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映画「紅の豚」

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スタジオジブリ制作による国民的長編アニメーション。原作・脚本・監督、宮崎駿さん。まず特筆すべきは色。作画枚数5万8443枚。使用色数476色。本当に1コマ1コマ丁寧に描かれていて美しさが際立ちます。

ポルコ1人(匹?)でアドリア海を飛行する場面、物哀しい音楽と美しい画面が相まって見る度に涙が出ます。機体がキラリと光るところ、空、飛行艇、音楽が溶け合うようで印象的。

ファンタジー/アドベンチャーと分類されますが、さらにノスタルジーも覚えます。異国情緒。平和と戦争。飛行艇乗り達の空騒ぎと哀愁。シャンソン。なぜ豚なのか…そんなに人間の姿が嫌になっちゃったのかなぁ…

音楽は加藤登紀子さんの曲はしっとり、冒険パートはメラメラ、そして全体にどことなく漂う気怠さが堪りません。過去への想いや、大人になってからも残る友情、そして時代的に先の見えない不穏な雲行きでしょうか。

味のあるキャラクターばかりで描き切れないのですが、敵役もみんな愛嬌があり憎めません。悪さを企む奴らにも日常があり表情豊か。女子どもにはやさしい。母親には逆らえない。まさにキャラクターが生きていると感じます。

↑なぜ母親が出てくるかというと空賊マンマユート(MAMMA AIUTO)団の名前の由来はイタリア語で「ママ、助けて(コワイよ〜)」という意味に。デッカい図体とのギャップに笑っちゃいます。

公開された頃、フィオは手に職があり意見をハキハキ言って格好良いと憧れました。行動力も魅力的。いつしか追い越してマダムジーナや年配目線に…。きっと何歳になっても繰り返し観るのでしょうね。

大人になり子どもの頃には分からなかった違う楽しみ方ができるようになったかもと思います。恋の行方や物語のその先を考えるのも映画の醍醐味。余韻も味わえるこの作品に出会えて本当によかったです。

ポルコロッソ役の声優(森山周一郎さん)の訃報を知り描かせていただきました。渋くて格好良い声をありがとうございます。

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映画のファッションでピックアップしたのは、終盤、場面展開の早いところ。クラシカルと書いちゃったけど、当時はきっとモダンだったんだろう👀厚底ヒールは動きやすそうで、実際飛び跳ねたりして意外と活発だとわかります。

〈絵と文/深道 韻〉

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