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年齢:35歳 性別:女性 疾患:あり

ついに、取った。子宮と卵巣を取った(卵管もネ★)。1ヶ月半も会社を休んだので、いま社内の変化に浦島太郎をしているところである。



子宮と卵巣を取った理由

■子宮内膜症(20~30代女性に多く、痛みや不妊を引き起こす)

■子宮腺筋症(30~40代女性に多く、月経痛や月経過多を引き起こす)

■卵巣腫瘍(20~30代女性に多く、悪性化すると卵巣がんになる)


いまやどれもメジャーなもので、聞いたことのある人も多いのでは。特に婦人系の疾患になりやすい、ド真ん中世代の私には縁の深いもので、これがトリプルでやってきて幾星霜。いらっしゃいませー。


昔からひどい生理痛で、「内膜症だね、妊娠が難しいタイプだよ⭐︎がんばれっ」と赤枝六本木診療所の、愉快な赤枝先生に励ましてもらったのが懐かしい。ピル生活やら漢方やらを乗り越えて、28歳で出産までこぎつけたわけだけど、途中経過もよくなかったりしてハラハラな妊娠生活を送って、ようやくキセキの娘を産み落とせた。


それから7年、どうにもこうにも2人目を妊娠できなかった。いわゆる2人目不妊である。そうこうしていたらこの3つの症状が徐々に進行して、痛みから開放されたくて手術を選択した。


【今回お世話になった国立病院の先生のお話】
痛みを(ほぼ)完全にとりたいなら摘出しかないけど、まだ自然妊娠の可能性は0%じゃないよ。あと5年くらいは頑張れるよ。1%でも子供が欲しい気持ちがあるなら、薬を追加したり変更したり一部摘出をすすめます。


ということだったけど、「いや、痛み無理っす!これまで7年間、やれることは他にもあったと思うけどやらなかった自分たちの判断も不妊の原因なので これから急にやるとは思えないし、手術してください!」とか変な事を言って踏み切った。先生困らせてごめんね。


手術前の気持ち

とにもかくにも、痛みのない生活を想像するだけでニヤけた。そしてもう生理が来ないのだと思うと、あの不快な日々にサヨナラだわ。また来世でな。という達観した気持ちにもなって普通にうれしかった。


手術後の変化

術後すぐは「痛すぎてむり。痛みを取りたかったのに逆に痛いの何、先生まじ呪う。」って気持ちで、痛み止めのおかわりをしまくったら「15cm切って内臓触ってるし縫ってるからね(痛いよ当たり前じゃん)」と言われて撃沈した。

退院後もいろいろあって、ポンコツわがままボディに睨みをきかせながら通院をして、ようやく元の生活に戻りつつある。だからこれを読んだ優しい人たち、本当に心配しないでね。


気持ちに気づく、寄り添う

婦人科に通うことが多かった経験からソウイッタドラマは涙なしには見られないんだけど、その中でもコウノドリはトップクラスで泣ける。

先日もアマプラでコウノドリを見ていたら、病院長が『(症状的に子宮を取らないと)しょうがないよね、まあ子供いるし(子宮なくなっても)いいでしょ』と発言した。
※『コウノドリ』は、医療に関わるすべての人を描く作品です


そしたら助産師の小松さんが『院長、60歳だよね。じゃあ(こども作るわけじゃないし)いらないね、キンタマ』といい、面食らっている院長に「それと一緒だよ」と嗜めていた。


確かに機能的に不要なら取ってもいいだろうね。取りたかったらそれでもいいと思う。でも、病気とかってソウイウコトジャナイ。生まれてきた体、ずっと一心同体のものたちが取り除かれる虚無感。特に今回は"性"に関わるところだから、実際自分の身に起きたら抵抗がある人のほうが多いだろう。


私はドラマの患者と違い、取らない道もあったけど、今後20年も、年々増す痛みと伴走するのが辛くて取る選択をした。だから自分の取りたいという気持ちや選択は、間違ってなかったはずだ。


これからの事

自分で選んだし、あまり深刻な面持ちをするのはおかしいと思ったけど、完全に気持ちが晴れているわけでもなかった。

そんな時、同僚のうえださんが公開していた、同じジャンルの記事を読んで「思ったよりショックだった」という文字を目にして、ストンと気持ちがハマった気がした。そうか、わたしちょっとショックなのか。
▼記事はこちら


こんな症状がなければ、生理が軽ければ、1人目の妊娠がスムーズだったら。手術を選択しなかっただろう。しなくて、よかっただろうし。そういう「たら」「れば」を吹っ切れておらず心のどこかで健康な人を羨ましがる気持ちを、ずっと持っていたのだ。だれにも、手術の選択を迫られてもいないのに。


だから、ショックを自覚できてよかった。自分で決めたことだけど、「取らないとしょうがなかったんだし!」と固く意地を張って生きるより、心と体に向き合って、自分を大切に生きて行く方がずっといい。

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