街並み

昔の実家の近所を通って

お客様先へ行った

実家失ってから、近くを通る度に懐かしさが募る

近くの小学校、団子屋さん、ラーメン屋さんなど全く変わりがない

ホッとする反面


もうここには戻ることは、一生ないのだと再確認する


寂しい感覚より懐かしい記憶が、今でも鮮明に頭の中に残っている


走り回った家の前

ドロケイをやった小学校

狭い路地でのキャッチボール


目をつむれば懐かしいあの頃へ、いつでもタイムスリップできる

だけど、もう、その思い出の場所に私は存在しない


近くに行く気もおきない


行ってしまえば、昔とは違う景色になったいるはずだから


家族で住んでいた家も、もういまは、全く違う家が建っているだろう


見たくない


見た瞬間に、思い出が壊れる

子供の頃の貴重な思い出が消えてしまう


失いたくはないのだ


でも、お客様のところに行くには、必ず通らないければならない道

なるべく見ないようにする

それでも、周りの景色は目に入ってくる


工務店だったところにマンションが建設中だ

同業だった町工場の跡地にも、新築マンションが建っていた

おじいちゃんが亡くなった病院も更地になっていた

ここにも、マンションが建つらしい


どこもかしこも、マンションだらけ

そんなに住む人がいるのかな?


東京の下町にどんどんマンションが、一軒家が建っていく


どんどん、私の知っている景色が変わって行く


どんどん、私の知っている街並みが変わって行く


どんどん


どんどん


思い出の景色が無くなっていく

まるで、私の過去が消えてしまうかのようだ


私は思い出の景色の写真を取らない

頭の中にしっかりと残すのだ

良い思い出だけを

嫌な思い出は全て消えてしまえ


私が育った街並みはどんどん変わっていく


実家を失った時から


私の頭の中にある街並みは、全く変わっていない


誰も変えることは出来ない


私の頭の中にある思い出は、誰も消すことは出来ない


決して・・・





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