子どもたちは シンプルな遊びを 何度も何度も何度も 繰り返していた
「コンドルズの遊育計画」という公演を観てきました。
公演を観てきた、と書いたのですが、「公演」だけでもないし、「観てきた」だけでもない。一緒に遊んで、身体を動かして、参加してきた、そういうイベントでした。
イベントの趣旨は、こちらのWEBサイトに書いてありました。
子どもたちに、からだをつかった遊びをもっと楽しんでもらいたい、という趣旨で、NHKが様々なプログラムを実施しているのが「遊育」で、その中のメインイベントとして実施されている、とのこと。
ステージ公演が始まる1時間も前から会場に入れるようになっていて、入った瞬間から、段ボールでできた遊びの空間が広がっていました。
この「遊育」では、人の動きを「36の基本動作」として整理しているようです。とぶ・すべる・ぶらさがる・なげる・ひく・はう・・・などなど。ここにある段ボールの遊びの内容は、その動きと対応したものでした。
ただ、子どもたちにとっては、そんな「基本動作」なんて関係ありません。面白そうだから、やる。やりたいから、やる。楽しいから、もっとやる。それだけです。
遊びの1つ1つは、特別なものではありません。まとにボールをあてる。ぶら下がった風船にアタマで触る。トンネルをくぐる。細いところを渡る。などなどです。何も説明がなくても、何をしたらいいのかが、すぐに分かるほどにシンプルなもの。(ただし、段ボールの造詣は、ものすっごくクオリティが高いです。そのクオリティの高さが、こどものわくわくに貢献しているのは確かです。)
子どもたちは、そのシンプルな遊びを、本当に夢中になって遊んでいました。2~3歳のちいさなお子さんから、小学生くらいまで。遊びの装置そのものはシンプルだからこそ、子どもたちはそれぞれ自分の遊びたいように、遊ぶ。
何度でも言いたい。子どもたちは、「ボールを的にあてる」みたいな、からだを使った、ごくごくシンプルな遊びを、何度も何度も何度も繰り返し遊んでいるんです!!
子どもの遊びについて、大人たちは色々なことを言います。どの大人も、自分が子どもだった頃のことが基準になっているから、その頃と比べて変化している「今の子どもたち」を見て、あれこれと難癖をつけることも多いです。でも、子どもたちは、本質的には、そんなに変わらないんだと思うんです。(たぶん、大人たちも、本質的にはそんなに変わっていないんでしょうけどね。)
変化しているのは、子どもを取り巻くモノや、ヒトや、価値観だけだと思います。もし、「今の子どもたち」の遊びが何かケシカランのだとしたら、子どもたちの遊びの環境がケシカランのです。その遊びの環境を作った大人たちが反省しなくちゃいけません。
そんなこんなで、劇場のあちこちの場所を使って1時間たっぷり遊んでから、いよいよステージが始まります。このステージが本当に素晴らしかった!双方向性で、会場全体を巻き込みながら、1つの空間としてのワクワクの度合いが高まっていく、そういう舞台でした。
学びも、マネしたいことも、沢山ありました。
そんな訳で「からだをつかって遊ぶ」だけでも、こんなにいろんな広がりがあることに気づき、そして、私自身もとっても楽しかった今日のイベント。遊びの可能性は、まだまだ、まだまだありますね。