虫垂炎について

虫垂炎は世界で最も一般的な外科疾患の一つです。日本では「盲腸」という呼び方が深く浸透しています。盲腸は大腸の一部で、小腸と大腸の合流部付近にある大腸の行き止まりの部分を指します。この行き止まりの部分から更に細い空洞が伸びています。これが虫垂です。
この虫垂に何らかの原因で炎症を起こした状態のことを虫垂炎と言います。原因はさまざまですが、多くは便の塊等で虫垂が閉鎖空間になることにより発症します。生涯リスクは7-8%と言われております。先進国では人口10万人当たり年間約90-100人の方が発症するともいわています。はっきりとした性差は認められていません。
かつては手術療法一択でしたが、近年では抗菌薬による治療で軽快することも多くなってきました。虫垂炎は単純性と複雑性に大別され、複雑性虫垂炎は抗菌薬治療が失敗することが多く、そもそも手術加療が行われることが多いです。一方虫垂炎の約80%を占める単純性虫垂炎は63-70%程度成功すると言われております。ただ、文献にもよりますが抗菌薬による保存的加療は25-30%程度の方が、1年以内に再燃するともいわれています。またすべての虫垂検体の1%に腫瘍性病変があるともいわれております。
これらのことから、私達の周りにも抗菌薬加療により治癒したものの、再燃を心配されている多くの方がおられるのではないかと思います。また虫垂内部は内視鏡で観察するのが困難ですので、虫垂切除により虫垂を検査できるというもう一つのメリットもあると考えます。
私たちは日帰り腹腔鏡下虫垂切除術により、落ち着いている時に、最小限の時間で再燃のリスクを無くします。また原則付き添いをお願いしておりません。いつでもお問い合わせください。

MIDSクリニック   https://misc-sokei.com

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?