イギリスの学校では電卓を駆使するという話
Hello, みろろんです。
今朝、突然カバンの中を掃除し始めた下の子。
時間がないと言いながらカバンの底にある紙屑やゴミを家のゴミ箱に入れるも外に漏れて床が大変なことに。
今日は時間に余裕がある私は
「掃除してあげるから準備して!」
と他のことに集中させました。
カバンの中からポロっとおちたであろう電卓が置き去りにされていたので
「これはいるの?」
というと
「いらない!」
の返事。
最近の電卓(最近といってもずいぶん前からですね)はソーラーと電池の併用ですが、この電卓はソーラー部分に紙が詰まっている・・・。笑
それで捨てるのか・・。でもまだ使えるのでは?
と思い、ボタンを押してみるとまだ使えそう。
それで思い出したのがイギリスでは中学生以上は「関数電卓」が必須なこと。
私は高校生の時でも知らなかった存在。大学に入って初めて購入することが義務づけられ、やたらと高価(当時5000円以上しました)な電卓を買わされた記憶がよみがえりました。それを使えるのに捨てるとは!!
現在は1000円ちょっとで買えてしまう関数電卓。知らない人のために説明しておくと普通の電卓にいろいろな関数、例えばxの2乗だけでなく6乗とかそれ以上が計算できるとか、Log計算、Sin, Cos, Tanなどの三角関数などの計算もできる電卓です。
うちの子たちの行っている学校では入学時にこの電卓を買うことを推奨されます。セカンダリースクールの最終目標はGCSEですので、その試験会場でも使える「公式」な関数電卓を買うように指示されます。
授業でも手で計算することはほとんどなく、電卓を使って問題を解くようです。
イギリスで日本式の数学を教えているとほとんどの子供たちは分数を使わず小数で答えるのですが、それは電卓の使用が原因であることが理由にあると思います。(もちろん関数電卓によっては分数でも答えを表示できるのですが)
日本では計算は早く、正確に・・という名のもと、たくさんドリルをやらせると思うのですがイギリスではその式がたてられるかどうかが重要だということの表れだと思います。だから計算は電卓に任せる。笑
しかしこの関数電卓、いろいろなことができるのですが私ですら使ったことのない機能を子供たちはバンバン使っています。
高校生(6th Form)のうちの子はなんとグラフを書いてくれる電卓を使っています。
学校でも買わなくてもいいよ、と言われている高級な電卓ですが、毎回いろいろな機能を使って宿題をしています。母は更についていけません。。
いろいろ便利な機能があったにも関わらず大学時代無駄をしていたなぁと今更ながらに思います。
話は変わりますが、計算より式をたてられるほうが重要、というのは教員時代先輩先生に教わったことです。(日本にいた時です)
化学の問題集や(大学入試の)過去問でも複雑な計算をさせる問題がありました。(20年前の話です)
当時の私は計算力も実力のうち、とばかりそういう問題を定期テストなどに出していたのですが、先輩先生はいたって計算が簡単になるような問題を出されていたので質問したことがあります。
「計算が簡単すぎませんか?」
すると先生は
「計算ができるかどうかは化学の評価ではない。モル計算の式のたて方が解っているほうが重要だから、そこを判断する問題をだせばそれでOK。」
と。
厳しい受験ばかりみていた私は目から鱗でした。そんな記憶をイギリスの教育で目のあたりにしています。
そうですよね・・。いくら与えられた計算が早く、正確に解けても、式が自分でたてられないと計算できませんもんね。。。
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