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春節とロサルの、ご挨拶

2月12日、いよいよ旧暦/農暦/チベット暦の新年を迎えました。
東京の朝は寒く、どんよりとした曇り空でしたが、外でサン(香煙による供養)を焚いているうちに雲間から、徐々に青空が現われてきました。

今年は3月13日まで続くチベット暦正月は「ロサル」(=新年)と呼ばれ、この期間に積む福徳も悪業も十万倍になると言われていますので、できるだけ陰徳を積まれることをお薦めします。

ロサルのピークは2月27日(土)に該当する「神変節」(チョトゥル・ドゥーチェン)です。この日は釈尊の十二事業(釈尊の生涯の中で起きた十二のイベント)のうちメイン4つの事業を祝う「四大節」の1つで、釈尊が六師外道に対して神変を示された記念日にあたります。

六師外道とは、釈尊ご在世のインドを席巻していた、メジャーな六つの思想の学派です。それぞれの学派に対して、釈尊は十五日間にわたって神変を現わしつづけ、最終的にすべての学派の信奉者を仏教へと導きました。その記念日が「神変節」です。
この特別な日には斎戒沐浴して終日、行に励むと共に、ツォク供養を執り行なう予定でいます。

今日から15日間は、一昨日のツォク供養にご参加されたサポーターの皆さまに対しては善を廻向し、諸願成就の祈願をしていきます。また別途サポートいただければ、15日間の祈祷をさせていただきます。

さてチベット暦正月なので、少し華やかな雰囲気のものを。

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チベット暦の正月になると、若い男女も、写真のようなチベット衣装(チュパ)を着て、ネパールの街を行き交います。
ちなみに上の4人の女性は、ネパールのシェルパ族です。

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男女が着るこうした衣装は「チュパ」と言います。チュパにも流行があったり、出身地域や年齢によってもバリエーションがあります。

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小さい子も、ちゃんとチュパを着ています。

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上の黒いチュパを羽織った女の子は、カム・アムド地方ですね。

ロサル3日はこうして正装してお寺へお詣りに行き、寺の座主に謁見をしたり、高僧の元へご挨拶をしに行きます。そこでお布施をしたり喜捨をすることで、福徳を積むのです。

街の至る所では玄関でサンを焚いているため、通り一帯が香煙で満ちています。正月用品や香などを売る行商人が道にあふれ、街は活気に満ちています。

そして今朝も、あの日のロサルを思い出したので、サンを焚きました。ネパールの皆さんも日本の皆さんも、世界の皆さんも、コロナが早く終息して争いなき世になるよう、空に向かって上がる香煙に、祈りを託しました。

トップの写真:
西シッキム(インド)のユクサムにある聖地、ドゥプディ(Dubdi)にて。
その他の写真:ネパールにて。

撮影:気吹乃宮。


サポートは、気吹乃宮の御祭神および御本尊への御供物や供養に充てさせていただきます。またツォク供養や個別の祈願のときも、こちらをご利用ください。