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どこかで見た風景

公園で元気に走り回る子供達、一緒に走るお父さん

笑顔で話しているお母さん

普通の休日だ

ここだけ風景を切り取れば


少し前は、公園のベンチで子供達がゲームをしていた

こんな晴れた日に、外でゲームしなくてもいいのに

あの時は思った

それが今は違う、ゲームする子供達はあまり見かけない

そのかわりに

鬼ごっこしている子供達

ボール遊びをしている子供達がいる

懐かしいなこの風景


夜になるとまた風景が変わる

街から人が極端に少なくなる

商店街のお店も、20時を過ぎるといっぺんに閉店してまう

会社からの帰り道

開いているお店はドラッグストア、コンビニくらいだ

家が近くなる程、人がいなくなり、暗くなってくる

その時も思った

あれ?やっぱり懐かしい風景だ


昼の公園を見た時と同じ様に懐かしさを感じる

若い人達はわからない、懐かしい風景

それは


今のこの感じは、子供の頃に見た風景なのだ


ある時コンビニが近所にオープンして

7時〜23時まで開いていることにびっくりした

当時は23時まで開いているお店は少なかった

そして外食という今では当たり前の食事も

当時は、何かイベントがないと外食に行けなかった

「今夜は外食にするよ」言われると

妹と二人で大喜びした記憶が蘇る

外食の時は、みんなちょっとだけおしゃれをしていた

おばあちゃんも、おじいちゃんも、お父さんも、お母さんも

年に数回しかない外食が家族のイベントになっていた

その時の帰り道の風景が今と重なる

街頭がまるで主役の様に、夜も街を明るくしていた

当時、夜はあまり人も出歩かなかった

し〜んする夜の街


その夜の街が輝く時は、お祭りがあった時だった

今では信じられないが、商店街で盆踊りをしていた

浴衣を着て盆踊りをするおばあちゃん達

お祭りの格好で酔っぱらう大人たち

こんな静かな夜の街が、こんなにも夜に明るいなんて

こんなにも賑やかだなんて

子供の頃はお祭りの夜が楽しみだった


いつの頃からか、お祭りじゃなくても街は明るくなった

すると同時に、お祭り後の盆踊りは自然となくなった

お祭りがないのに街は明るかった

コンビニ、飲み屋、スナックどんどん夜遅くまで

お店が開いているようになった

夜なのに、明るいのが当たり前になっていた

それが

何十年も経って、その感覚が元に戻った

夜は暗くて当たり前なのだ

夜に人は出歩かないのだ

懐かしい風景を思い出しながら

明る過ぎた夜が、本当は違っていたことを再認識した

夜は暗かったんだ

生活が変わると、当たり前も変わる

狂っていた感覚が徐々に元に戻っていく・・・

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