見出し画像

2024.8.17 東京ダービー雑感

雑感なので、本当に雑。

昨日のダービーはぼっちでゴール裏参戦。妻はお留守番。
昨年のも含めて、自分にとって3回目の東京ダービー。ぜんぶぼっち観戦だ。なにかトラブルがあったときに、好きで現地に足を運んでいる自分に被害が及ぶのはまだしも、妻まで巻き込むのは申し訳ないというのが理由ではある。が、正直それ以上に、いやがうえにも気持ちが昂る試合を目の前にして、とっさに口をついて出る少々お上品さに欠ける言葉を、隣の妻に聞かれたくないというのが本音だ。あと、感情のコントロールができない様を、友人知人にもあまり見せたくないので、こういう荒れる試合の観戦中は一人がいちばん楽。寂しそうとか、言わないで。

先月の町田戦で「今日負けたら家には帰りません!!では行ってきます!!!」とイキった宣言とともに家を出たら普通に負けたので、昨日は黙って出かけた。なんというか、町田相手ならこれで負けても自虐する心の余裕がわずかにあろうが、奴ら相手には、無理がある。

味スタまでの道中は、特になにもなく。
強いていうなら、歩道橋あたりですれ違った向こうのサポが、これみよがしにチアホーンみたいなものをこっちにプープカ吹いてきたくらい。なんやお前。こっちもオタマトーン鳴らしたろか。

4月のダービーの時も思ったが、このマッチ特有の不穏な雰囲気みたいなのは、だいぶ薄れたのではないか
去年の天皇杯のときは、お久しぶりな一戦だったし、平日のカップ戦という、わりと先鋭化された人間しか集わないようなシチュエーションだったしで、卵は舞うわ花火は上がるわ、歩道橋には謎の弾幕がかかるわ、俺も京王線内で中指立てられるわ、で元気があって大変よろしいですわねって感じだったけど、
4万人近くが集った昨日の試合は、あちらのサポもファミリー層や若いカップルがとにかく多く、そうした尖った面が薄れていた感じがする。全然いい傾向ではあると思うし、一方、それはそれでちょっと違うなというひねくれた感情も、なくはない。あと、高校生の分際で、ペアでお揃いのネームのユニなんか着ちゃって、キラキラしたオーラを振りまきながらスタジアムデートとか、お前らこの先どこかでなにかしらの天罰が下れというもっとひねくれた感情が(自主規制)

(あちらさんの煽りゲーフラも少なかった。でも「ANTA MO GAS」ゲーフラはちょっと笑った)

ともかく、たどりついたゴール裏は、えげつない熱さ、そして暑さだった。
持ち込んだ2Lのスポーツドリンクじゃ、到底足りないくらい、過酷な環境だった。
なんとなく、2013年のサマソニを思い出した。あの年は灼熱のマリンステージに見ごたえのあるアーティストが集っており、VOLBEATから始まり、ジャニーズ崩れバンド→ホルモン→BFMV→FOB→リンキン→メタリカと全て見るべく、最後まで野外にい続けた結果、情けないことにメタリカを見た記憶がほとんどないほど朦朧としてしまった。あの時の暑さが人生でいちばんのキツさだったが、それを引き合いに出したくなるほど、昨日のスタンドもしんどかったです。

巷では「ミスチル地蔵」が話題になったこの年のサマソニ、
今見るととっても豪華なメンツだよな。
あと、この日が俺がチェスターに会えた最初で最後の日だった


そんな話はどうでもいいとして、応援の雰囲気はすごくすごくよかったと思う。
俺たちの、緑を愛する人間たちの本気はこれだぞ、って、誇っていいレベルの声援だったんじゃないかな。
コレオもなく、派手な演出もなかったけど、だからこそ、いまのヴェルディサポのありのままの最大値が、見えたと思う。

後半、染野の煽りに反応して、これ以上上がりようがないボルテージがさらに高まる姿には、ちょっと涙が出そうになった。あの直後に染野のヘッドが決まっていようものなら、そのまま俺の顔は醜くボロボロになっていたであろう。


選手たちの気迫も、存分に感じられた
最後の微妙な判定で、手を広げながら猛ダッシュで審判に詰め寄るマテウス(どんだけ長い距離走ってきたんだ)。ディエゴオリベイラだけには絶対に仕事をさせてなるものか、と意地でも食らいつき続ける林。ここにきてコンディションもばっちり整い、クールに激しくボールを刈り取る宮原。そして、前回のダービーでのケガの記憶も新しかろうに、たとえ流血することになろうがお構いなし(そしてその血の色は緑だろう)といわんばかりのテンションで、バチバチと相手に体をぶつける、谷口の姿。昨日は特に守備陣の奮闘ぶりが素晴らしかった。


でも、勝てなかった


試合後の挨拶。
審判に向かってのブーイングが鳴りやんだ後、こちらに向かって歩いてくる選手たちに対して、暖かな拍手が送られた。彼らは、一定の称賛に価する、誇りをもった戦いぶりを見せてくれた。でも、ダービーは勝ちが絶対なはずだ。そうである以上、たやすく彼らにねぎらいの言葉をかけてはいけないのかもしれない。でもでも、本当にみんなの気持ちは伝わったし、ひとまずダービーは終わった、また次の試合から仕切り直しで、なんとか奴らより上の順位でフィニッシュしようぜ。いや、しかし本当に悔しい、なんとか勝てなかったのか・・・
何をどう示すのが正解なのか、わからない。やり場のない感情だけが、また、そこに残った。これで去年から数えて3回目だ。

そういえば、後半35分、倒れた森重に対して、ヴェルディゴール裏から拍手が起きたあの瞬間も、個人的には美しく感じた。

ダービーなら何もかもが許されるという雰囲気にはならなかったこと。そこの一線を履き違えなかったこと。別にあの拍手がゴール裏の総意ではないだろうし、「スポーツファンとして当然」という意見だったり、まったく美しさすら感じない人もいるだろうが、別にそれでいい。俺はこういうサポのアティチュードが好きなんです、そんな思いを込めてポストしたが、それに対するあちらのサポからのいいねとかリプライが鬱陶しく感じた。別に俺らは奴らにお礼を言われたいがために、彼に拍手を送ったわけじゃない。でも、俺のこの呟きは、冷静になってみれば、そうした馴れ合いを求めているようにしか見えない。

スタジアムからの帰り道、広島遠征をともにした友人と合流し、あれこれ話しながら調布駅まで歩いた道中では、それなりに楽しくこの試合を振り返ることができて、じゃあまたね、と彼と別れたわけだけど、ひとりになった途端に、なんだか悔しさがぶり返してきた。感情がぐっちゃぐちゃだ。帰りの道中で聴いていたPay money To my Painの”Home”って曲、その中の「I don't wanna be like you who I used to be」って一節に、またちょっと泣きそうになった。バカみたいだね。人は、ダービーが絡むと、本当に面倒くさいヤツになる。VARコールの是非なんて、一晩明けてなお議論するようなもんじゃないだろう。でも、1年に2回くらいは、そうした日があってもいいんじゃないかなって、ちょっとだけ思う。

まあいいや。
皆さんお疲れ様でした。とりわけ、昨日のゴール裏に参戦された方々、ゆっくり休んでくださいね。


では、決着は、また来年。

近くにいたトラメガの方、言葉の選び方がすごく好きでした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?