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【詩のようなもの】Blanket

弱っている
こんな夜は
好きな人のことを考えて眠りにつきたい
だけど現れるひどい言葉

“過去が服を着て歩いている”

そう言った人のデータは消去不可能で
印象は薄らいできたけれど
フォルダ《失恋》から読み込まれ
不意打ちに遭うのだ

ほんとうに自虐的だと思う
終わった恋の記憶
何度も思い出すなんて

復讐するために働く機能?
否 そういう仕様
ひとりで弱さに浸って、泣いて、
それから立ち上がるための仕様

記憶を確かめたら
いま好きな人を思い出して
毛布かタオルケットか別の何か
くるまれて心を修正したい
やさしい気持ちで眠れるように