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2023.08.28 #ユレニワ_エロス 感想(書き途中で解散発表があった…)

毎月ワンマン公演が観られるのはユレニワだけ!本当にそう思ってる。好きになって良かったし誇りに思う。
5月から単独公演に戻った定期公演エロス。毎月違った趣向を凝らしていて、定期なのは日程だけ。いつも違う、いつも新しい、いつも挑戦。その場に毎月立ち会えることが、それをわたしたちに見せてくれていることが、楽しい嬉しい。挑戦的なのに、とても愛を感じる。この定期公演エロスが毎月あること、来年の3月まで毎月ライブの予定があるということが、どれだけ支えになっていたか。来月から「無い」と分かってから、余計に感じる。うきうきとカレンダーに書いた10月以降のエロスの予定を、まだ残したままにしておきたい。来月からどうやって1ヶ月を過ごしていけばいいのかよく分からない。それでも、


いつものエロス開演前BGMそのまま、ユレニワオープニングSEは鳴らずに、静かに入ってくるメンバー、煽りもなし。
VJの雰囲気と相まって少し緊張気味のフロア、ギターの歪み音から始まる公演オープニングを固唾を飲んで見守る、イントロからVJで気分が盛り上がっている、初っ端から歌い上げる「まぼろしの夜に」を持ってくる時は、気合が入っている時だ、と思う(ワンマン長尺のエロスだからできること!)
演奏にも歌にも気合が感じられるし、その気合が、全て丁寧な演奏に還元されている。魂のこもった人間が演奏する曲と人間の魂で出来ている歌になっている、余すことなく。人生を賭けて音楽をやっている人たちのライブだ、と感じて初っ端から感動してしまう。1音1音に魂の全てが詰まっている。1曲目にしてクライマックス、アウトロの力強いギターとドラム、感情を乗せたグルーヴ、


え、そして2曲目からいきなりLilacですか?まぼろしの夜に、からの繋ぎのどきどき感からのイントロのベースとドラムのリズムが心地よいLilac、VJセットの日と謳いながらも素灯りで、真っ白の幕の前でシンプルであたたかな光に照らされたステージ、演奏も歌もシンプルにストレートに伝わってくる。ユレニワは何かと「轟音」「複雑で面白い音楽」とか思いがちなのだけど、Lilacはただただ、いい歌いい曲で心が落ち着く。
でもアウトロで転調、そして段々スピードアップアウトロ、とか大技を繰り出してくるところ、何の捻りもないシンプル良い曲と見せかけて全部詰め込んでる。


Lilacのスピードアップアウトロから遺書に繋がる時の高揚感!ドラムの煽りも最高…
遺書はさ、鉄板なんです。神も仏も殺してやる、なのに反戦の歌で、ノリがいいのに胸が苦しくてそれでも飛び出したくて。間奏のスタッカートみたいな弦の音にベースがユニゾンする、その後の軽快なスネアとハイハットの音に胸が高鳴る。生半可な気持ちでは歌えない、意志を込めた遺書。



からの突然爆音のギターサウンドから始まるCherie、イントロの漢ドラムが本当に好き…パワフルプレイかっこいい。砂埃の中を駆け抜ける西部劇っぽい雰囲気も感じる。イントロでシロナカムラが放つ、どこから声出てんの?っていう、雄叫び(雄叫び?)に心が燃える。Cherieはどこを切り取ってもかっこいい、心意気も演奏も歌にもユレニワの美学が溢れてる。シロナカムラがサングラスかけて歌ってるところもすき!めちゃめちゃイカしてる。サングラスで歌うCherieがとても好きだ。(サングラスかけてたよねこの時…記憶うろ覚え)
ステレオから流れ出すギター!のところのれんじゅドラムがとても好き(ギターなのにドラムっていう)。もしかしたら、1番ユレニワの真芯を突いていて、知らない人に聴かせたい曲かもしれない。

