まくらと、詞と夫。
言わずもがな、睡眠は大切だ。
ちょうど良い睡眠時間に、快適な寝具。誰かが良いと言ったからって、自分に合うかどうかはまた別の問題。色々試して、それぞれのベストを見つけていく。
昨日、飲み会帰りの夫が、知らぬ間にお布団に入っていた。
帰宅・お風呂からの睡眠は、ものの20分でこなす、サラリーマン的な光の速さ。
遅れて寝室にいく妻。
すやすや眠る夫の枕はとにかく薄い。その薄さがいいと言っていたっけ。
一方妻は、ある程度の高さがあるふわふわの枕が好きだ。頭をすっぽりと頬まで届くような柔らかさがある。包み込まれる安心感があるもの。
なのに、だ。
気持ちよさそうに眠る姿を見て、「その枕を試してみたい」と思ってしまった。ちょっとした出来心がふわふわと。
ピッタリと固定された夫の頭をわざわざどかしてまで、枕を奪うほどの鬼妻ではない(はず)。ならば、一度、枕なしで眠ってみてはどうか、と閃いた。
それくらいの薄さであれば、あってもなくても一緒だろうと。
ものは試し。
いつもの枕を手に抱え、頭には何も添えずに、眠りについた。
すやすや、案外なくたって変わらないのかもと思いながら。
…
朝、いつも通り起きる。
曇り空。微かにお日様の光が差し込む。
いつもと変わらない朝。
のはず、、
ん?
??
腰が痛い。
首が寝違えることがあっても、腰が痛い朝は珍しい。というより、初めてだ。
どうしたものか?
あ、、枕。
なくたって、どうってことないかと思った、ふわふわの君。
いつも私を支えていたなんて、気付きもしなかった。
抱き抱えて眠りについたはずが、足元にすんと置いてある。大人しくじっとしていて、こちらから迎えにいく。
ぎゅっと抱えて、私の睡眠にはこの白くて柔らかいかたまりが、やっぱり必要みたい、と再確認をする。
ずっと変わらない君を疎かにしてしまった。ごめんよ。
夫を見る。
早く寝たので、スッキリしたお顔。それにいつもの枕もあったから。
いつも一緒だと、ついつい有り難みを忘れてしまう。
ふわふわの枕も、隣にいる夫も。
暑さにぐったりした一日を労るように、今日は早めにお布団に入ろう。
心地よい眠りに落ちていきながら、朝の電車の話、お昼ごはんの話、今日のたわいもない話をする。
なくてもいい。けれど、あれば、ふふっと笑ってあたたかい気持ちになるような詞(ことば)を添えて。
明日もいい1日になりますように、
腰の痛みが和らぎますようにと願いながら…
🛌💤
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