アルバイトに高校コンプレックス
文化祭が明けた次の日の朝は不思議な気分になるんだろうな。その日まで時間をかけて準備していたものが1日、2日の間に全部解き放たれて、次の日の朝からまた日常に帰される感じ。かなり良いんだろうな。マジでムカつく。文化祭を体験できないまま高校を辞めてしまったから、その感覚に浸れなかったことが本当にムカつく。事実に対しても、俺に対しても、高校生に対してもムカつく。高一の春から不登校になるんじゃなかった。せめて冬休み明けにしておくべきだった。
バイト、バイトの面接を始めて受けたのも高校一年の頃だった。近所の回転寿司チェーンのバイトを受けた。指定時間の30分くらい前から付近の服屋で待機して、ドキドキしながら待った記憶がある。ドキドキに反してあっさりとその場で採用を頂けたのだけど、面接対応をしてくれたお姉さんが「連絡に必要なので」とLINEの交換を持ちかけてきたから、応じて交換をすると『刀剣乱舞』のキャラをアイコンにしたバチバチのオタクお姉さんだということが発覚した。今これを書いていて「そんな夢のような初バイトがあるのか」と自分で驚いている。翌日に採用を蹴ってしまったんだけど。
何でそのバイトを蹴ることになったかは正直あんまり覚えていない。何かしらの不安要素を母と共に発見してしまって、でっち上げた理由と一緒にお断りの電話を入れた記憶がある。向こうからしたら「お前が申し込んできたんだろ!」「LINE交換したじゃん!」とぷんすかが止まらなかっただろうな。ごめんなさい、メガネでオタクのお姉さん。当時は高校一年生だったこともあって、バイトに対して良くも悪くも(主に悪くも)深く考えていなかったんだと思う。オタクお姉さんが上司の職場なんて、今考えればSSR+なんだけど、高校生の俺はレアリティ知らなかったんだろうな。ちゃんと攻略本見てね。
そこからはバイトの面接に落ち続けた。カラオケ、100均、牛丼屋、ボウリング場とか、今までで合計10件は落ちた気がする。スーパーのバイトをしたこともあったけど、全然続かなかった。大体面接で落ちる理由はぼんやりとした予想でしか分からなくて、明確に落ちた理由が分かることなんて滅多にない。
ただ、ボウリング場のバイトに落ちた理由は分かる。面接官のよくある「急な欠勤とか遅刻は無いように約束してもらえますか?」の問いに「いや、家族が急に病気で倒れるかもしれないのでそれは無理です」と答えたから。今思い返しても、この言葉に間違いは無いと思う。変にイキり散らしたいわけじゃないけど、こうして自信気に書けるくらいには自分の正しさを信じている。でも俺が面接官をやっていて、こんな奴が来たら嫌だなぁとも思う。そりゃあ落としたい。恥ずかしくなっちゃうから。ああ、何か恥ずかしくなってきたね今。俺が倒れようかな。
当時は学校に通っていた(不登校ではあったが)せいでスケジュールを組みづらかったり、『高校生』という身分であったが故にバイトに落ち続けている、みたいな意識を持っていたけど、こうして振り返ってみたり、この歳で4連続敗戦してることから考えるに、本当にただ社会に上手くハマれていないだけなんだろうなと思う。上記の一件以来、変な受け応えはしないように決めているけど、無意識の内に変な受け応えしてるのかな。履歴書に書いてる『学校法人角川ドワンゴ学園 N高等学校 編入』がタチの悪い電波系のボケみたいに思われてるのかな。
というか今年の4月に面接を受けたヴィレヴァン、面接の日程調整のための電話で「少々お待ちください」の後に電話口で「男の子やったわ…」って言ってたのマジで何なんだ。ちんこ付いてちゃダメか?サブカルチャーの庭は大奥か?
高校の頃どころか中学の頃から一歩も進歩しないまま勝手に大人認定される歳になっちゃったな。酒も美味しくないね。
“無い文化祭”に対してずっとワクワクしてる自分がいる。俺のスケジュール帳の中では、まだ『高校一年の文化祭』にチェックが付けられてない、未来永劫ずっとチェックは付かない。ムカつくなぁ。
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