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絵本はもっと遊びになる

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絵本の魅力に、もっともっと出会いたい! 絵本を選ぶことを楽しんだり、読んだ絵本を生活につなげたり、絵本からおしゃべりが広がったり・・・。絵本を使って、「読む」以外にも、こんなに楽…
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#絵本あそび

【季節のおすすめ絵本】6月:お父さん

先月は、「母の日」にちなんで、「お母さんに届けたい」絵本をご紹介しました。 6月は、父の日、ということで、「お父さん」の絵本をご紹介していきます。 絵本の世界で、お母さんは「子どもに充分に愛情を注ぐ存在」として描かれることが多いです。(そういう「お母さん像」だけじゃなくてもいいのにね、と思った気持ちは、5月の絵本紹介の記事で書いた通りです。)また、おじいさん/おばあさんは、知恵者であったり、子どもをフラットな視点で見守る存在として活躍します。日本の昔話の登場人物がおじいさ

【季節のおすすめ絵本】1月:だるまさん

昨年、かがくいさとしさんのドキュメンタリーを観ました。絵本作家になる前から子どもたちに寄り添い続けてきたことや、子ども1人1人に向ける視線の暖かさが伝わってきました。 かがくいさとしさんにまつわるエピソードの中でも、私は、「だるまちゃんの読み聞かせ動画をお考えのみなさまへ」というブロンズ社さんのブログを、とても好ましく思っています。 ぜひ全文はリンクから読んで頂きたいのですが、趣旨としては、かがくいさん自身の意向を尊重し、ちいさな赤ちゃんのための本は、目の前のその子を大切

【季節のおすすめ絵本】9月:やさい

「食欲の秋」ですね。 今年は、まだまだ夏の続きのような気候が続いていましたが、それでも、新米の季節になり、秋の果物が店先に並ぶようになり、実りの秋が近づいてきています。 食べ物の絵本は、本当に魅力的な絵本が数多くあります。子どもの生活に身近で、そして、人の営みや自然との繋がりを感じられるからだろうなぁ、と思っています。 「食べ物の絵本」というテーマにすると、ご紹介したい絵本が多くなりすぎるので、昨年は、「いただきます」というタイトルで、〈誰かが手間暇かけて用意してくれたこ

【季節のおすすめ絵本】6月:じかん

6月と言えば梅雨の季節。 子どもたちにとって、雨は、すぐ隣にある非日常なのか、良い絵本がたくさんあるんですよ・・・と言って、昨年、雨や傘にまつわる絵本を存分に紹介しました。 さて、今年はどうしようかと考え、6月10日「時の記念日」にちなんで、「時間」にまつわる絵本をご紹介します。 ところで、本を紹介する前に、改めてお伝えしたいことがあります。 それは、絵本を読むときは、子どもに何かを教えよう、身に付けてもらおう、と思うのではなく、純粋に楽しんでもらいたい、ということです。

【季節のおすすめ絵本】4月:だいじょうぶ!

新年度ですね。 入園や入学、進級など、新しい環境での生活がスタートする子どもたちも、多いことでしょう。 新しい生活は、ドキドキします。 子どもたちもドキドキしていると思いますが、実は、お父さん/お母さんも、やっぱりドキドキしていると思うのです。 そこで今日は、子どもたち、というよりも、むしろ、お父さん/お母さんに向けて、「だいじょうぶ!」というメッセージをお伝えできる絵本をご紹介します。 親だって、完璧じゃなくていいんだよ、と思える絵本を2冊。2冊とも登場人物は「おか

【季節のおすすめ絵本】3月:花がさいたよ

春の訪れを感じる3月。まだ寒い日もあって、正直言えばコートも手離せないけれど、でも、季節の移ろいを感じると、なんだか心がはずみます。 今月は、春が近づいていることを実感する「花がさいた」の絵本をご紹介しますね。 まずは、春の訪れを願う想いが、そのまま題名になった絵本から。 季節がめぐっていくことの美しさを感じる絵本をもう1冊。 春の訪れを象徴する花と言えば、やはり「桜」かもしれません。冬を越えた木々から、一斉に花が咲く劇的な変化は、確かに「枯れ木に花が咲いた」ように見え

【季節のおすすめ絵本】2月:ゆきの日は とくべつな日

「ゆきの日は特別」なんて言うと、「冬になれば、雪が日常だよ」という地域の人たちからは、そんなことないよ、って思われるかもしれないけれど、でも、やっぱり「ゆきの日」は、特別だなぁ、って思います。 見慣れた景色が、全く違って見える。全く違う世界が広がっている。 そんな、「ゆきの日」の驚きと喜びを感じる絵本を紹介します。 同じく小さな人に向けた絵本でも、もう少し物語性のあるのは、こちら。 ゆきと出会った子どもの姿を描いた本をもう1冊。 同じ題名の絵本ですが、全く違う切り口も

