眠れない冬

冬は基本的にずっと眠っていたい。夏が終わると活動欲が湧き出る部分がぱたっと閉じてしまうので、冬は精神的にも物理的にも動きたくないし動けない。出来るだけひとつのところに留まって、心ゆくまでぬくぬくと過ごしたい。半径3メートルの世界で十分。外はこわい。

それなのに夜は眠くない。こんなに暗くて長い夜をどうやって過ごせばいいのかと、半径3メートルの中でずっと考えている。気付くと体育座りで小さくなったまま3時間くらい経っている。何も進んでいない。ただ座っているだけだ。何も生み出さず、何も考えず、ただただ座って時が過ぎるのを眺めている。風景は何時間経っても何も変わらないのに。

そして朝が来そうになってもまだ暗い。いつのまにか眠っていて夜は終わっていて、そしてまた夜が来る。

この永遠に続く夜を、どうやって、どうやって、


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