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ヘアドネーション

私の美容室では、娘の髪が抜けてウイッグを買ってあげられなかった体験から、ご希望の方にヘアドネーションのカットを実施しております。

まるでガンダルフのような素敵なおじさまが、ドネーションをしに当店に来てくださいました。ありがとうございます!

髪の寄付は、小児用ヘアウイッグを作るための髪の毛として使われます。

主に治療などで髪が抜けてしまった子どもに手渡すもの。

うちの場合は身体の病気はなく、親もどうしたらいいかわからない中、手探りでしたので、ウイッグを探すタイミングも買うタイミングも見つけられませんでした。
手製ヘアバンドをいくつも作り、文字通りそれで凌いで過ごしました。

そもそも子どもが病気にかからなくてはいけない社会の在り方から見直すべき、というのが私の基本的な考えです。が、ほんの少しの間、もしかしたらもっと長い期間。子どもにとって髪の悩みを忘れてほっと過ごせることって大切だと思うのです。

髪のない娘を見るのは本当に辛かった。娘が育った園に相談するも、立ち話で選挙の話しが始まり背中を向けられてしまったり、私が困っていると知った知人はウイッグがいくつも買えるくらいの金額の投資話を持ってきたり、「その状況は自分が作っているのよ」と言い出す人までいて、もうなにがなんだかイカれている状況でした。
まあみんな、必死で自分が幸せになりたいもの。長い人生、そんな日もあるよね。

娘はいま、きれいなロングヘアです。
お母さん下手だから切るの嫌ー!と言っていますが、少なからずトラウマは残っていることでしょう。たとえウィッグを作っていたとしても、そのトラウマは消えないと思います。だからこそ、寄り添う気持ちがウィッグには込められている気がしてなりません。
子どもの全頭脱毛なんてあり得ない辛い出来事ですが、これが私たち現代人の意識状態の結果でもあるのだとわかったときから、「じゃあどうしようか」と、創造の力が働きだしたことも事実です。

ヘアドネーションに込められた愛のエネルギーが、関わる人の心を明るく照らしますように。

お読みいただきありがとうございました。


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