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ヒプステと私と、それからテニミュ



 今回は舞台について語ります。テニミュについてもだいぶガッツリ触れるので苦手な方はご注意を…


前回の続きです



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 ここまで来てお気づきの方はいると思うが、歌舞伎町を闊歩するステラおばさんと化した私はブクロとヨコハマにあま〜り興味がない…
 2019年12月、舞台『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage -track.1- 通称・ヒプステが始まっていたにも関わらず、毛ほども興味が湧かなかった(こら)のはそのせいである。track.1はイケブクロとヨコハマがメインのステだった。 そして少しだけ、声優プロジェクトなのに舞台か〜…という気持ちがどこかにあった。

 寒さが和らぎ春が訪れた頃、ヒプマイの沼にズブズブ沈むどころかシンクロナイズドスイミングをしていた私は、ヒプステがニコニコで配信されると聞いて興味本位で視聴してみることにした。

 とても驚いた。

 予想以上の演出、技術、クオリティ、再現度、演技力、歌唱力、ダンス、ラップ力…!しかも声優さんに声似てるし!YouTubeに上がっていたダイジェストだけではわからなかった魅力がそこにはギュッと詰まっていた。じろさぶの『BB's City(2人が喧嘩してるだけのキャラソン)』を彷彿とさせるDDRバトルみたいなの可愛かった〜、、、
 特に、その時出演していた舞台オリジナルディビジョン「アカバネディビジョン」が群を抜いてクオリティが高かった…カーズ様とジョセフとDIO様の即席ディビジョンだと思ってたのに……

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 いややっぱ似てるな


 度肝を抜かれた私はヒプステに一気に興味を持ち調べまくった。するとなんと、track.2はどぁいすきなシブヤとシンジュクがメインではないか。。これは観るしかない、そう決心した私は数秒後にコロナで舞台が延期になっていることを知り泣き崩れる。結局、延期のち8月に開催されたtrack.2をライビュで観ることになる。

 もともと2.5次元に抵抗は全くなかった…というのも、テニスの王子様の古のオタクである私は11年ほど前、ミュージカル『テニスの王子様』通称テニミュに(姉と母と)どっっぷりのめり込んでいたからだ。当時に2.5次元という言葉はなく、テニミュはキャラの良さとユーモアある役者さんの両方で成り立っている舞台、というイメージだった。あとニコニコのコメント(空耳)。1stシーズンが終わると共に気持ちは離れてしまったけど、テニプリもテニミュも今も大好きなのは変わらない。今は3rdシーズンか…

(歌唱力オバケのお二方による伝説の重唱。テニミュは「あいつこそが〜」と「カナダ⭐︎レモン」だけじゃないぞ)


 つまり何を言いたいかと言うと、ミュやステに抵抗はないものの記憶が11年前で止まっている、ということである。それでもヒプステの感動をどうしても誰かと共有したかった私は、寂雷先生役の鮎川太陽くんが母がかつてお熱だった(テニミュ1stに真田弦一郎役で出演していたお米こと)兼崎健太郎に似ていることを理由に無理矢理道連れにすることにした。

 そして迎えた8月、track.2の千秋楽。一応ジュク推しである私はモノトーンコーデに身を包み、仕事を早上がりし映画館へとダッシュし、母と合流した。ヒプステはキャラクターの登場シーン、原作イラストの立ち絵が映し出された画面が縦に割れ中から役者さんが同じポーズで出てくる。この演習はtrack.1で予習していたはずだった。はずだったのに、
 


 飴村乱数が登場した瞬間涙が溢れ出した



 ドラパを聴きStellaで泣きピンク色の愛で打ちのめされ、もう乱数はこの世のどこにもいないんじゃないか…と乱数の存在がわからなくなっていた私の目の前に、乱数が笑顔で生身で(ライビュだけど)現れたのだ。乱数が生きている。動いて、喋って、笑っている。世古口くんの演じる乱数は、朗らかな天真爛漫さもダークな裏の顔も最初から最後まで乱数そのもので芸術品だった。脚もほっっそくて……小枝か???シブヤは帝銃、シンジュクは独歩を推していたはずの私がこんなにも乱数の笑顔に胸を締め付けられたのだから、乱数推しのオネーサン達はあの日息をしていなかったと思う。生なら尚の事…。
 もちろん、前田さんの幻太郎も雪解けの雫の如きご尊顔で美しかった喉に斉藤壮馬飼ってたし、滝澤くんも帝銃に歳の近い演者さんで等身大のハタチ!!!って感じが嬉しくも愛おしかった。あとちゃんと猫目…

