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蛇腹再生計画

我が家には、大判カメラのRittreck Viewが実は2台あります。
うち1台、一号は蛇腹を補修して元気に活躍している子ですが、もう一台の二号には蛇腹がありません。

購入した時点で蛇腹はもう完全にボロボロ。展開すらまともに出来ない状態でしたので、早々に取り外していました。

購入した時点でこんな感じでした

もとはといえば、二号はパーツ取りのために購入した個体で、パーツを取った今となってはお役御免の状態です。
が、パーツ取った後に
「せっかくだからできるところまで修理してみるか」
と、一号で不調だったパーツを強引に修理してみたらなんとかなった、ということもあり、二号は
「蛇腹さえあれば普通に使える」
という具合になってました。

蛇腹だけ手配できないか? とも考えたんですが、すでに普通に使える一号がある段階で、さらにコストを掛けて蛇腹を買う、という選択肢はありませんでした。
加えて、ヤフオクなんかでも4x5の蛇腹は売られていましたが、Rittreck Viewは5x7のカメラ。サイズが全然違います。

ということで、昨年8月に二号を買ってから、この子はずっと塩漬けの状態になってました。

で、先日来「サイアノタイプ用のUV引き伸ばし機を作れないか」計画を進めていて、
「蛇腹があったら色々楽なのになぁ」
と考えることがありまして、フと
「そういえば蛇腹の型紙つくってくれるサイトが有ったっけ」
と思い出しました。

http://www.stillberg.com/bellows/bellows.html

こちらのサイトで、なんと蛇腹の型紙を自動生成し、PDFファイルとして保管してくれるという超絶ありがたいプログラムが公開されています。

使い方はちょっとコツが要りますが、
・ページ幅、ページ高…蛇腹の型紙の全体が入るサイズを入力。
・段高÷2…これは蛇腹の一山を形成する2辺の合計を2で割った数?
・段数…蛇腹の山の数
・山側上辺長、谷側上辺長…これは蛇腹の「レンズ側」の辺の長さ
・山側底辺長、谷側底辺長…蛇腹のフィルム側の長さ
と言った具合でパラメータを入力し、PDFを作成します。

出来上がったPDFファイルは、横が850mm、縦が520mmという巨大サイズで、当然我が家のプリンタでは出力ができません。

そこで
1. PDFファイルをA4サイズでバラバラに分割して印刷
2. 印刷したものを元の形に張り合わせる
3. 蛇腹を構成する四辺を、一辺ずつ作れるように分割
4. 分割したパーツを、さらにA4用紙で印刷しやすいようにトレース
5. トレースした分割型紙をスキャン
という方法で、オリジナルのRittreck View用型紙をつくってみました。

この型紙で折ってみたのが

蛇腹の1辺になります

こんな具合。
本来Rittreck Viewの蛇腹は18山だったような気がしますので、とりあえず18山でつくってみました。
こいつを4つ折って、後で合体させてやれば蛇腹になるんじゃないか、というプランです。

で、試しに3辺分つくってみました。

スティックのりはサイズ比較のために置いてあります。
不格好ではありますが、イケそうな気がします。
思い切ってもう1辺、普通に蛇腹になるようつくってみます。

何か思ってた以上に蛇腹らしくなってくれました。
折りもざっくりで不格好ですが、だいぶ掴めて来たと思います。

実際の蛇腹を作る際には、紙はマット黒な厚手のラシャ紙を使い、外側は極薄の合皮を貼り付けて作ろうかと考えています。

蛇腹を折る練習をする中で気付いたポイントがいくつか有りまして、
・折り線は予めベベラや先の丸いペンでなぞって折りやすくしておくこと
・とにかく角。角の折込を丁寧にする
・一辺の両側に角を持ってこなくても良いのでは…?
・まず一辺の縦のラインを貼り合わせて、きっちり折って折り癖を着ける
・折り癖を着けた辺のパーツを横に貼り合わせる、という順番
・展開図状態で合皮などの表面を貼り付け
・全パーツを貼ってから、四辺が筒型になるように整形し貼り付け
・円筒形の状態で丁寧に折り込んでいく
という順番で作業をすれば、きれいに折れるようだというのがわかりました。

そしてフと気がついたのが、
「蛇腹が作れれば、自作の大判カメラもイケるのでは?」
というとんでもない野望。

これは流石にまだまだ先の話しになると思いますが、合板やMDF板など、加工がしやすい木材が手に入れば実現できるかも。

軽量な折りたたみ大判カメラなんてのも良いかもしれません。



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