【季節のおすすめ絵本】11月〈後編〉:働く大人はカッコイイ

11月のテーマは「お仕事の絵本」。紹介したい本が沢山あるので、今月は前後編に分けてお届けしています。 前編の記事では、生活の周りにある「色々な仕事」に気づくような、仕事案内っぽい絵本をご紹介してきました。 後編では、個々の働く人の魅力に出会える本を紹介します。 まずは、ある働き者さんの1日の様子を描いた絵本。 ところで、このくまさんのシリーズは、「パンやさん」以外にも、「ゆうびんやさん」「うえきやさん」「せきたんやさん」と様々な職業が登場します。どの職業に就いても、く

【季節のおすすめ絵本】11月〈前編〉:仕事って、すてき

「お仕事の絵本」を紹介したくて、いつ記事にしようか、いつ記事にしようかと、わくわくしていました。 そして、やっぱり「勤労感謝の日」がある11月だな・・・と思い至ったのです。 思い至ったのですが、この、毎月のおすすめ絵本の記事を書き始めたのって、実は昨年12月から!ということで、早く紹介したかったお仕事の絵本、ほぼ1年間温め続けて、満を持しての紹介です。今月は、たくさんあるので、2回に分けてお届けしまーす! まずは、働く、という物語が、1枚の絵から伝わってくる本から。 絵本

【季節のおすすめ絵本】8月:手をつなごう

8月は、人々が傷つけ合うことなく、憎しみ合うことなく、苦しむことなく生きるために、どうしたらいいだろうか、と、思いを馳せる季節でもあると思います。 平和、というテーマはあまりにも大きくて、私もどう扱っていいのか分からないです。ただ、平和、ということを思い巡らせていると、子どもたちの姿が浮かんできました。子どもたちが、自分の出会った人たちと丁寧に関係性を築いていく姿には、大切なものが詰まっている、と感じたのです。 子どもは素直だから、出会ったらすぐに、苦労もなく、簡単に「と

【季節のおすすめ絵本】9月:おつきさま

8月が終わると、昼間はまだ暑いのに、朝夕はふっと涼しい風が吹いてきますよね。そして、ふと気づくと日が暮れるのが早くなっていて、夜の時間が長くなっているなぁと感じます。 こんな季節は、やはり、夜空を見上げたい。昔の人もきっとそう思ったのに違いありません。9月はお月見の季節ですね。 絵本も、おつきさまをテーマにしたものを選んでみましょう。 小さい人に向けた絵本をもう1冊。 この絵本は、息子が8か月くらいの頃、一緒に読んでいたら「ふわっ」のところで、声をたてて笑った、という、私

【絵本から広がるあそび】12さつ目『コッコさんとあめふり』

絵本を入り口にして、そこから広がるあそびのアイディアをご紹介します。 今回の絵本は『コッコさんとあめふり』(片山健:作 福音館書店) どんな絵本?雨が降り続くある日、コッコさんは「てるてる坊主」を作ります。 「てるてる坊主」に願いをこめても、なかなか雨はやみません。 そこでコッコさんがやったことは・・・。 あそび てるてる坊主をつくろう!てるてる坊主、作ったことがある人は多いと思います。 そのてるてる坊主、ティッシュとか、チラシの裏紙とかで作りませんでしたか?雨がやんで、

【季節のおすすめ絵本】6月:雨の日は特別な日

雨の絵本、傘の絵本って、とても多いんですよね。 子どもたちにとって「雨」と言うのは、日常で味わえる非日常だからじゃないかな、と思います。予期せず訪れる身近なイベント。 今日は、そんな〈雨の日は 特別な日〉を感じられる絵本をご紹介します。 まずは、雨の日のお出かけが楽しくなる1冊から。 そして、雨の日のお出かけが楽しくなる絵本をもう1冊。 おじさんが初めてかさをさした日のことは、ユーモラスに描かれましたが、もっと小さな子どもにとっては、人生の大きな1ページかもしれません。

【絵本から広がるあそび】11さつ目『おせんべ やけたかな』

絵本を入り口にして、そこから広がるあそびのアイディアをご紹介します。 今回の絵本は『おせんべ やけたかな』(こがようこ:構成/文 降矢なな:絵 童心社) どんな絵本?「お・せ・ん・べ・や・け・た・か・な」でページをめくると、おせんべいが1枚焼けて、にっこり!わらべうたの手遊びを、絵本ならではの楽しみ方で味わえる本です。 あそび① わらべうたあそび子どもの頃、「お・せ・ん・べ・や・け・た・か・な」という、わらべうたで遊んだでしょうか。遊び方は簡単。 手のひらをおせんべいに見