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【パッケージの話012:個包装】

今日は個包装の話。
いろいろありますが、一番よく見かけるのは透明フィルムのピロー包装。お菓子に多いですね。紙の箱と違い、ベースが透明なので白版作成などデータが少し厄介。基本グラビア印刷なのでロットは大きくなります。

ピロー包装のしくみ

個包装1

表面のデザインから見て、上下に入る表示は逆さまになります。また、光電管の黒いマークがあるのもフィルム包装ならでは。このマークで感知して自動製袋(せいたい)します。

実際の形はこちら。確かに枕(ピロー)っぽいかも。ちなみに個包装のピローと、箱のピローは全く違う展開図になります。

40-レインボーシリーズ蜂蜜かすてら

そのほか、よくある個包装

個包装4

ガゼット袋はピロー包装にマチがあるものです。厚みのあるクッキーや、除菌シートなどもこれです。三方袋はタレや、化粧品の試供品も多いですね。周囲が全てシールのものは四方袋と呼びます。

画像5

余談ですが、写真は数年前にソウルの明洞で集めた試供品。これも個包装と言えますが、デザインを大きく見せられる四方シールの袋が多いですね。韓国コスメの試供品はデザインに力入ってて楽しい。

透明フィルムには白版が必要

透明フィルムや蒸着フィルムにデザインをする時は、白版を作る必要があります。紙にデザインするときは基本ベースが紙の白であることが多いですが、フィルムは透明なのでわざわざ白を作ってあげないといけません。

上のピロー包装の写真のデータはこんな感じ。わかりやすく白版が横にありますが、実際はカラー版の下にレイヤーで入ってます。また、白ベタだとわかりにくいので、スミやシアン、マゼンダ1色で作ります。通販印刷グラフィックに入稿する時(透明PETシール発注時)は、白版=スミ100%で作成する決まりになってます。印刷会社さんによっても違うので、事前に聞いておいても良いですね。

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アルミ蒸着フィルムでも白版を作りますが、部分的に白版を抜いてシルバー地を生かすのもよく使う手です。シルバーの上に白を引かず、黄色を印刷すると金色になりますし、青や赤でもメタリックカラーになります。

ちょうどよい例がありました。

蒸着個包装

ベースや上下の帯はメタリック感を残して華やかに。ロゴやタイトルまわり、シズル写真は白を引いてはっきり見せてます。こんな風に白版のあるところ、ないところをデザインによって使い分けます。(私のデザインではないのであくまで予想ですが)

パッケージの多くは、紙と、こういった軟包装との組み合わせが驚くほど多いです。単一素材で出来上がってるパッケージの方が珍しい。それぞれの素材で印刷方法、色数、加工などが変わってくるので、ややこしい事この上ないのですが、それがパッケージの奥深いところでもあります。


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