 シンジュクはというと、心からときめき恋に落ちたのはまさかのあらやん演じる一二三だった。あらやんこと荒木宏文さんはかつてテニミュ1stで乾貞治を演じており、乾の独特な個性を引き出した第一人者でもあった(通称・タミフル乾)。常にふざけているイメージしかなかったあらやんが一二三…???と半信半疑だったが、間違いなくステージ上にいたのは伊奘冉一二三だった。

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 そもそも乾を演じていただけあって背が高くスタイルがグンバツにいい。スーツがどえらくどエロく似合う。金色の瞳と薔薇のピアスが輝いている。私の中のステラおばさんがこれはあらやんじゃないわよッと囁いたが、アップになると間違いなくあらやんで、懐古厨としてはなんとも言えないノスタルジックに打ち震えてしまった。
 にしてもシンジュクは全員シュッとした衣装だからか足組みダンスが映える映える。あの階段お座りセクシーダンス、何万回でも観れますね。我らがどぽちんは想像より小さくて、というか華奢で猫背ですごいリアルな29歳成人男性って感じですごくよかったです…。弱々しい感じでわろてたらテニミュで3rdの観月さんやってて更にわろた。似合いすぎィ‼︎

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 寂雷先生はお御髪の乱れが美しく、声も速水奨で素晴らしかったです。あとやっぱりお米にも似てた。演者さん185センチだし(寂雷先生は190センチ)、先生は存在したんだ……。

 乱数と一二三は2.5次元ではなく2次元だった、はっきりわかんだねと思っていた矢先だった。ダークホースのアサクサディビジョン、この人らがほんとやばかった、特にリーダーの甚八。。シブジュクは4ディビの中でも特にカラフルで二次元みや個性が強いので、埋もれてしまわないか心配さえもしていたのにそれは要らぬ心配だった。歌やダンスはもちろん特に演技がバチクソに上手くて、甚八の啖呵や叫びで何度も心打たれてしまった。アサクサはヒール的立ち位置だったtrack.1のアカバネとは違ってどちらかというと味方的立ち位置だったのだけど、それが幸か不幸かエンディングをよりつらくさせていたのがほんとにしんどかった。そう、ハッピーエンドのtrack.1と違ってtrack.2はまさかのバッドエンド。結末は是非己の目で確かめてほしい。
 あと、アサクサは他ディビのようにイメージとなるキービジュアルもなし、指標となる声優さんもなし、役名と設定があるとはいえ自分自身でキャラクター自身を作らなければいけないという、難しい立ち位置だったのではないかと思う。ここの部分だけはいい意味で2.5次元ではなく「演劇」を感じることができたな〜と思った。難しいけど醍醐味だよね、舞台の。

 観終えたあとは、初めは一郎二郎三郎しか名前を覚えていなかった母も「寂雷先生♡」とシンジュクの女になっていた。逆に乱数のことは嫌いになっていた。track.2では乱数が一人でヒールを背負うから、乱数の裏事情を知らない人からしたらただの嫌なやつになってしまうのか…と少し悲しくなってしまった。
 そしてこんな素晴らしい演技をした甚八役の方はどんな方なんだろう、とTwitterで調べてみると

 加藤良輔!!!!!!!!さん

 この方はテニミュ1stで木更津兄弟を演じていた方で、クールなキャラながらもご本人はひょうきんな方でバクステ(舞台裏)でもそのユーモアさを幾度となく発揮していた。エッエッ〜〜〜…かなりびっくりしたし、りょーちんが今でも舞台に立ち続けていたことと、実力ある素敵な演者さんになっていたことが何よりも嬉しかった。ハアア〜〜…私の人生にテニミュは必然的に関わってくるのねと再び膝から崩れ落ちた。

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 かつてのテニミュと今の2.5次元は全く違う。ヒプステを通じてたくさんの感情が溢れ、ミュージカルの中で「2.5次元」という一ジャンルが確立されているのを様々と見せ付けられた。
 昔のテニミュのような、かつてのミュは中の人のキャラとか愛嬌とか、また違った良さがあった。まだTwitterもない中、バクステでしか見られない中の人の一面が見られるのが嬉しくて、楽しかった。バクステで中の人がやったネタをドリライでお客さんがコールしたりして、一体感がすごかった。対して、2.5次元は顔が当たり前のようにいい、歌もうまけりゃダンスも踊れる、それでいてキャラを絶対に崩さないプロである。人によってはってSNSでもしっかりキャラを保っている。また当たり前のように脚本もいいし演出も申し分ないほどセンスが良すぎる。スキルの高さとキャラへの愛、リスペクトを強く感じる役者さんばかりで、演者はあくまでもキャラを引き立てる役割を果たす、というスタイルが今の舞台、2.5次元なのかなと考えさせられた。


