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R.I.P.小澤征爾〜うちにある音源から選ぶベスト3

マエストロ・小澤征爾氏が亡くなられた。
正直氏の奏でる音楽を「好きか」と言われると言い淀む。
いや、「苦手」ですらない、というのが偽らざるところ。

特に晩年になるにつれて顕著だった「純水」のような、恬淡の境地。
音楽に「リビドー」を求めたい私としては不思議な感すら覚えていた。
「ミュンシュが大好きでレニーの弟子で、なんでこんな音楽になるんやろ?」って。

かといって「もう一人」の師であるカラヤンの流麗でありながら仄見えるぎらつき、みたいなものも無いしね……。
掴みどころの無い人、が一番正直な感想かもしれない。

とは言え、フロンティアとしての氏はやっぱりすごい。
「ボクの音楽武者修行」はワクワクしながら読んだ。
あの「突破力」は見習うべきものがある。
教育・啓蒙にキチンと力を入れた辺りはレニー譲りかしらね。

そんな感じなので、ぶっちゃけ音源そんなに持ってません。
生も聴かずじまい。
家のCDラックと、Macに取り込んだ音源引っ張り出してみた。
以下羅列。

・ビゼー:「アルルの女」「カルメン」組曲(ONF)
・ブラームス:交響曲第2番、ラヴェル:道化師の朝の歌、シェエラザード(サイトウ・キネンo)
・ドヴォルザーク:交響曲第8番、交響詩「真昼の魔女」(VPO)
・ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界から」、序曲「自然の中で」(VPO)
・ラロ:スペイン交響曲、サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン(ムター、ONF)
・マーラー:交響曲第1番「巨人」(「花の章」つき。BSO)
・メンデルスゾーン:劇音楽「夏の夜の夢」(バトル、シュターデ、BSO)
・メシアン:トゥーランガリラ交響曲(イヴォンヌ・ロリオ、ジャンヌ・ロリオ、トロントso)
・オルフ:「カルミナ・ブラーナ」(グルベローヴァ、アラー、ハンプソンほか、BPO)
・プーランク:2台のピアノのための協奏曲ほか(ラベック姉妹、BSO)
・プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番、ラヴェル:ピアノ協奏曲(ユンディ・リ、BPO)
・ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1、2番(ツィンマーマン、BSO)
・レスピーギ:ローマ3部作(BSO)
・R.コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」、序曲「ロシアの復活祭」(VPO)
・サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付き」、交響詩「オンファールの糸車」(ONF)
・R.シュトラウス:アルプス交響曲(VPO)
・武満徹:ノヴェンバー・ステップス、アステリズム~ピアノと管弦楽のための、グリーン、弦楽のためのレクイエム、地平線のドーリア(鶴田錦史、横山勝也、高橋悠治、トロントso)
・チャイコフスキー:交響曲第5番、ムソルグスキー:交響詩「はげ山の一夜」(CSO)
・チャイコフスキー:交響曲第5番(BSO)
・チャイコフスキー:交響曲第5番、序曲「1812年」(BPO)
・チャイコフスキー:序曲「1812年」、スラヴ行進曲、歌劇「エフゲニー・オネーギン」よりポロネーズ、イタリア奇想曲(BPO)
・チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲、イタリア奇想曲、幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」*(スピヴァコフ、PO、BPO*)
・ホルスト:組曲「惑星」、バッハ:トッカータとフーガ(ストコフスキー編)、コラール変奏曲<高きみ空より我は来れり>(ストラヴィンスキー編)(BSO)
・ニューイヤーコンサート2002(VPO)
・パリの喜び~小澤征爾/フランス音楽コンサート(BSO)

思ったよりあったwww
声楽・オペラ・ドイツ音楽がほぼ無いのに、チャイ5が全種あるのはまあご愛嬌(?)。
偏りまくりのこの中からベストを3つ選ぶなら……。

オルフ:「カルミナ・ブラーナ」

荒々しさや土臭さが全然無いのは不満だけど、快速の中にも熱いパトスが溢れている。
まあそれは多分に晋友会合唱団の熱演によるところ大なのだけど。
最後のロングトーン最高。
あと独唱陣が強い。

フィリップスじゃあなくてデッカアイコンなの殺意を覚える

メンデルスゾーン:劇音楽「夏の夜の夢」

これもクレンペラーやプレヴィンといった並いる強敵(?)に勝るか?と言われるとそんなことはないんだけど(前者の風格、後者のロマンはこの演奏にはちっともない)、とにかく丁寧な音作りが楽曲にマッチしてる。
序曲を聴いた瞬間からそれが顕著。
てかこの曲私好きすぎなので基本採点甘いんよな(笑)。
あと吉永小百合さんの朗読が結構はっちゃけてておもろいw

「Sayuri Yoshinaga」の破壊力

メシアン:トゥーランガリラ交響曲

何を隠そうこの曲の「マイ初演」(のはず)。
鮮烈・華麗・熱狂!
まさに「ヤング・セイジ」の面目躍如!
この演奏がマイ初演で良かった。
ちなみに我が家にあるこの曲の唯一の音源でもある(爆)。
昔サロネンの演奏聴いた記憶あるんだけど音源がどこにもない。
友達に借りたのかな。

ジャケがカッコいい

あと小澤氏はコンチェルトの「つけ」が本当に上手い。
上記に挙げた演奏もそうだけど、ソリストとぶつかるよりもその人の「よさ」をポン、と「生(き)」のままで出してくれる感じ。
「丁々発止」を求めたくなる気持ちもなきにしもあらずだけど、これはこれで立派な「美徳」だと思う。

3種のチャイ5、全然記憶にないのでいつか聴き返してレビューしようかなぁ。
いつかは未定だけど()。

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