結婚式に行かなかったのに料理を振舞われて学んだこと
昨日の夕方、「こんにちは~」と女性の声がした。
「はーい」と門へ向かうと、義兄2号の元嫁さんの親戚がいた。
元嫁さんに何かあったのかと身構えていたら、身内に結婚したので料理を持ってきたとのことだった。
こちらでは、結婚式に参加できなかった場合でも、近くに住む身内や関係者であれば料理が振舞われる。
しかし、私は焦った。
結婚式に参加できなかったどころではなく、結婚式があったことさえ知らされていなかったからだ。
ありがとうと料理を受け取り、料理を持ってきてくれた人を見送ってから、内心、私は思った。
「えー、結婚式があるなんて知らなかったよ。結婚式に行ってないし何にもお手伝いもしてないのに、料理だけいただいて厚かましい」
そんな私の傍らで姑サーちゃんはこう言った。
「はぁ~、元嫁の母親はまだ私たちのことを想っているのねぇ」
サーちゃんは、我が家に料理を持ってきたのは元嫁ではなくそのお母様の判断だと見越したんだな。そのうえで、お母様に感謝しているようだ。
ほぅ、なるほど。そんなふうに捉えるのかぁ。
私は物は受け取ったけど、彼女たち親族の好意は受け取らなかった。それに対して、まるっと受け取った姑サーちゃん。
サーちゃんの考え方のほうがほんわか幸せな気がして、見習おうと思った。
*
お料理は思いのほか大量にあった。
傷みやすいココナッツが使われていたので、早く食べないといけない。
夫にすぐ電話で事情を話し、今晩は家で食べてねと頼んだ。
夫はボートのキャプテン・アグスと同じ業種で働く弟分のワワンを連れてきた。
「(クリスマス休暇が終わって)今日は観光客が少なかった(=実入りが少ない)けど、みんなでごはんを食べられてよかったよ」
そっかぁ、夫も「よかった」って思うんだな。
そうだね、皆その日暮らしだからその日の実入りがないと苦しいんだけど、こうしてみなで食卓を囲めてよかったね。
夫もずっとその日暮らしで、ほとんど家も財産も持たずにやってきてたから、彼らの気持ちがよくわかるんだろう。
おかげでお料理も残らずにすんだ。
家族から心地のいい付き合い方を学ぶこともできた。
いい一日だったな。ありがとう。
サポートはとってもありがたいです(ㅅ⁎ᵕᴗᵕ⁎) 2023年年末に家族で一時帰国をしようと考えています。2018年のロンボク地震以来、実に5年ぶり。日本の家族と再会するための旅の費用に充てさせていただきます。