 蛙の子は蛙、と言うように私の姉はもちろん母も筋金入りのオタクである。私が高校生の時は一緒にハートキャッチプリキュアを見て泣いたし、ミクパもコミケもゲーム音楽のオーケストラも一緒に行った。そして半ば無理矢理連れて行ったにも関わらず、母もまた2.5次元に感動し、機会があればまた観たいと言ってくれた。そんな母の言葉に心を動かされた姉がそんなに言うならと重い腰を上げ、10月のtrack.3は3人で観に行くことになった。track.3はオオサカとナゴヤがメインだった。
 前回の記事で先に曲について紹介してしまったが、オオサカとナゴヤについて簡単に説明すると2019年の夏に誕生した比較的新しいディビジョンで、オオサカは『どついたれ本舗』、ナゴヤは『Bad Ass Temple』である。

 私はどちらかと言うとナゴヤの関係性がとても好きで、こっそり名古屋嬢だった。オオサカはお笑いコンビの元相方同士と詐欺師が詐欺師の手によって意図的に組まされたディビジョンであるのに対し、ナゴヤは最初から3人一緒の3コイチなのである。イケブクロは家族が仲間になったのに対し、ナゴヤは仲間が家族になった。一見イカツイ見た目なのにそんな関係性であることがたまらなく愛おしいのである。(なのになぜ似たような感じのハマにはハマらないんだろう)
 そんなわけで、この日のために事前に購入していた紫色のワンピースにスカジャン…は持ってなかったのでMA1ジャケットを羽織り、黒ピアスとシルバーリングを装備しまくってライビュに臨んだ。姉はオオサカが好きらしいのでチェックのジャケットを羽織らせた。母は何も言ってないのにたまたまオレンジ色のトップスを着ていた。いつの間にか2対1になっていて少し焦ったが、負ける気せぇへん地元やしという強い気持ちでハンドサインの練習をしながら映画館の席についた。
 そして運命は訪れた。


 私は波羅夷空却くんに恋をしてしまった。


 それほどに演者さんが素晴らしかったのである…。もちろんtrack.3も驚くほど全員本人で、歌もダンスも演技も申し分なかった。十四くんは中の人が初舞台と思えないほどキャラにハマっていて、長身ながら可愛い十四を見事に演じてみせてたし、獄さんはまさかのテニミュ1stで岳人を演じていたるいるいこと青柳塁斗くんで懐古おばさんは思わずムーンサルトしそうになってしまった。

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 超有名2.5次元俳優の荒牧嘉彦さんは東京出身ながらも流暢な関西弁で簓本人だったし、ろしょ先(↓のサムネ!!!)は顔面が美し〜〜〜すぎて2次元に勝てるんちゃう?と本気で思ったし、パッパは大人の色気ムンムンでセクシーダンディズム&龍が如くだった。いや喉に桐生ちゃん飼ってる俳優さんとか強すぎんか
 待望のキョウトディビジョン(?)のまこっちゃんも悪役すんげえうまかったし、てかサラッとテニミュ1st一氏ユウジBキャスだし、、

 でも空却は、、本人以上に本人だった、、少ない文才と語彙力では伝わらないかもしれないが、こちらが求める以上の空却を供給してくれたのだ。調べると憑依型の演者さんらしく、空却は声優さんもゴリゴリの憑依型なので憑依しないと演じられないキャラなんか??と少し怖くなった。というのは冗談で、スカジャンはバサバサはだけさせるわ重心は常に低いわ身長はちっこくて可愛いわなのに圧倒的存在感がたまらないわで、本当に目が足りなかった。
 
 特殊な魅力を持つ空却をこんなにも表現してくれたのは、廣野凌大くん。年齢は私の3つ下。ウッ 事前にわかっていた情報として、私のテニプリ最推しキャラである財前光くんをテニミュ3rdで演じていたのも彼。

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 知った時はひっくり返りそうになった

 これはもう、運命の巡り合わせである。2.5は顔だけとか言ったの誰だ。私だ。演技もめちゃくちゃうまいじゃんか。幕間の日替わりネタ全然観てられるじゃんか。耐えきれず2ndをすっ飛ばし3rdのテニミュにも手を出し始めた私は後に四天宝寺戦を視聴し、廣野くん演じる財前で二度死んだことは言うまでもない。推しを演じた彼が演じる推しもまた推し………

……

…何言ってんだろう…



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 そんなわけで独歩はラップとリリックから好きになり、帝銃は中の人(声優)から好きになり、空却は中の人(俳優)から好きになった。
 増え続ける推し。たくさんの入り口やきっかけ。それがヒプノシスマイク。ラップって…楽C〜!
 次はどんなキャラをどんな方向から好きになるのだろう〜 

 ヒプステ、2月のtrack.4も楽しみ!4ディビ大集合!いつか6ディビ、欲を言えば8ディビ大集合してくれ〜〜



 お精読ありがとうございました!


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