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もうひとりの君と、私。

高校時代の仲の良い友人がいる。

明るくて元気でパワフルな彼女。


とき折りみせる真面目な表情が、空気に紛れる。

そして消える。


覗いてみたい。そう思うときがあった。

歩調を合わせて、少しずつ聞いてみるのだけれど、

きっとそれだけではない、何かがあった。

言葉では語らない何かが。


先日、彼女が初めて言葉にした。

音ではない、文字にしたのだ。

ずっと書いてみたいと言ったnoteを。

”初めて投稿されました。”と通知がきて、すかさず記事を読んだ。

ブワッと、きた。

ああ、これは言葉にはならない、と思った。


率直に、とても素敵な文章だった。

すっと読めて、ぎゅっと掴まれる、感覚。

力強い意志がそこにあるのに、ちゃんと風を通す。

押し付けがましくない。むしろ居心地がいい。


過去現在未来へと時空がゆるやかに動くような、

とても穏やかな時間だった。




「あの人は変わってしまった。」と思うことがある。

あんなこと言うような人じゃなかった。
もっとしっかり者だった。
もっと陽気な人だと思っていた。などと。


”変わってしまった”面も、少なからずあるかもしれない。

けれど、単に”見えていなかった”だけなのかも。

見る者の視点で、「彼女は明るい人だ」「彼は社交的だ」などと、フィルターをかける。

ふとこぼれ落ちて顕になった要素を、咄嗟に受け入れられず、

「あんな人だと思わなかった。」などと。



誰にだって、あるのだと思う。

陽気な面と、陰気な面。

安定している心と、不安定な心。

見えている自分と、見えていない自分。

ときには、本人だって知らないことがあるくらいに。


世の中は、カテゴライズしきれないことだらけ。
ひとりの中に、もうひとり。
ときにはたくさん、存在する。



なるべく、真っ直ぐに世の中を見ていきたい。

曇りがかった眼鏡で人や物を見てしまわぬよう、

上を見て下を見て、左右を見渡して。
たまには振り返って。

視界を広げる。


いろんな自分を受け入れて、

大切なひとの、いろんな要素を見つける。

過去現在未来、ポジティブなこともネガティブなことも。

いくつもの集合体がその人をつくっているのだと、気づく。



はっきりとは表に出さない、感情、表情、空気。

その瞬間を覗いてみることで、見る側もひとつ経験を重ねる。


もうひとりの君がいて、もうひとりの私がいる。

まだまだ知らないことばかり。

つくられる空気を、少しずつ読んでいきたい。




補足:
友人の記事を紹介したいのは山々なのですが、、更新のプレッシャーを与えてはならぬと思い、今回は控えさせていただきます😭


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