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リリックと私と、それからHIPHOP


 
 曲について…語るぞ…!

 全ての曲について語るとキリがないので、2ndのソロ曲メインで想いを語ります。


 一応前回の続きです。


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 前回の記事からやたら曲に対して1曲目とか2ndとか言っているが、オオサカとナゴヤ以外はそれぞれソロ曲とディビジョン曲を2曲ずつ出している。(シンジュクのみバトル優勝曲があるのでディビジョン曲は3曲)

 ざっくり時系列を追うと、

1stソロ曲(2017.10〜2017.12)

ディビジョンラップバトル(2018.05〜2019.02)

↓(ここでオオサカ、ナゴヤ爆誕)

2ndソロ曲(2019.12〜2020.3)

って感じでCDが発売されている。ディビジョン曲は1stは1stソロの少し後、2ndはバトルのタイミングで出ている。
 うーんこんがらがるね!とりあえずヒプマイが生まれてからの流れはCo.慶応さんがめちゃくちゃわかりやすく(しかもラップで)解説してくれてるので↓を見てくれ。

 つまり何が言いたいかと言うと、ソロ曲は1曲目と2曲目の間にラップバトルを挟んでるってこと。1曲目はみんな自己紹介とか自分の好きなこととか仕事とかを歌ってたけど、2曲目はバトルを経て感じたこと、気づいたことや気持ちの変化、次への意気込みや想いの強さが顕著に表れているんだ…!(そうじゃない人もいるけど)それってすごく、すごくエモくないですか??
 私はオオサカナゴヤ爆誕の時期くらいにハマり始めたので、ソロ2曲目は月イチで徐々に発表される様子をタイムリーで味わうことができて幸せだった…
 特に好きなソロ曲と歌詞、好きな変化を書いていきます。

『School of IKB』

 山田家次男、二郎の曲。
 二郎のソロ1曲目『センセンフコク』はタイトルの通りオラオラな曲で、俺が二郎だブクロの番犬だかかってこいや的な若さと勢いがゴリゴリに出ていたのにSchool of IKBはまさかのしっとりバラード。
 敗北を経験した、自分を振り返りもう一度見つめ直す二郎の心情の変化がすごい。4thライブで初お披露目した時、すば兄が「エモ二郎」と言っていたけどほんとにその通りだと思う。
ブクロのソロは1曲目も2曲目も二郎が一番好きだなあ〜

「繰り返さず
 塗り替えよう
 振り返らず
 踏み出していくよ」

 余談で、センセンフコクで「圧倒的だキング一兄」と歌っていたのに、最新のオールディビジョン曲『SUMMIT OF DIVISIONS』で「ステージに立てば俺が王様」と歌ってるのも涙が出ちゃうね…二番手のままじゃダメだって気付けたんだね…えらいね……


『レクイエム』

 またまた山田家、三男三郎の曲。
 三郎はオールディビジョン曲でもラップよりメロディを歌うパートが多かったりと変化球な表現をしてくれる。そしてソロ曲はクラシックのサンプリングがお決まり。
 ソロ1曲目『New star』は「G線上のアリア」をサンプリングしていて、明け方の空を見つめながら微睡む様なこれまたしっとりした曲で、三郎の14歳という若さと天才ながらの日常への退屈さと達観した感性を歌っている。対してレクイエムのサンプリング曲は「レクイエム“怒りの日”」。この時点で察してほしいのだが、二郎と違って三郎は、敗北による屈辱を味わったことでよりうちに秘めた闘志が燃え上がり、次は絶対負けないマンになってしまったまさに怒りの曲。すば兄曰く「こわ三郎」。
 何も知らずに聴くと一見厨二病曲だが、事情をわかっていると「一兄はもちろん、二郎のお荷物にもなりたくない」と言う気持ちをひしひし感じておばちゃんは泣きそうになる。飴ちゃんあげようねえ…

「レクイエム
 そうこれは革命
 生まれ変わるエンドレス
 強くなる為」


『Gangsta's Paradise』

 ヨコハマのボス、サマトキ様の曲。
 この曲は心情の変化というより曲としてハチャメチャにかっこいい。特に間にある高速詠唱ラップは4thライブでガチでノンブレスで歌っていて、CV.浅沼さんの"圧倒的実力"に惚れてしまった。ハマは一番治安悪いのに一番絆が固くて、曲が新しくリリースされる度に強くなっていくのがイイ…。もう3人で心中しそうな勢い。
 『SUMMIT OF DIVISIONS』でもサマトキ様のパートもすごく良かったんじゃあ…↓(ノブ)

「M.T.C 以外はR.I.P
 俺と仲間だけ それでいい」

 ハマのソロ曲の好きな歌詞他にもあるから載せていい??

