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ミスターサンシャイン備忘録⑯「花を見る方法は二つ。折って花瓶に挿すか、花を見に出かけるか。ぼくは出かけて見ることに。」

破談は男には汚点にはならない、という言葉。
今やってるドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」の中にも
同じようなことが描かれていた。
同じバツ3でも、男にとっては勲章で、女にとっては傷。
120年前と価値観が変わっていない頭の中と社会って、
どうなのよ??

「花を見る方法は2つ
折って花瓶に挿すか
花を見に出かけるか

ぼくは出かけて見ることに。
ぼくが行く道に花は咲いていないから」

ヒソン(´;ω;`)ウッ…(´;ω;`)ウッ…(´;ω;`)ウッ…

一番大切なものを、一番手放したくないものを
手折って手元に置くのではなく(´;ω;`)ウッ…

状況を打開するための、芝居で倒れるところ。
婚約破棄して、カタチだけ続いていた関係がなくなったけど
優しく手で支えてもらって、一番近くに、今だけは、いる、という
アイロニー。(´;ω;`)ウッ…

状況打破にひと役買ったじいやとハマンにごちそうするヒソン。
ハマンの言った
「誰も幸せそうじゃなくて
可哀想に見えます。」の言葉が、ぐっと胸に来る。

薬店の連絡も途絶えて、学堂でも会えないユジンが
ヒソンとGLORYで会う。
「どこが悪い?」
「すべて悪い。
今、悪化した」

全てを知ったけれど今は謝らない、というヒソンを
「いつかは謝るだろうから」と受け止めるユジン。

「今回は、あの女性の情報を1番に知った。
これだけは、あなたが乗り遅れればいい」とけしかけるヒソン。

この10年、血が滲んでも険しい長い山道を通い続けてきたエシンを
ずっと見てきた師匠が、もっと険しく遠い道を選んだ彼女の側に立つことを
ユジンに伝える。そして
「お嬢様が行く道に立っていてくれ」と。

結婚はしないこと、想い人がいることを祖父に伝えるエシン。
「生きる道は自分で決めたいのです」

女性が自分で生きる道を自分で選べるようになって、
歴史はまだ浅いなあと思う。
今でも、夫の転勤で退職を余儀なくされる人はいるし
親の介護や育児などのケアは女性が主に担っているし。
それありきの制度だし。
ただ、妻が単身赴任のところもあるし、
ケアラーが女性が多いことの問題も見えてきているから
ここから、少しずつは変化していくのだろうけれど。

ドラマ「リコカツ」見てても、誇りを持って、自分にはこれしかない!と
思って仕事をしていても、手放すように求められることは、ある。

私は、一生モノの教員っていう仕事を辞めたけど
自分の意志だったから、後悔は全くない。
あまりにブラックな中学教員の仕事をし続けながら結婚生活を送るイメージは持てなかった。
誇りを持って仕事をしていたけど、誇りとやりがいがあっても
心身ともに健康的でいられないなら、手放しても仕方ないという結論を出したのは、私にとっては、正解だった。
おかげで、推しを愛でる人生を歩めているし
子どもに100のチカラを注いで子育てできた。
不器用な私には、この道でよかった。
能力の高い人は、どちらも、ちゃんとできるのだろうけれど。


妻が学校の先生の子どもって、真っ二つに分かれてる気がする。
親の愛をたっぷり受けて、息子、娘自身も親と同じ教員の道を歩むか
愛情と共に過ごす時間の欠損から、溝ができているか。
たまたま、私の知人と元同僚がそうなだけかもしれないけど。

話を戻します。

サホンに想い人がいることを告げたエシン。
「だんなさまには何も言わない!」じいやは
いつものようにwわざと捕まってユジンに会いに行く。
ここの流れが、コミカルで可笑しい。
「お二人で何の用が?」

事情を聞いたユジンはサホンの屋敷に赴く。
パープル×クリーム×淡いオレンジのエシンは、すっと隣に座る。
米軍は朝鮮の侵略軍と言われるが
「米軍は侵略軍ですが、わたしは朝鮮の安全を願います」と答えるユジン。

過去に言葉を交わしたことを伝えられ、あの時の奴婢の子どもだと知り
態度がますます硬化する祖父に
「身分のことは、この方は悪くありません」と返すのが
せいいっぱいのエシン。

ユジンに帰るように求めるが、
たまらず走って緑の中を追いかける。

それに気付くユジン。
やっと追いついて、ひしっっっっ!と抱き合うのが自然なシーンでも
一定の距離を保ったままなところも、不時着みが強い。

「さっきは帰れと」
「こんなに早く帰るとは」
「別れの挨拶がまだ言えてないわ」

ここでも、別れの挨拶問題!不時着ーーー


この先の、もしNYにいたら、というifの世界が
一度目も二度目も、涙なしでは見られない。

NYで並んで歩くふたり。
「注目されるさ
お似合いだから」

赤い車に乗り、サンドイッチやベーグルのランチを食べ
大学で学び、(zebra!)ミュージックボックス店でオルゴールを聴く。考え得るかぎりの幸せな日常。ふつうの、あたりまえの幸せ。

その道、選択肢がないわけではない。
寧ろ、自分の決断ひとつで、選ぶこともできる。
それでも・・・(´;ω;`)ウッ…(´;ω;`)ウッ…(´;ω;`)ウッ…

「日が沈み、別れる
西洋の恋人たちは別れるときこうするでしょ?」
と、肩に首をもたげて
「Good bye」
それに対して、また今度、という言葉を教えるユジン。
「See you again」

想像の中の、もうひとつの世界。
想像の中でしか見られない甘美な夢。
泣きじゃくるエシン。


日本は第一銀行券を流通させようとしている。
これは朝鮮を破綻させる行為で、貨幣主権の侵奪。

ク・ドンメは、自身のやり方で手にいれたコ・サホンの手紙を
彼の屋敷に届けに行く。この1通以外、すべて燃やされたことを伝え
「しばらくは朝鮮人に雇われた身です」と、自身の立ち位置を示す。

サホンも気付く。
米国と日本の服を着た人に忠告を受けたことから
「この朝鮮で誰に狙われているのか」と。

ヒソンとエシンの破談は、自分とエシンが「もっと離れてしまう」ことだと
理解しているク・ドンメ。


新聞社を立ち上げるヒソン。
必要最低限の持ち物だけでスタートする。
その必要最低限の中には、花瓶に挿した花も含まれている。
看板に名前すらなくても、花は門前に飾る。
ヒソン(´;ω;`)ウッ…好き(´;ω;`)ウッ…


咲き誇り、舞い降りる美しい李の花の下
武官学校の外国人教官として任命されたユジンと
妃から呼ばれたエシンは、偶然にも出くわす。

宮廷からの使いに声をかけている体で、エシンへの愛を告げるユジン

「誰かの同志を育てたい
これは、わたしの真心です

あまりにお美しい
驚いた

これはスモモの花だ
年中見られたらいいのに。
そんなことを思った

こうして会えて、本当によかった」


花を散らしたクリーム色の打掛?×ラベンダーを纏う李下のエシンの美しさは、本当に詩のように美しくて。。。

その花吹雪の中、目の前を通り過ぎていく。。。


日食は、ホタルもク・ドンメもヒソンも支配人も
コ・サホンにも師匠にもじいやにも陰を落とす。
黒い鳥の画が差し込まれる。

そして、

完全に闇が太陽を覆い隠した後、
それは黒い日の丸に見えた・・・・・・・・・

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