7-8 人生の片鱗

意外性は少なかった。

誰もいなくなり、俺もいなくなる。
俺もいなくなり、誰もいなくなる。

鵺にもなれず、龍にもなれずに削ぎ落とされた僕と君の鱗が海に漂う。片割れはこちらへ、片割れはそちらへ、宛は違えど、邂逅する。

君と相見え、垣間見えた片鱗は、すでに残景へと。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?