見出し画像

救急搬送されたアラカン女子

救急車で運ばれる、という経験は、人生においてそうないことだと思います。

日本の法律では、救急車の要請は完全無料と定められています。
救急車を呼んで医療機関まで運んでもらうのにお金はかかりません。
運用にかかる費用は、行政サービスのひとつとして、我々の税金でまかなわれているのです。

アラカン女子が外出先で原因不明の体調不良となり、救急搬送された時のお話です。

その日は夫と二人、車で目的地へ向かう途中、あるラーメン屋さんで昼食をとりました。
麺は完食しましたが、少しこってり系のスープはほとんど残して終了。
この時は、ちょっと胃が重たいかな、くらいの感覚でした。

そのあと、目的地に着いて歩いているうちに急に胃がムカムカし出し、気持ち悪くて立っているのもツラいほどに。

(うーーーっ! き、気持ちワル〜〜)

そう思っているうちに、呼吸がハアハアしてくる。
あきらかに体調がおかしいので、そうそうに用事を済ませて家に帰ることにしました。

帰りの車中でも気持ち悪さとハアハアは止まりません。

(息が く、苦しぃ〜〜。)

苦しいから吸う。吸うともっと吸いたくなる。
自分でもあきらかに動揺しているのがわかるけど、どうしようもない。

(酸素が足りないーーー!もっと吸わなくちゃ!)

頑張って吸っていたら、膝の下にしびれる感覚が。
その感覚はどんどん体の上の方へ上がってきて、胸がぎゅーっと締め付けられるまでになった。

(げっ!胸が苦しいよ。もしかして心筋梗塞!?)

あまりにも苦しそうな私を見て、夫は救急車を要請しました。
救急車と合流する場所を決め、そこで私が救急車に乗り込み病院へ搬送されることになりました。

病院へ向かう間、救急隊員さんが声をかけてくれました。
「体の酸素は充分足りていますから大丈夫ですよー」
「ゆっくり深呼吸してくださいねー」

(あーそっか、これが過呼吸ってヤツなのだな、初めて知ったよ。)
(でも、ハアハアが止められないのだよ。)

搬送中の20分ほどの間に、私は耐えきれずに嘔吐してしまいました。
病院に到着し、車から出る際に2回目の嘔吐。

フラフラの状態で、隊員さんに「すみません」とあやまるが精一杯だった。
搬送のお礼をしっかりと言えなかったのが心残りです。

院内へ入る際には、鼻の中にグィーーと何かを突っ込まれて痛かった。
これがPCR検査だったと、あとで分かった。

さっそくエコー、レントゲン、心電図などの検査が行われ、心臓疾患ではないことが判明してひと安心。
ただ、レントゲン写真で胃の形が異様にハッキリ写っていると言われるが、それが何を意味するのか、私にはわからず。

そうこうしている間に、呼吸が少し落ち着いてきました。
と、思ったら3回目の嘔吐。

数回の嘔吐によって胃の内容物がほとんど外へ排出されたことで、ムカムカする感覚も落ち着いてきた。

消化器内科の先生が呼ばれ、診てくださいました。

先生の見立てによれば、上腸間膜動脈症候群かもしれないから一度内視鏡検査をしたほうがいいね、とのこと。

「上腸間膜動脈症候群」

はじめて聞く言葉なので検索してみると、
十二指腸の一部は、前方から上腸間膜動脈に、後方から腹部大動脈に挟まれた位置にあり、これらの血管による締め付けが強くなると腸閉塞症状をおこし、急性の場合には、食後の腹部膨満、嘔吐などをきたす病気、とありました。

要するに、食べたものが胃から腸へ移動する際の通過障害ってことですね。

ふと思い出したのは、以前パンケーキを食べて絶不調におちいり寝込んだこと。
もしかしたらあの時の原因もコレだったのかもしれない。

治療法は、いたってシンプルで、太って脂肪をつけること。
内臓の周りにクッションを置いて、血管の締め付けを弱めるのだとか。

からだの不調には必ず原因があるのだと、いまさらですが痛感しました。
毎日を気持ちよく過ごすためにも、自分のからだをいい状態に保つことを老後に向けた優先課題とします。

【追記】
数日後、内視鏡検査を受けた結果、胃の内面に異常はなし。胃から腸へつながる部分についても、今は閉塞は認められないとのことでした。

結果として、ハッキリした原因はわからずじまいですが、外出先でラーメンを食べるのが怖くなったアラカン女子です。


お読みいただきありがとうございました!「スキ」ボタンがとっても励みになります♡