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絵本はもっと遊びになる

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絵本の魅力に、もっともっと出会いたい! 絵本を選ぶことを楽しんだり、読んだ絵本を生活につなげたり、絵本からおしゃべりが広がったり・・・。絵本を使って、「読む」以外にも、こんなに楽…
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記事一覧

【季節のおすすめ絵本】6月:お父さん

先月は、「母の日」にちなんで、「お母さんに届けたい」絵本をご紹介しました。 6月は、父の日、ということで、「お父さん」の絵本をご紹介していきます。 絵本の世界で、お母さんは「子どもに充分に愛情を注ぐ存在」として描かれることが多いです。(そういう「お母さん像」だけじゃなくてもいいのにね、と思った気持ちは、5月の絵本紹介の記事で書いた通りです。)また、おじいさん/おばあさんは、知恵者であったり、子どもをフラットな視点で見守る存在として活躍します。日本の昔話の登場人物がおじいさ

【季節のおすすめ絵本】3月:おてがみ

3月。出会いと別れの季節。 人とのつながりを愛おしく感じたり、一緒に過ごした時間を振り返ったり、大切な人への想いを言葉にしたりすることの多い時期。 そんな季節の想いをしっくり表すテーマは何だろうかと考えて、「おてがみ」だな、と思い至りました。 想いを言葉にして相手に届ける。そういう、心のこもったお手紙の絵本をご紹介します。 まずは、大切な相手を思いやる気持ちのこもった「おてがみ」。 「お手紙がほしい」と思うのは、がまくんだけじゃないんです。そう言えば、子どもたちもみんな

【季節のおすすめ絵本】1月:だるまさん

昨年、かがくいさとしさんのドキュメンタリーを観ました。絵本作家になる前から子どもたちに寄り添い続けてきたことや、子ども1人1人に向ける視線の暖かさが伝わってきました。 かがくいさとしさんにまつわるエピソードの中でも、私は、「だるまちゃんの読み聞かせ動画をお考えのみなさまへ」というブロンズ社さんのブログを、とても好ましく思っています。 ぜひ全文はリンクから読んで頂きたいのですが、趣旨としては、かがくいさん自身の意向を尊重し、ちいさな赤ちゃんのための本は、目の前のその子を大切

【季節のおすすめ絵本】2月:音楽のエネルギー

音楽は1年中楽しめるものなので、季節がある訳ではありませんが、寒い冬、ずっと家の中にいる季節には、音楽の有難さを感じる場面が多々あるように思います。心を安らげてくれたり、楽しませてくれたり、気持ちを強くしてくれたり。 今月は、「音楽」の持つ魅力というか威力というか、そんなエネルギーを感じる絵本を紹介しますね。 ところで、「音楽」というと、楽譜通りに正しく演奏することをイメージするかもしれませんが、それは、少し先の段階です。 小さな子どもたちは、演奏の前に、音楽を構成する

【季節のおすすめ絵本】12月:お星がひかる

クリスマスの物語の中で、「星」は大切な役割を担います。救い主の元にたどり着くための道しるべです。 誰にでも、そういう「星」のようなものがあると思うのです。雄弁ではないかもしれないけれど、自分が進もうと思う方向を示す拠りどころのような存在。それは、たとえ小さな光であっても、信じて向かっていけばその先で、何かと巡り合えるのかもしれません。 今月は「星」をテーマにした絵本を紹介していきます。 そして、星の味わい方には、色々あるんだなぁと気づく物語。 そして、「星」をどんな風

【季節のおすすめ絵本】11月:色いろいろ

子どもたちの「描く」姿が、好きです。 子どもたちにとって、自分のはたらきかけによって、目の前の様子がどんどん変化している様は、きっとわくわくするのだろうなぁ、と思うのです。 上手く描くことに意識を向けるのではなく、線の重なりとか、色の混ざり合いとか、偶然できた形の不思議さとか、そういうところを1つ1つ面白がることができたとき、「描く」ことは、本当に魅力的。 もちろん、そういうすてきな遊びは1年中大切にしたいけれど、「芸術の秋」ということで、今月は「色いろいろ」のテーマで絵

【季節のおすすめ絵本】10月:どんぐり

どんぐりが好きです。 道端でどんぐりを見つけると、宝物を見つけたような気持ちになり、拾いたくなります。拾わなくっても、わくわくします。 どんぐり遊びの記事を書いた時には、沢山の人に読んで頂けて、きっと、みんなも、どんぐりが好きなんですね。 という訳で、今月は「どんぐり」の絵本を紹介します。 さぁ、ここから、どんどん集めますよ。 集めたどんぐりを、何に使いましょうか。 どんぐりをテーマにしたこんな物語も紹介します。 そして、最後に。ぜひぜひ手にとってページを開いても

