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81歳の母、クルマとおさらばする

先日「運転やめる宣言」をした母。

ホッとしたのも束の間、そう簡単には物事が進まないのはよくある話。

知り合いからとあるお手伝いを頼まれたとかで、「やっぱり4月までクルマに乗ろうかと思って」と言い出す。

運転をやめると決めたものの、クルマはまだ自宅に置いたままでいつでも乗れる状態である。
母の気が変わらないことを願っていたところに、早くも恐れていた発言を聞いて気が滅入る。

いやいや、あなたのクルマは3月が車検、4月にたった一度使うだけでもお金を払って車検を受けなければならないのですよ。
滅多に乗らないクルマに車検代を払うのはもったいない、と言ったのはあなたですよね。

それにあなたの運転免許証はちょうど更新時期で、有効期限は4月中旬です。
免許証を返納するからと、予約してあった『認知機能検査』を自分でキャンセルしたので、このまま免許センターへ行っても更新手続きは出来ませんよ。

という内容を焦りながら説明すると
「そうなのね」
「じゃあ、手伝いは断るからいいわ」
と、理解しているのか、していないのか、よく分からないあっさりした返事。

やはりクルマを置いたままにしておくと、母の気持ちも揺れてしまうのだと思う。

ちなみにクルマは軽バンで、仕事で使いたいと言う弟に譲ることになっている。
再び母の気が変わらないうちに、早めに引き取ってもらうのが良さそうだ。

さっそく母に確認する。

「この週末、○○(弟)がクルマを取りにくるけど、いいよね?」
「うん、いいよ」

やった!今のうちにクルマを引き上げよう。

そんなこんなでクルマは無事に弟が引き取った。

クルマを見送る母

見送る時、母は寂しさを紛らわすかのように
「これでクルマともおさらばだー!」と言った。

今までは実際には乗らないとしても、そこに車があるだけで、「いつでも出掛けられる」という安心感が得られていたのだ。
寂しくないわけがない。
でも、可哀想だと思ってはいけない。
いつかはしなくてはならない決断を母自らしたのだから、きっと乗り越えてくれるはずだ。

今まで仕事や趣味や友達とのお付き合い、ボランティア活動でいろんな場所へ行ってきたよね。
父が入所していた施設へも、せっせと通っていたっけ。
長い間の運転、本当にお疲れさまでした。

これからは、遠くへ行く時は私たちを頼ってね。
そして何より、一生自分の足で歩くためにも、日常生活での歩く習慣を大切にしていこうね。

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