Ektar100現像レシピ例

何本かの現像ミスで、全く何も像が出ていないネガを造ったり、やたらとこげ茶に濁ったネガを作ること数回。

ようやく、安定してEktar100現像で
・ちゃんと像が出ていて
・適度な現像の進み具合で
・なおかつネガそのものもちゃんと透き通ってる
という状態に現像できるようになりました。

なお、こちらの例はあくまで
「僕の環境ではこれで複数回成功が確認できた」
というだけのデータです。
何も保証はございませんので、お試しになる際はあくまで参考程度にとどめておいてください。

使うツール類

使う現像タンクはブローニーを2本現像できるこちら

あと、自作の回転現像台を使います。

回転現像の場合は、倒立撹拌で現像するのにケースに対して現像時間を15%減らすのがポイントです。

使う薬品

そして現像液。
①:Kodak エクタカラーRA発色現像補充液
②:Kodak エクタカラーRA発色現像スターター
③:Kodak RA-4BF カラーペーパ-用漂白定着液
これらの薬品を使います。

僕が使用する現像タンクで回転現像をする場合は、液量は400mlあれば充分なので、現像液も漂白定着液も400mlずつ用意します。

①は、3種類の薬液を決められた順序で混ぜ合わせます。
僕のケースでは、
ⅰ)30℃の水を250ml計量カップに用意
ⅱ)A液を16ml、ⅰに入れてよく撹拌
ⅲ)B液を7.5ml、ⅰに入れる。ⅰ液の色が赤く変わるので、よく撹拌
ⅳ)C液を16ml、ⅰに淹れる。ⅰ液の色が青く変わるので、よく撹拌

そして、②の発色現像スターターを10ml入れてよく混ぜた後、全体量が400mlになるように30℃の水を加えてよく混ぜます。
最終的には一時的に現像液の色が青くなり、落ち着いたら薄い黄色になります。

③の漂白定着液は、予め規定の分量で2リットル作ったおきます。
水を1316ml、A液を284ml、B液を400ml入れる、といった具合です。

処理工程

エクターの現像の場合、モノクロフィルムでよくやる前浴水洗は行いません。ダークバッグの中でリールに巻いてタンクに入れて、その状態のフィルムに直接処理を行います。

1.現像液投入→回転現像台へ。処理時間8分ちょうど
2.現像液排出
3.そのまますぐに漂白定着液投入→回転現像台へ。処理時間8分ちょうど
4.漂白定着液排出
5.水洗

といった手順で行ってます。
ちなみに水洗は、
・水をタンクいっぱいに入れて10回倒立撹拌→排出を1セット
・水をタンクいっぱいに入れて20回倒立撹拌→排出を2セット
・水をタンクいっぱいに入れて、3分放置→ゆすいで排出を2セット
と、ちょっと念入りにやってます。

そして出来上がったのがこちらのネガ。

画像1

画像2

画像3

これらはまだスキャンしていない、本当にネガ状態のものをライトテーブルに置いたのをスマホで撮影したものです。

ネガの「何も写ってない箇所」がちゃんとオレンジ色に透き通っていてコントラストもちょうど良さそうです。

これまでのネガだと、

画像4

こんな具合で、ネガの色がこげ茶に濁ってしまい、どう見てもこれは現像に失敗したな、と考えざるを得ませんでした。

ただ、実際にこの失敗したかも、というネガをスキャンしてみたところ、以外にもごくごく普通に写真として成立はしていたようです。
ちゃんと色も出ていて、コントラストもさほど不自然ではなく、といった具合。

ただ、やはりネガの処理が充分でなかったのか、SilverFastのカラーネガ用のごみ処理機能、iSRDが正常に動かない状態でした。

作例

そして今回の方法で現像したネガの写真がこちら

画像5

結構いい具合に色も自然に出ているかと思います。
それに、Silverfastのゴミ取り機能も正常に動いてくれてます。

画像6

ただ、色相がやや黄色っぽくなっているようでしたので、少しばかり青みが強くなるように修正しています。
ショップで現像してもらったネガではこういったこともなかったので、この辺の色の出具合などは今後の課題です。

今回の現像までの時点で4打数1安打程度の打率だったEktar現像でしたが、今回2本現像して2本ともに割とうまく行ったネガになったと思います。

現像時間であったり、撮影条件であったりレンズのコンディションであったりと、ネガの出来具合にはいろいろな要因が絡みますが、それだけに
「ある程度一定の条件をクリアするネガを安定して作れる」
というショップやラボでの現像はすごいなと感じます。


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