【季節のおすすめ絵本】9月:やさい

「食欲の秋」ですね。 今年は、まだまだ夏の続きのような気候が続いていましたが、それでも、新米の季節になり、秋の果物が店先に並ぶようになり、実りの秋が近づいてきています。 食べ物の絵本は、本当に魅力的な絵本が数多くあります。子どもの生活に身近で、そして、人の営みや自然との繋がりを感じられるからだろうなぁ、と思っています。 「食べ物の絵本」というテーマにすると、ご紹介したい絵本が多くなりすぎるので、昨年は、「いただきます」というタイトルで、〈誰かが手間暇かけて用意してくれたこ

【季節のおすすめ絵本】8月:なかまは何人?

今月は、8月だから・・・って訳でもありませんが、親子で楽しむクイズみたいな形式でご紹介します。 夏休みだからって、特に親子でどこかに遊びに行かなくちゃいけない、ってこともないと思うんですよ。家でのんびり過ごしたっていいし、何か楽しいことを見つけたっていい。そんな〈プチ楽しいこと〉の1つとして、こんなクイズっぽいものでもいかがでしょうか。 「○人(ひき)の仲間」と言われると、必ず思い出す絵本って、ありませんか? たとえば、〈7匹〉だったら、『おおかみと7匹のこやぎ』・・・とい

【季節のおすすめ絵本】7月:おひさま

毎日暑いですね。 8月のテーマは「おひさま」にしよう、と思っていたのですが、連日のあまりの暑さと、ぎらぎらと照り付ける感じていたら、「うん、今が、おひさまの絵本だな」という気持ちになりました。 というわけで、予定より早めてエネルギー溢れる「おひさま」の絵本をご紹介します。 まずは、読んでいるうちに笑顔になる1冊から。 おひさまが大好きなくまくんのお話。 おひさまを待ち遠しく想う気持ちが伝わる1冊です。 次は、もう少し存在が身近な「おひさま」のお話。 そして、おひさま

【季節のおすすめ絵本】6月:じかん

6月と言えば梅雨の季節。 子どもたちにとって、雨は、すぐ隣にある非日常なのか、良い絵本がたくさんあるんですよ・・・と言って、昨年、雨や傘にまつわる絵本を存分に紹介しました。 さて、今年はどうしようかと考え、6月10日「時の記念日」にちなんで、「時間」にまつわる絵本をご紹介します。 ところで、本を紹介する前に、改めてお伝えしたいことがあります。 それは、絵本を読むときは、子どもに何かを教えよう、身に付けてもらおう、と思うのではなく、純粋に楽しんでもらいたい、ということです。

【季節のおすすめ絵本】5月 葉っぱ

新緑の美しい季節になりました。 お日様の光をうけて、きらきら光る葉っぱは、本当に魅力的です。 葉っぱのお話、というと、『魔女の宅急便』の中で、キキが依頼主さんからのお手紙をなくしてしまい、文章を思い出しながら、大きな葉っぱに書いて届けた話を思い出します。(もとの文章とはだいぶ違っていたので、子ども心に、それでいいのか・・・と気になっていたんですけれどね。) 春から夏、エネルギーにあふれる「葉っぱ」に目を向ける絵本を紹介します。 身近な自然に目を向ける絵本をもう1冊。

【季節のおすすめ絵本】4月:だいじょうぶ!

新年度ですね。 入園や入学、進級など、新しい環境での生活がスタートする子どもたちも、多いことでしょう。 新しい生活は、ドキドキします。 子どもたちもドキドキしていると思いますが、実は、お父さん/お母さんも、やっぱりドキドキしていると思うのです。 そこで今日は、子どもたち、というよりも、むしろ、お父さん/お母さんに向けて、「だいじょうぶ!」というメッセージをお伝えできる絵本をご紹介します。 親だって、完璧じゃなくていいんだよ、と思える絵本を2冊。2冊とも登場人物は「おか

【季節のおすすめ絵本】3月:花がさいたよ

春の訪れを感じる3月。まだ寒い日もあって、正直言えばコートも手離せないけれど、でも、季節の移ろいを感じると、なんだか心がはずみます。 今月は、春が近づいていることを実感する「花がさいた」の絵本をご紹介しますね。 まずは、春の訪れを願う想いが、そのまま題名になった絵本から。 季節がめぐっていくことの美しさを感じる絵本をもう1冊。 春の訪れを象徴する花と言えば、やはり「桜」かもしれません。冬を越えた木々から、一斉に花が咲く劇的な変化は、確かに「枯れ木に花が咲いた」ように見え