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「ママ、生理なんじゃないの?」ーおうち性教育、二世代アップデート

二日前の大停電の日、生徒たちの最終評価作成に疲れ果てていた私は、停電をいいことに昼寝をしようとした。
しかし腰が痛い。

「プーちゃん、ちょっと腰踏んでくれる?」

10歳になったばかりの娘の腰ふみふみマッサージは、ちょうどいい加減にイタ気持ちよくてそのまま眠りこけた。

夜。またまた腰が痛い。娘に再び助けを求めると「えー、また?」と言いながらも私の要望に応えてくれた。

「ママ、生理なんじゃないの?」
「え?そうかなぁ。みんなの成績つけてたから疲れてるんだと思うよ」

まさか生理だと言われるなんて! へぇ、プーちゃん「生理」のこと、私が思っているよりよく理解してるかも…。

そのままぐっすり寝て、私は未明からまた仕事をした。
そして、朝6時。お祈り前にお手洗いへ。ギョエェ、生理がきてるぅぅ。うっそー。だって、予定の日よりまだ1週間ほど早いのに。

私は起きてきたプーちゃんに生理がきたと伝えた。
「ほ~ら~!」
プーちゃんは私を指差しながら、満面の笑みを見せた。

「なんで生理がくるってわかったの?」
「だって、ママは生理の前はすごくよく寝るし、腰が痛くなるもん」

わ~よく見てる!!!!

プーちゃんには生理について半年前(プーちゃん9歳半)にひととおりのことは伝えた。でもさ、生理や射精の話をはじめ、おうちでの性教育っていつどこからどうやって話せばいいんだろうって思わない?

我が家では、本「おうち性教育はじめます」を参考にプーちゃんが幼稚園のときからプライベートゾーンなどを教えた。いや、一緒に学んだ。

↑「どうやって話すの?」がよくわかるから、超絶おすすめ!!! 思春期版(下)も即買ったよ。

夫もさりげなーく巻き込んでる。娘と二人で学んだことを後で伝えたり、夫と三人で話すこともあったりしてね。

私は、実はおうちでの性教育に関して並々ならぬ熱意をもっていた。それは子どもの時に強く感じたことがきっかけになってる。

私がちょうど娘と同じ10歳くらいの頃。我が家の本棚に、ある日突然、思春期の体の変化について書かれた本が並んでいた。わかりやすい言葉で優しい雰囲気で書いてあったから、母が私のために買った本だとすぐにわかったのね。

ざっと本を読んで、私はすごく嫌だった。本の内容にじゃないよ。母に対して「こんな大事な話を本一冊棚に置くだで済ませるの?」って。

わかるんだ。うちの母だってどうやって教えたら(話したら)いいのかわからなかったんだろうということは。シャイな母が私のことをよく考えて一生懸命にやった結果がああなんだって今ならわかる。ううん、当時だってわかってた。

でもさ、大事なことを話し合わない態度にひどく腹がたったし、幻滅したんだよ。しかもコレ読んで勉強してねって誘導されてるみたいなのも嫌だった(母への要求が高かったんだねぇ)。「うまく教えられないから本で勉強してね」って言ってくれればよかったのに!

私が大人になって子どもができたら、絶対にこの大切な話ができるようにしようって思ったんよね。

四半世紀以上しつこくこの気持ちを抱き続けた私は、結婚後、一時は嫁姑問題でズタボロになったけれども、私なりに安心な家庭づくりを進めてきた。安心感があると、性の話だけでなく、なんでも大切な話が打ち明けてもらえるんじゃないかと思ったから。

家庭づくりは今も発展途上だけど、そのなかで今回みたいに生理の話がポロッと出てきたのはね、私はとても嬉しかった。

あの頃の母への怒りたるや相当なものだった。が、あれがなければこうはしなかったかもと思うと感慨深いものがある。

いつの時代だって私みたいに親の子育てに不満がある人はいるよね。私はけっこうパワープレイで「どぅおりゃー、私はあなたみたいにならへんわぁぁ」で突き進んでしまったけど、このやり方がいいかどうかはわからない。

ただね、自分が嫌だったことを世代をへてアップデートできたのはよかったなって思うんだ。

子育てしてるとさー、嫌だった母の口癖や態度とそっくり同じことを自分が自分の子どもに対してやってて、愕然とするでしょう? 

でもさ、あなたが強く思ったことーこれだけは親がしてくれてうれしかったから引き継ぎたいとか、これだけは親にされて嫌だったからやりたくないとかーは、時間も労力もかかるし失敗に凹み傷つく日も多いけれど、強く強く思い続けていればいつかきっとできるようになるよって伝えたかったんだ。

プーちゃんと自然と生理の話ができてうれしいなぁって思ったのを起点に、こんなところまで語ってしまったなぁ。今日はちと熱いエッセイでした。ではねん。また明日。

(みどり)

↓ こちらは、インドネシアの学校での性教育の話。高校で保健所の職員が保健指導をしてくれた日のこと(みどりの別ブログにとびます)


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