肩書きって

肩書きをもたずに過ごしたことありますか?

うちの息子①が高校を卒業してから選択したのがそれ。先にお伝えしておくが、母親の私は「大学いけ」とか「就職しなさい」とか何も言っていないし、自由にしたら良いと思っている。そこで何を見つけるのかな、どうするのかな、と興味津々で見守っている。高校を卒業してすぐに社会に飛び出るにはかなりの勇気がいるだろうなと思うし、準備もある程度いるのじゃないかなと思ってはいる。やりたいことをみつけるというのもこの時勢では簡単なことではないかもしれない。

私は高校の途中から大学、最初の就職がアメリカだったが、アメリカでは高校卒業してしばらく旅に出たり、いったん仕事をはじめて学費を稼ぐなど一般的だった。オバマ前大統領の長女も高校卒業後に数ヶ月旅に出たのちに企業のインターンシップを経て大学に進学している。高校卒業後にやりたいことが高校生の間で定まっていなければ、考える時間をもつのはいいことだとも思う。大学の場合、短期でも2年、修士なら4年間その専攻にコミットするわけなのだから。

率先してフラフラする時期があってもいいのではないかと思う。

でも、日本は肩書きのない人にはフレンドリーではない。「学生割引」も学生でないと適応しない。同じ歳でも「学生」でないと割引がないのだ。(ちなみに「浪人生」は学生の対象内なのだろうか?純粋な疑問)18歳とか19歳だけでは肩書きにはならない。

いうならば「ニート」というどことなく、蔑まれた、肩身の狭い総称がつくのだろう。ちなみにニートはNot in Education, Employment or Trainingの頭文字をとってNEET(ニート)イギリスのブレア政権下で生まれた概念である。ということは肩書きを付けたがるのは日本だけでなくユニバーサルなものなのかもしれない。

そんな肩書きを持たずに息子①は奮闘している。途方にくれそうな挑戦だと思うが、個人的にはとても良い奮闘だと思っている。人間どこかに属している方が楽なものなのだから。

あえて属さないチャレンジ、がんばれ、息子①よ。

そんな息子①はアルバイトをしてお金を貯めてはインドに行ったり、フランスに行ったりと、肩書きがない不自由さの中で、けっこう自由に、「今」を生きているようにみえる。

当たり前が当たり前でなくなったこの世の中で。

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