だらしないねイントロの漢ドラムもとても好き…。イントロから本編に入るところの「ワン、ツー!」も!
歪んで歪んだ(ゆがんでひずんだ)よしきギターの不穏な音色がぞくぞくする。間奏のギター掻き鳴らし!ドラム乱れ打ちと相まって血管切れそうになる程ブチ上がる。。セルフライナーノーツ読んでからずっと「ただの文字列」として聴く自分と、「意味を持った言葉」として聴く自分が両方いて、いつも頭パンクしながら聴いてる。感情の発露を音楽に昇華する、ということ。


MCでシロナカムラが、ツアーでもないけど帰ってきたなぁと思う、と言っていて、ライブが「帰るところ」なのがとても良い。
共同生活を送っているからこそ、濃すぎていつも旅に出てるみたいな。メンバーも避けようがないほど一緒にいる、いつも。
毎月集まれる場所がある、このコンセプト素敵だよねって、自分たちが始めた企画だけど、俺らがそれに救われてる、っていうか。いつもありがとうございます、毎回新鮮な気持ちでやれるなって。


言葉のひとつひとつに嘘がない。まっすぐに音楽に向かっている。


ひかりにひかれては、イントロのコーラスがキレイで、聴くだけでグッとくる。2番Aメロの部分がとても好きで、この地下のライブハウスが特別な空間になる瞬間。間奏のメタルゾーン、からのグリッチで頭も身体もぐわんぐわんに揺さぶられたあとに美しいギターの音色が沁みて、このアウトロが本当に好き…。


Biancaのしっとりに熱がこもる。曲が終わって、次の曲が始まる前の無音の空間がとても好きだ。弦をチューニングする音が響く。そして、「生きるのが辛くて、自分の不器用さに心が萎えてしまう瞬間がたくさんあって、そう、その中でも、僕のまじまいえんじぇるは本気だったぜー!」
グッときた。泣いちゃいそうだった。この気持ちには解説もレポも要らないと思う。ユレニワの曲は希望だ。人生が辛いことはわかってる。投げ出したり諦めたりしたくなる瞬間がどこにでもある。だけど、それでも生きていく、何も上手くいかなくても、自分が役に立たない虚無感に襲われてても、泣きたいのに泣けない天邪鬼だとしても、生活の違和感で顔が死んでても、ぐちゃぐちゃのどろどろで生きていたくなくても、どんなひどい状態になってても、生きてれば楽しいこともある、苦しさを生きるバイブル!だってすべてはここにあるよ。ここだけは、ここだけが、


そして聴き覚えのあるイントロ、大好きな革命児。かわいい、愛おしい革命児。革命児って言ってるのに、酔っ払って電話かけたり心底参って電話かけたり、 曝け出してる革命児、50cc駆け巡るよ、のところが好きすぎて毎回拳握ってにこにこ聴いてる。何でここのフレーズがこんなにもどうしても好きなのか誰か教えて欲しい。「ラーララララー」を合唱するのが幸せな時間すぎて泣けてしまうな。声出しOKのこの景色。その昔、あるバンドの解散ライブで「一生分の「ラ」を言い切れ!!!」と歌わされて以来、もう「ラ」をこんなに言うことないと思ってたんだけど、時間が経つと好きは増えるから、まだまだ「ラーララララー」を歌っていたい。ねえ、歌ってないと、サヨナラの匂いで死んじゃいそうだから。


恋人たちのヒムのイントロ、宇宙っぽい「ひゅーーーん」音が増えてて、「なにこれ??」となってアガる、、なんでいつもライブで聴くたびに曲が新しくなってるの?すごいよユレニワ。最高傑作と言っても過言ではない、ユレニワのユレニワたる所以が随所に詰め込まれている、恋人たちのヒム。
浮遊感のあるニュアンス音色ギター、キラキラノイズ、華麗ドラム、どこまでも人間くさい楽器と楽器のぶつかり合いの演奏、心の闇ともきちんと対峙して音楽で昇華させる歌、メンバーそれぞれの全く違う個性を、音楽性を、思いを、ぶつかり合いながら混ぜ込みながら納得がいくまでとことん煮詰めていく。だからユレニワの音楽は魂が乗っかっていて、一筋縄では行かなくて、絶対に消費されない、強くて唯一無二。広がりがあって、可能性があって、一つの思想だけじゃなくて、これでもいいんだ。どうあってもいいんだ、という懐の深さ。肯定感。悲しくても孤独でも、そこにいていい、そのままでいい、と受け止めてくれる。


