変わるまち 変わらないまち
久し振りのまちに行った。
まちの玄関口、というか、駅前は、変わりやすい。再開発という名のもとで、駅前に商業ビルができたり、駅を立て替えたりする。
特に駅を立て替えた場合は、到着した瞬間、驚く。わっ、私の知らないまちに来ちゃった、という気持ちになる。
でも、駅を出て、まちを少し歩き始めると、少しずつ、知っている風景が見えてくる。そして、やっと、じわじわ懐かしくなってくる。
建物やお店は変わって、すっかり見える景色は違うはずなのに、なんとなく、あぁ、知ってる場所だな、懐かしいな、と思うのは何でかな、と思いながら歩いていて、気づく。
道のかたち、って意外と覚えてる。
交差点で微妙に曲がって微妙に見通せない道。緩やかにカーブしている道。線路の上の跨線橋。特徴的なY字路。
その道の先に、懐かしいあの頃の景色が思い浮かぶ。
ここがこんな風に変わったね、と言いながら、変わる前のことを思い出す。むしろ、変わったからこそ、思い出している気がする。
リアルなものと言うのは、思い出すためのスイッチに過ぎないのかもしれない。あの頃と全く同じである必要はない。代わり続ける中に、自分の記憶を見つけられたら、それでいい。
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