左馬刻「死んだとしても恨みっこなしだ
    俺たちに裏切りは無しだ」
銃兎「お前らとならば毒も皿まで飲み込めるさ」
理鶯「to die for(そのためなら死んでもいい)」



 はい次シブヤ〜〜〜!!!(テンションMAX)

 シブヤはさあもう全部好きだから全部語りたいんだけど、乱数についてはさっき散々書いたから幻太郎と帝銃だけで我慢することにする。

『蕚』

 シブヤの嘘つき小説家、幻太郎の曲。
 「うてな」と読むらしい。読めるか!まあタイトルは置いといて、まず1曲目の『シナリオライアー』は物語パ〜っと語って最後に「全部嘘だけどね」で〆る幻太郎のミステリアスみ溢れるだけど、これも「最後の"全部嘘"が"嘘"である」という説もある…。
 そんな嘘に塗れた彼の2曲目はよ〜く歌詞を見ると伝説のシブヤエモ曲Stellaをなぞっている。

足並ぶつまさき → 爪先は前に向けておく

泡沫の思い 運命も空蝉
→ 空蝉のコラージュみたいな starlight starlight

 Stellaを書いた幻太郎がポッセと出会い、思い感じたことがこの一曲にギュッ…と詰まってる。嘘で塗り固め誤魔化してきた自分の本当の想いを、2人にいっそ伝えてしまいたい。繊細で儚げな、でもどこか寂しげな歌詞の中にそんな表情が見え隠れしている。オロロ-ン!

心の外まで
剥き出しで歩いていった模様と
この感情が伝わってしまったらいいのに


『SCRAMBLE GAMBLE』

 シブヤのギャンブラー帝銃の2曲目〜〜!!
 この曲すっっごい難しいのに、バッチリ歌いこなしているのづくんは何者なんだ…そしてタイトルでスクランブル交差点とギャンブルで韻踏んでるのもいい。1曲目の『3$EVEN』との違いとして、1曲目は金!BET!ギャンブル!って感じに対し2曲目は全てを捨てて「仲間に」賭ける帝銃の姿が描かれているんだ…

3$EVEN
上限MAX 3枚のコインでB.E.T
SCRAMBLE GAMBLE
上限MAX 3本のマイクにB.E.T
 溶けて無くなる CANDY でも(=飴村乱数)
 夢でも幻でもない(=夢野幻太郎)
 神頼みも金稼ぎも今は興味ねぇ
 この仲間に全て賭けるぜ」

 そう、シブヤは乱数の事件をきっかけに"Fling Posse(刹那の友)"から"Posse(真の友)"になったのだ。更新された公式サイトの最新のキャラ相関図でも、以前は「チームに誘う」「自分の目的の為に協力」「変なやつ」だった彼らが、「仲間」に…なった…
 ちなみに中の人達はライブ前に3人でハンドサインを一つに集めて「再生の〜〜バース!」とやるのがルーティンなんだそう。可愛い。中の人達にもStellaが愛されていて嬉しい。


 はい次シンジュク!!!(クソデカボイス)


 シンジュクはね…ディビジョンラップバトル優勝してますからね、もう余裕たっぷりなんですよね、特に両端の2人。
 寂雷先生は全員で中王区に立ち向かう道の指標というか、未来への希望をしっとり歌い上げてくれてましたね。流石です。問題は両端の2人。


 先に独歩から行こう。

『BLACK OR WHITE』

 作詞は会社員ラッパーのDOTAMA。理不尽な社会への訴えと生産性のない労働への憤りがものすごい秀逸に、且つリアルに書かれている。日本の全リーマンにカラオケで歌ってほしい。
 1曲目の『チグリジア』はとにかく陰鬱としていて、今にもホームに飛び込みそうなリーマンの曲だったけど、こっちは泣きながら満員電車でギュウギュウになってる独歩が想像できてちょっとクスっとなる。もちろんチグリジアもオシャレなフロウで大好き。社畜である事以外、一番幸せなのは独歩かもしれないね。

「中指立てるの簡単だけど
 愚痴るよりもそう 行動しろよ
 それが俺たち 日本のサラリーマン
 タフに静かに『白黒つけます』」


 ハイ次一二三

『パーティーを止めないで』

 作詞作曲が金爆のキリショーということで話題になりましたね。ありがとうキリショー。1曲目の『シャンパンゴールド』同様、ギラッギラな夜の蝶を演じる一二三が惜しみなく表現されている1曲。シャンパンコールもバッチリ。
 ただシャンパンゴールドとの違いは、一二三の闇がチラチラ見え隠れしているところ。一二三はきっと被害者なんだろうけど、女性恐怖症である自分への悲嘆とか悔しさが少なからずどこかにあって、でもその気持ちを押し殺してホスト"GIGORO"を演じている一二三の本当の敵は自分自身っていうね…一二三はシンデレラなんだよ…スーツを脱ぐと魔法が解けてしまうんだ……

