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冬至ツォクご賛同の御礼と、追加のツェチュ(十日)ツォク供養 ※無事終了(12/24)

12月21日(月)~22日(火)の冬至の日ツォク供養にご賛同いただきまして誠にありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げます。

今回は「冬至」という季節の重要な節目でしたので、日食や月食と同様、「クントゥサンポ・ムンラム」(法身普賢仏祈願文)を何度も読誦することから始めました。

「クントゥサンポ・ムンラム」は持明者(リクズィン)グーデムチェン(1337-1408)が「発掘」されたグル・リンポチェの御遺教で、いわゆる埋蔵経(テルマ)と呼ばれるものです。

リクズィン・グーデムチェンは、チベットに5人出現した「埋蔵発掘の王」のお一人です。頭に禿鷲の羽が(自然に)生えていたことが、「グーデム」(=禿鷲の羽)の呼称の由来となっています。
シッキム王国(現在はインド領)と深いつながりのある先生で、示寂されたのも西シッキムの地でした。

尚、わたしの師匠の一人、タクルン・ツェトゥル・リンポチェ(1926–2015)はリクズィン・グーデムチェンの法脈「チャンテル」の継承者(法主)でした。傑出した学者であると同時に、完全な出家戒をお持ちの比丘でいらっしゃいました。

この祈願文は、どのようにして私たちは心の本質(仏性)を見失って、二元論の世界(輪廻)に堕ちてしまうのかが説かれています。

さらに、どうしたらまた私たちの心の本質、本来清浄の悟りの境地に立ち返ることができるのかも説かれています。

輪廻の世界を浄化し、私たちの罪業を浄化する強力な加持がありますので、ツォク供養の際にはいつもこの祈願文を何度も読誦しています。サポートいただいた方々をはじめとする生きとし生ける者の罪業が消滅し、心の本源にとどまりますよう、祈念しました。

2日目(12月22日)は朝からサンを焚いて、今年1年の罪を浄め、来るべき新年に向けての「露払い」をいたしました。

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「サン」とは今年7月の記事(有料部分)にも書かせていただきましたが、正式名称は「リウォ・サンチュウ」で、香煙を三宝・土地神に供養するチベットの伝統儀式です。
「リウォ」とは「山」の意味で、山間で行じる護摩供、「柴燈護摩供」と翻訳されることもあります。
日本では「サンを焚く」という言い方のほうが通りがよいかと思います。

チベットにも護摩(ジンセー)がありますが、護摩ではありません。
護摩と違ってサン供養は炎を立てず、「煙」を重視します。

サン供養には積善だけでなく、土地の悪霊等の呪詛返し、不吉祥を跳ね返すといった「除災」の要素が多く入ります。とてもパワフルなものです。
サンは効果が顕われるのがとても速く、しかもパワフルです。今回も皆さまの障害が速やかに取り除かれるよう、入念に修法させていただきました。

いつもサポートいただいた方のお名前と祈願内容は、1冊の「芳名帳」に清書しています。供養前に全員分のお名前を記して、儀式のときには「芳名帳」を開いて、お一人ずつ内容を読み上げます。

この日のサン供養では、最後に「芳名帳」ごと煙で浄めて(燻して)加持しました。

ちなみにこの「芳名帳」は外の神社や寺院に参拝するときにも携帯しています。1年間、常に一緒に参詣し、功徳を廻向するようにしています。

22日はチベット暦の「冬至」にあたりましたが、この日の夜もグル・リンポチェを本尊とするツォク供養を執り行ないました。
また薬師仏の御縁日、ターラー女神の御縁日にも該当しましたので、それぞれの行法を執り行ない、サポーターの方々をはじめとする皆さまの息災と健康を祈念いたしました。

また財運アップの祈願者もいらしたので、チベット仏教で信仰されているジャンバラ(チベットでは訛って「ザンバラ」とも)という本尊の行も一座、別に執り行ないました。

ジャンバラ(下の写真)は漢訳では「布禄金剛」と訳されるようです。福徳を司る財宝神で、右手にはシトロンの実、左手には財宝を吐き出すマングースをお持ちです。商売繁盛・事業繁栄などに御利益があるとされ、その人気は中華圏の人々から絶大な信仰を獲得するほどです。

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こうして冬至の2日間、ツォク供養とサン供養(柴燈護摩)などを済ませまして、験(しるし)も出て納得いく結果となりましたので、皆さまにご報告申し上げます。

本日はチベット暦十日目で、グル・リンポチェの御縁日(今年最後)のため、さらに除災・滅罪をしてもよいだろうと思いまして、夜7時すぎからツォク供養を急遽、執り行います。

ただしすでに「冬至の日のツォクの、お知らせ(2日間開催)」にご参加いただいたサポーターの方々は、そのまま今夜、一緒に祈願をさせていただきます(いつも急な告知で、恐縮です)。

コロナの感染者が東京でも増え続けており、予断を許さない状況です。こういうときこそ、グル・リンポチェのお加持に頼りましょう。

サンタクロースの起源は、聖ニコラウス(ニコラス)というキリスト教の聖人だそうですが、異教の神々をキリスト教に改宗させたお方だったようです。

そして今日のクリスマスの中には異教の信仰が見え隠れするわけですが、これはチベット本土の土着の神々を(魑魅魍魎も含めて)制圧して仏教を定着させたグル・リンポチェの御業績と、似ている気がします。

奇しくもこうしたクリスマス・イヴの日にグル・リンポチェの御縁日が重なりましたので、今夜ツォク供養を厳修することは吉祥といえるでしょう。

一刻も早いコロナの終息を願い、皆さまの諸願が成就し、新たな1年を守護いただけるよう、どうか一緒にお祈りください。

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本文中の写真(見出し):
グル・リンポチェの変化相を描いた巨大壁画。
ナムドゥルリン寺(インド、カルナータカ州)にて。

記事中の3枚の写真:いずれも天祐寺(長崎県)にて。
・1枚目:サンを焚いているところ
・2枚目:ジャンバラの石像
・3枚目:グル・リンポチェの石像

いずれも撮影:気吹乃宮。



サポートは、気吹乃宮の御祭神および御本尊への御供物や供養に充てさせていただきます。またツォク供養や個別の祈願のときも、こちらをご利用ください。