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怒りをしずめる方法

洗濯機が壊れた。
いや、壊れていた。

少し前からなんだか変な音がするなと思っていたけど、主電源を抜いたりさしたりして誤魔化していた。

それが今日はどれだけ抜き差ししても、すすぎの途中でエラーになって止まってしまう。もう本当にダメらしい。

何か特殊な解決法があるのではと家族を頼るも、撃沈。

(父は“昨日から”と言っているが、私は結構前からヤバかったということを知っていた。)

せっかく「今日は朝から洗濯を回して、その間に部屋の掃除をすまして仕事に入ろう」と珍しくスケジュールを立てて行動をしようとしていたのに、出鼻を挫かれた。

私はこういう、機械がエラーを起こしてしまうことにかなりのストレスを感じてしまう性分だ。

家のWiFiが何らかの拍子で繋がらなくなる時、
Amazon fire stickが、猛烈な音ズレをする時、
エアドロップで目当ての端末だけ全く反応しない時など。

こうやって書いてしまえばなんて事のない出来事のはずなのに、実際に事が起こっている最中では全く冷静になれないほど、私は怒り狂っている。

昔読んだ本に、
”「怒り」という感情には正体があって、それは大抵の場合「困っている」ということ。だからその瞬間の感情に従うのではなく、少し待って、本当の自分の思いに耳を傾けるべきだ。"
というようなことが書いてあった。

確かにそうだと思う。

実際私も、機械の不調でとにかく困っている。
だから取り乱している。

そう、だから、もし怒りの対象が人だったとしたらこの「少し待って、本当の自分の思いに耳を傾ける」行動はかなり役に立つと思う。こうすれば無駄に喧嘩とか嫌な空気も流れず、淡々と解決に進むんだと思う。

けど、私の今の相手は機械なんだよな。

私たちの生活に必要不可欠な、とっても便利で助かるアイツ(洗濯機)
一度エラーになれば、自分で解決することはほぼ無理な、手のかかるやつ。(コンセントを抜かれると記憶喪失になって騙されることもあった)

ドラえもんもたしか、体の調子が悪くなると未来に帰ってメンテナンスを受けていたと思うから、機械が動物のように自己回復能力を得るには、かなり先の未来になっても厳しいことなんだろうな。

微妙に話が逸れてきている。

とにかく私は、今、洗濯機が壊れたことで怒っている。
どこにぶつけることもできない怒りだ。

どうすればいいんだろう。
悶々として眉間に皺が寄ってくる。

すると当然、一緒にいるカレは、私の怒りに気づく。

一刻も早くこの状況を打破したいカレは、みけちゃん、と神妙な顔で私の名を呼んだ。そして、素早く私の腕をとり、自身の腕と組む。

「みけちゃん、ジャンプするよ!飛んで!」

このように、飛ぶ。

なんで、なんで。
カレは私と腕を組んだまま、上へ下へとびょんびょん飛びながら、叫ぶ。

「人ってね、ジャンプしながら怒れないらしいよ!」

飛んで!と再度真剣な顔で言うカレに、怯んで、私も飛ぶ。
ジャンプすることが久しぶりすぎて、体がものすごく重く感じる。
え?ジャンプってこんなに腰にくるっけ?膝とかじゃないんや。

平日、昼過ぎ13時。28歳男女は腕を組んでジャンプする。

なんだか笑いが込み上げてきた。
アホらしすぎて、どうでもよくなってきた。
あと、ほんまに腰いわしそう。怖い。

実際、10回飛んだかどうか、というくらいだったけど、しっかり気分転換になった。いや、気分転換と言っていいのかはわからないけど。
強制終了のほうが近い気がするけど。

とにかく、効果はあったので、もし自分の怒りをコントロールしたい方は、ジャンプをしてみてはいかがだろうか。

平日でも、昼過ぎでも、オフィスでも、道端でも。
おそらく、大人としてちゃんとしなければいけない場所でやればやるほど、効果が出ると思います。
おすすめです。

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