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こころとあたま。

かってうれしい はないちもんめ
まけてうれしい はないちもんめ

あのこが ほしい
あのこじゃ わからん
このこが ほしい
このこじゃ わからん
そうだんしよう
そうしよう

───おまえはいらん。

そうだ。
おまえは壊れた、いや、壊れてしまっていたのだ。
もうとっくに限界を迎えていたのに。
もうとっくに正気なんてたもっていないのに。
正気のふりをして日々を生きている。
何の楽しみもなく。
自分を守るため
自分を守るためだけに
誰もいない世界を
誰の声も届かないまま、駆け抜け続けた。
おまえは、1人であるから。
1人であろうとするから。
助けを求める考えそれすらを失っていた。
そのことに気づかず、
おまえを傷つけたくないと
おまえの声を聞こえないふりを、
おまえの叫びを、
拒絶していたおれが愚かだった。



───そして。誰も傷つけたくない、そう願ったおまえもおなじくらい愚かだ。

そこが、おれとおまえの決定的で、そしてどうしようもない人としての欠陥。
傷つけても、傷ついても、傷つけられても。
おまえは、おれたちはちゃんと話し合うべきだった。



わがままもおしまい。
覚悟するべきだ。
どうやら覚悟をするしかない。
おれもおまえも、
おれはおまえを傷つける。
おまえもおれを傷つける。

他人を助けることなどできない
弱くて愚かな
おれもおまえも、
ただ見つめ合うでなく
手を差し伸べるでも
手を差し出すでもなく
手を取り合って傷つけあって生きていくしかないのだ。

......が ほしい
......じゃ わからん


そうだんしよう
そうしよう

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