人生の選択権がほとんどなく、人や動物は平気で痛めつけられ死に至ることもある。子どもに読ませるのにどうかと思わなくもないが、なかなかどうして、我が子には大変好評なのが面白いところだ。不思議な魅力があるらしい。

昔話自体は自分も小さい頃よく読んでもらっていたため、我が子にも何か読み聞かせられるものがあればとたまたま本屋で手にとった1巻を購入したものの、当時2歳の我が子には言葉遣いも挿絵の少ない中身も、話の長さも、最適とは言い難いものだった。そのため暫くは本棚の肥やしとなっていたが、3歳になり言葉の理解や集中力が増してきたので再挑戦。まさかのお気に入り本の仲間入りを果たし、寝る前の読み聞かせの定番と相成った。
ちなみに全8巻あり、1巻の解説によると全巻合わせて約150編の昔話が収録されていて、これを読めば日本の昔話のあらかたは読み尽くしたと言えるらしい。我が子も気に入っているので引き続き購入していきたい。

ただ、「総ルビ、豊富なさし絵で楽しく読みやすいシリーズです」という謳い文句(表紙をめくると書いてある)は正直なところどうかと思う。

■初めて読み聞かせた年齢:2歳
■読んだきっかけ:本屋
2歳には早すぎた。3歳になって突然ブームがやってきたのは謎。正直3歳でもやや早いのでは…?という気持ちは拭えない。

□なんとなく評価(最大5)
・わかりやすい言葉づかい:☆☆
・理解しやすい物語:☆☆(話にもよる)
・我が子にウケた:☆☆☆☆☆
・自分が面白かった:☆☆☆
・絵の多さ:☆☆
何が子どもに気に入られるかはわからないものである。

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