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どんな仕事にも誇りがあり、やりがいがあり、喜んでくれる人がいる

キッザニアの日本での創業準備をしていた時、「仕事」って何だろう、ってことを、ずっと考え続けていました。

キッザニアは「仕事体験」ができる施設です。仕事とは何か、子どもたちに言葉で直接伝えるかどうかは別として、作り手としての考えのよりどころとなる柱が必要でした。

すぐに結論が出た訳ではありません。
それでも、企画の仕事は進んでいきます。

企画の過程で、本当に沢山の「色々な仕事に就いて働いている人」にお会いし、子どもたちの体験内容をっ検討するために、お話を聴かせて頂きました。お仕事の内容にとどまらず、大切にしていることや、仕事の喜びなどについても、お話をお伺いできました。

仕事に対する向き合い方は、もちろん、1人1人違いますし、職業によっても違います。ただ、どの人にとっても共通することって〈喜び〉かもしれない、って感じたのです。

パーティーなど特別な場面で自分の作ったものを食べてもらえる喜び。
困っていた人が元気になった時の喜び。
自分の納得のできる成果物ができた喜び。
自分の正義感を貫く喜び。

誰かに喜んでもらえる喜び。

誰かに喜んでもらえることを、自分の喜びにできることが仕事なんじゃないかな、と考えるようになりました。もちろん、キッザニアのスタッフが子どもに対して「仕事とは何か」などと直接語り掛けるようなことはありません。ただ、どの体験をする時も、体験の手順などを説明をする前に、ひとこと「その仕事の意義」みたいなことを、伝えするように意識しました。

ところで、子どもに「どうして働くの?」って聞かれたら、どんな風に答えるか、という問いを、しばしば目にすることがあります。色々な大人が回答しているコメントを読んでいると、大きく分けて〈生きていくためにお金を稼ぐ必要がある〉派と、〈自分のチカラを生かしたい〉派がありそうです。

もちろん、ひとりひとり異なる答えがあり、どれもその人にとっての正解だと思います。ただ、これから働き始める人には、〈生きていくために仕方なく〉だけではない、もっと自分の内から積極的に〈働きたい〉と思うような心の動きもあることを知ってもらいたい、と願うのです。

キッザニアが創業した時、多くの大人の方たちが「楽しそう。自分の子どもの頃にも、こんな施設があればよかったのに」と言ってくれました。子どもたちは、キッザニアができる前から、大人のマネをして遊ぶことを本当に楽しんでいたと思います。お店屋さんごっこや、レストランごっこ、お医者さんごっこ、運転手さんごっこ・・・と、大人たちの「仕事」を真似て遊んでいます。そこには本質的な楽しさや喜びがあるのだと思うのです。

キッザニアの仕事に携わって、私が本当に実感したことは

どんな仕事にも誇りがあり、やりがいがあり、喜んでくれる人がいる

ということでした。

そして、そんな風に気づいたことは、私の心をいつも豊かにしてくれる気がしました。

自分らしいやり方で、誰かのお役に立ち、そのことで、自分自身も喜べる・・・そんな風に生きていけたらいいな、と思っているんです。誰でも。

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