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手持ちのカメラ達 ラスト

我が家にあるカメラ達、トリを飾るのは本体のサイズもフィルムのサイズも最大となる大判カメラ、Rittreck Viewです。

カメラそのものについては過去の記事でご紹介していますのである程度割愛します。

持っているカメラの中での位置づけですが、
「かなり気合い入れて撮りたい」
「絞ってかなり高精細な写真にしたい」
という時に使うカメラ、といったものになっています。

使うフィルムは4x5か5x7のフォーマットで、枚数比は大体6:4くらい。
結構な頻度で5x7も使います。
もっぱらモノクロのフィルムで、カラーネガはめったに使いません。

過去に4x5のリバーサルを使ったことがありますが、これはちょっと別格な仕上がりと言うか、感動できるフィルムになりました。

5x7のフィルムを使って250mmレンズで撮った雲仙の平成新山です。

ちょっとばかり現像ムラが出ていますが、このサイズのフィルムだと、フィルム1コマの時点ですでに2L判に近いサイズになります。

また、基本はレリーズケーブルを使ってシャッターを切ることになりますので、ロック機構が着いたケーブルを使うことで、長秒露光も楽にできます。
こちらは小さいロウソク2つだけを光源として、350秒の露光を試した一枚です。

フィルム表面の解像度自体は35mmフィルムもブローニーフィルムも大判も変わりません。
なので、大判になればなるほど、相対的に高解像度、高精細な写真になるという計算です。

大判の一番の武器はその高精細さと柔軟なフォーカシングですが、一番の弱点は機動性。
何しろ本体がでかくて重く、ファインダーを除いてシャッターを切る、なんてことは基本できません。

被写体を決めて、構図を決めて、三脚を立てて、カメラを取り出して設営して、レンズを取り付けて、ピント合わせをして、露出を決めて、フィルムを差し込んで、引板を抜いてシャッターを切って、また引板を差し込んで…

というプロセスを写真1枚撮るごとに繰り返します。

最近はかなり操作にも慣れて来ましたので、これらの被写体を決めてからシャッターを切るまでの一連の動作は大体5分程度で出来るようになりました。

が、到底スナップ写真などは撮れません。
また、動く被写体なども極めて苦手です。
止まっている被写体を、止まった状態で撮る、というのが基本的な使い方になるかなと思います。

ただ、そういった使い方をするシーンにおいては、中判ですら比較にならないほど、細かいところまでしっかり描写された写真を撮ることができます。

1枚を撮るのにかなり手間暇がかかる大判カメラではありますが、現像が終わった出来上がりのネガを見た時には、その手間隙が一気に報われるように思えます。

こうしてフォーカシングスクリーンに写る景色を眺める事自体、大判カメラを使う楽しみのひとつなのかもしれません。


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