「過去の己との試合
 勝利で終わらせてみせる… 僕の悲哀」

 一二三の過去が描かれる日は来るのかな。きっと彼は解離性同一性障害なんだろうけど、それが生きる術となっているなら治す理由もあるのかな…とも思ってしまう。独歩にとって一二三が身体的な生命維持の役割を果たしている(社畜で忙しい独歩の家事とかやってあげてるから)とすれば、一二三にとって独歩は精神的な生命維持の役割を果たしているんだよなあ。BLとかそういうのじゃなくて、無意識のうちに共依存している彼らが愛おしくも切ない。どうか幸せになって下さい。
 一二三がスーツを脱いで歌ってる曲ってないのでは??と思ったら『パピヨン(麻天狼みんなで有給取って釣りに行くド平和な曲)があった。よかった、救われた。

 ところでシブヤは中の人達が本番前に再生のバース!って掛け声するのに対して、シンジュクはアイコンタクトするのがルーティンらしい。ふーん、えっちじゃん



 ねえちょっとここまできたらナゴサカも語っていい?いいよね?いくぞ!(ジョジョ3部)

『あゝオオサカdreamin'night』

 オオサカのディビジョン曲!前記事でチラッと触れたけど、日本一のラッパー、R-指定と世界一のDJ、DJ松永からなる"Creepy Nuts"による楽曲提供なのである。
 R-指定の作詞と言えば韻が固い(韻を踏みまくっていること)のはもちろん、サンプリング、ダブルミーニング、掛け言葉、隠し韻、などなど言葉遊びがそれはもう盛りだくさんに仕込まれているのが特徴。なかでも数え歌が隠されているのがとても好きなので紹介させてくれ…

「はい(1)どーもー どつ(2)いたれ本舗で~す
 さ(3)っむい温度計 マイナス(4)度です
 
 以後(5)お見知り置きよろ(6)しゅう!
 ほな(7)ね~
 
  や(8)かましいぐ(9)らいが
 ちょうど(10)ええわ〜」

 これコメントかツイッターで見て知ったんだけど、気づいた人すごくないか????これをきっかけにCreepyNuts聴くようになりました。もっと早く出会いたかった。
 最新曲の『かつて天才だった俺たちへ』も爆エモで大好きなんだけど、音源化されていない『数え唄』も好き。あゝオオサカ聴いてわかるように、言葉遊びが本当に秀逸ですごい。これライブでやる度に盛り上がるんだろうな~。

 

 そんなオオサカの楽曲を手掛けて下さったCreepyNutsのR-指定がヒップホップの道へ進むきっかけとなったのが、SOUL'd OUTのMCである、“Diggy-MO'(ディギーモー)”である。ヒップホップ界の鬼才である彼を、私みたいなヒプマイからHIPHOPを知った初心者なんぞが語るのも恐れ多いが語らせてもらう。
 有名すぎて言うまでもないが、「ア アラララァ ア アァ!」が代名詞となっている数々の楽曲は歌詞と世界観が独特で、とにかくクセが強い。SOUL'd OUTは2017年に解散してしまっているけれど、調べてみるとどの派閥にも属さず個性的なジャンルを築き上げ貫いてきたらしい。もうこの時点でかっこいいじゃん。かっこよすぎる。しびれる~!個人的には『1,000,000 MONSTERS ATTACK』と『To All Tha Dreamers』がキャッチーで中毒性あって好きだ…。でもジョジョのスタンドとして登場した『ウェカピポ』も捨てがたい。


  なぜ急にDiggy-MO'の話題を出したかというと、まあとりあえずこれを聴いてみてほしい。(トレーラー1曲目)

『そうぎゃらんBAM』 
作詞:Diggy-MO',作曲:Diggy-MO' 


 繋がった!繋がっちゃった…!
 そう、ナゴヤの僧侶、波羅夷空却(はらいくうこ)の記念すべきソロ曲をDiggy-MO'が手掛けて下さったのである。もちろん私はこれがきっかけで、現にSOUL'd OUTにハマっている。(アララァの人っていう認識は前からあったけど)  歌詞がすっげんだやっべんだ

伽 伽 ぎゃらん bam!
ssssスキャット n' 饒舌 饒舌 jazzy なベロ
check, チェ チェケ チェケ チュワー
watch out ぎゃらん bam!
ssssスキャット n' 饒舌 饒舌 xy な leader
kick, kicki な ki な killer
伽 伽 伽藍 bam(c'mon)  伽 伽 伽藍 bam(yeah)
伽 伽 伽藍 bam(ha) 伽 伽 伽 伽 伽藍 bam(un)
伽 伽 伽藍 bam(yeah) 伽 伽 伽藍 bam


……ん?????


 
 何度見ても良く分からないリリックとフロウ。だがそれがいい。何がすごいって、これをさらりと歌い上げてしまったCV.葉山さん。ライブでもパフォーマンス付きで圧倒的実力を見せつけてくれました。いやでもたくさん練習したんやろな…
 ちなみにこれがもう一度観たいがために、私は5thライブの円盤を購入しました。何度観ても最の高だった。



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 長くなってしまったけど、これでもまだまだ語り足りない…!曲のほとんどはAppleMusic等で聴けるので、是非フルで聴いてみて下さい〜

 次は舞台、2.5次元について書こうと思います!

 ほなね〜!

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