でもこの日の一番は「知りたい」だった。多分満場一致、なんじゃないかと思う。
シロナカムラがゆっくりと、目を潤ませながら話す。エロスを毎月やっている安心感、頼れる存在。毎月一回はみんなと同じ空間を作れる。だから一日一日を頑張ろうって思える。俺は未来に希望を持って生きてるタイプじゃないからさ、ただ明日生きる理由を探してそれを繰り返して生きてる。そんな人間が、毎月単位で希望を持って生きていられるっていうのが、嬉しいことだな、なんて思います。


「知りたい」は生きるための歌。知りたいから生きたい。知りたいから行きたい。でも、もしかしたら知りたいから逝きたい。かもしれないし、死にたいから知りたい。かもしれない。生と死は隣り合わせで、死があるから生が輝く。死にたくないと思うから生きたい。生きたいと思うから死にたくない。死をはっきりと間近に感じるからこそ、生きることにしがみついていたい。振り落とされない。生きるってのはきれいごとじゃない、それでもきらきらしていて眩しくて、時々目を背けたくなることもある。そんな時にも、何も言わずに寄り添って轟音で包んでくれる、圧倒的な目の前の「生」。微動だに出来ず、いつのまにか感極まっている。アウトロのギターの音色が胸に積もりすぎて、一生終わらなければいいのに、このままずっとこの感情のまま、この音の中に包まれていたい。と思った。




……そう思ったのに、これからも毎月単位で希望を持って生きていたい、そう思ったのに。来月も楽しみだな!って思ったその直後に、終わりのお知らせがあるなんて思わないじゃない。愛の歌は、いがみあう僕たちを導くんでは無いのですか、なんて思ってもしまうけど、いがみあっていては、愛の歌は歌えないからな、とも思う。


何よりも悔しいのは、「曲は残る」とはいっても、その「曲」が、ユレニワによって鳴らされる、ライブで生で聴く、その何よりも大切な時間が永遠に失われてしまうことだよ。ライブで聴くユレニワが何より一番好きなんだよ。もう観られなくなるなんて、聴けなくなるなんて、ちょっとまだ信じられない。まだ何の納得もいってない。まあ、納得いこうがいくまいが、終わることには変わりないんだけど。



でも心を違えてまで続けなきゃいけないことなんて何もないからな、とも思ってる。もう何も言わなくてもいいし今すぐ休んで欲しいとも思ってしまう。今はまだどんな気持ちで9月28日の、最後の(最後のって書きたくないな!)定期公演エロスに臨めば良いのか分からない。分からないけど、全身全霊で受け止めることだけは、決めてる。


淋しい気持ちを鍋に汲んで、湯が沸いた後でもなお未だ寂しいよ。月を溶かしてもまだ泣き止めない。轟音の音圧で涙も飛ばしていって欲しい。



あと最後に言うけどさ、ユレニワの公式Twitter開くたびにトップに出てくる「解散のお知らせ」、否応なしに目に入ってきて普通に辛い!全然つらい!超悲しい!
悲しい時には「悲しい」って言って泣いた方が良いと大人になってから知ったから、泣きすぎて泣けなくなって笑っちゃうまでは泣いていいって思ってる!


2023.08.29 #ユレニワ_エロス
1.まぼろしの夜に
2. Lilac
3.遺書
4. Cherie
5.だらしないね
6.ひかりにひかれて
7.Bianca
8.まじまいえんじぇる
9.革命児
10.恋人たちのヒム
11.知りたい
en.birthday


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