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Hope / 『記憶と空想』

写真家 Midori S. Inoue の 90年代 NY でのストリートフォトと、詩人・谷川俊太郎氏の言葉から生まれたフォト絵本「 記憶と空想 」 。第1章は、Midori S. InoueのNYでの写真から、詩人の谷川俊太郎さんがイメージした言葉が連なっています。

手に取ったあなたが、物語を紡いでゆく、この本をもっと遊んでほしい。
そんなことを考えながら、個展に足を運んでくださったみなさんに、ページに落書きをしてもらったり、思いついた言葉やイメージを書き留めてもらいました。

すてきな作品を少しずつご紹介していきます。



一見男の子の落書きと思うと可愛い写真です。でも、実はこれは9.11の2ヶ月後、Ground Zeroに設けられていた亡くなった方々へのメッセージボードに少年が書いているところを撮影したものです。2001年11月、ワールドトレードセンター墜落現場の脇に設けられたボードには世界各国の人たちからのたくさんのメッセージが書かれていました。亡くなった方への感謝の気持ち、追悼の気持ち、悲しみの気持ち、もう二度とこのようなことは起こしてはならないという戒め。こんなに小さな子供にも伝わる深い傷は、もうあってはならないことと、涙なしでは立っていられないこの場所で自分の心に刻みました。亡くなった方への哀悼とともに、もっともっと謙虚に生きなければいけないと思う毎日です。

『記憶と空想』キャプションより

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