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じゃばじゃあ~

洗濯。それは、衣類や汚れたものたちにとっての入浴、バスタイム。

ドドドドドドドドドッ
と滝のような冷たい水が、ドラムの中に並々いっぱい注がれる。それは、かけ湯ではなく、かけ水。

衣類たちにとっては、一種のお清め。


一定の水位になったら、科学と力の技が融合しあって、衣類たちの汚れという肩凝り、疲れを遠心力を使って、取り除く。

ごぅぅううううう
ガガガガガァア
と轟音あるいは、破壊音が部屋に鳴り響き、人には騒音に聞こえる。

衣類たちにしてみれば、それは綺麗と疲れを取るための音。

そして、人と同じように、衣類たちも「香り」「匂い」に『敏感肌』
また虫を嫌う。拒む習性がある。

衣類たちにとって「香り」「匂い」にあたる入浴剤は、洗濯洗剤・柔軟剤。
最近は、粉よりもジェルタイプ・液体タイプが主流になっていることに、驚きを隠せないらしい。

「最近、洗剤…。俺たちとっては、入浴剤なんだけども、ジェルタイプや液体は良いよね。あれは、洗い終えた後、ふぅ~と一息つけるほど、スッキリできるから良いよね!」

上機嫌で話す衣類Aさん。
しかし、粉末洗剤にとってはいい思い出がないことを語り、入浴つまり洗濯についても語ってくれた。

「粉のときは、へばりつくような感じだったのと、洗剤が溶けきれずに、もう一度洗うと思ったときは、嫌気が指したよ。何故かって?そりゃ、同じ事したら、その分、俺たちが痛み、捨てたり再利用しなくちゃいけないだろう。俺たちとっては、入浴つまり洗濯は、ダメージを受けることなんだ。でも、俺たちだけではなく、使っている人の心も、気持ち良くなってほしいから、俺たちは洗濯つまり入浴することは賛成なんだ。でも、痛むことを考えると、複雑な気持ちはあるし、長く使ってもらいたいから、出来るだけダメージを少なくしてもらいたい気持ちもあるんだ」

と、衣類Aさんが、海外特有の身振り手振り、額に手をつけて悩む姿勢をしたりをしながら、流暢に洗濯つまり入浴や、使い方を代弁してくれた。また、次のよう話は、Aさんにとっては、要求ではなく懇願だという。




「槽洗浄も、月一、二回をして綺麗ほしいんだよね。洗濯槽はバスタブなんだよね。君は、汚れたバスタブに、お湯を入れて、そこに入るかい?」

おっしゃるとおり。

なので、Aさんが懇願通りにしたいと思いました。

あと、Aさんが思い出したかのように語ったのは「乾かし方」と「その後」についてだった。

「これからの梅雨だから、部屋干しが増えてしまうことは仕方ないと思って頂きたい。もしも、部屋干しが煩わしいと思うならば、コインランドリーには幸い乾燥機もあるので、そこで乾かしてもらいたい。また、自宅で乾燥機・乾燥機能がある洗濯があるならば、そこで乾かして欲しいんだ。人でいうと、髪を乾かすことに当たるんだよ。乾かせないモノがあるのは、仕方ないけどさ。それと、アイロンがけ出来るものはアイロンがけして欲しいんだよ。アイロンをかけるってことは、人でいう化粧、メイクなんだよね」

と、Aさんは懇願ではなく要求を求めてきたので、これ以上は聞き役に徹することは、ただ時間を費やすだけなので、早々と撤退し、次の要件へと向かうのであった。


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